バトルタワー
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バトルタワーとは、ポケットモンスターシリーズに登場する架空の施設である。その名が示す通り、戦闘を行うための塔である。
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[編集] 概要
現在の所、『クリスタル』『ルビー・サファイア・エメラルド』『ダイヤモンド・パール』に登場している。いずれも、壁面全体にガラスをあしらった近代的な姿を見せる。
それぞれ細かいシステムや目的は異なるが、ノンプレイヤーキャラを相手に、プレイヤー同士の通信対戦に近い雰囲気を持った戦闘を楽しむことができるという点では共通している。具体的には、通常のフィールド上で行われる戦闘とは異なりアイテムを使用することができない、戦闘前に強制セーブ(敗北した状態のデータを上書き)され、リセットによるやり直しが通用しないといった部分であり、プレイヤーの緊張感をかき立てる。
[編集] クリスタル版
アサギシティの北に位置し、シナリオ中盤から利用することが可能である。モバイルアダプタGBによるオンライン専用コンテンツだった。現在では使用することができない。プレイするごとに専用サーバから敵トレーナーのデータをダウンロードし、彼らとの戦闘結果を任意でアップロードする。通算の勝利数がニュースとして配信され、ランキング更新にしのぎを削る者もいた。
1度のプレイでは、手持ちポケモンが全滅するか、あるいは敵トレーナー達に7連勝するまで続けられる。1日当たり5回までしかプレイできなかったので、勝利数を増やすには高度なプレイングと継続したサービス利用が要求された(1日当たり35勝が最大)。最終的にトップになった者は、2年足らずの期間中で2万勝近くを挙げた。
最初期こそメーカーの用意したデータを相手に戦うことになったが、基本的に敵として現れるのは前日までに実際のプレイヤーが使っていたポケモン達のデータである。特に最後の7人目はバトルリーダーと呼ばれ、前日に最も少ないターン数で7人抜きを達成したプレイヤーがその座に就いた。リーダーに限らず、ポケモンにつけるニックネームや戦闘開始前後のセリフはプレイヤーが設定したものが反映され、個性をアピールする絶好の機会であった。
本作のバトルタワーでは、クリアしてもゲームを有利に進める手段(アイテム等)は一切手に入らない。純粋に戦闘を楽しみ、ランキング更新を目指すだけのストイックなシステムだった。
[編集] レギュレーション
上限のレベルが10から100までの10段階から選べた。それぞれ20種類のバトルルームが用意されており、データが独立して記録されていた。レベル70以降は、いわゆる「伝説」「幻」のポケモンを使用することができたという点で、後の作品に登場するバトルタワーとは一線を画している。
[編集] 不正問題
サービス開始初期において、通常では覚えられない技を覚えたポケモン達が多数確認されたという。ユーザーの抗議もあってか、そのようなポケモンのデータは自動的に削除されるようになっていったが、「個々では普通に覚えられる技だが、同時習得は不可能な組み合わせの技を覚えたポケモン」はサービス終了時まで存在していた。
[編集] ルビー・サファイア版
シナリオをクリアした後向かうことができる、ホウエン地方の南部にある孤島に存在する。対戦における基本ルールはクリスタル版に準ずるが、オフライン版になってしまった事が原因か多数の変更点がある。
- 勝利数のみならず「連勝数」が記録される。手に入れるためには連勝することが条件のアイテムも存在する。
- 相手は基本的にゲーム内で設定されたノンプレイヤーキャラである。連勝数が多いほど強い者が現れる。
- 通信した(レコードを混ぜた)他プレイヤーも敵として出現することがあるが、ゲーム側で用意された敵と比較すると圧倒的に少数派である。
- 行動パターンは特殊なケースを除いてほぼ完全にランダムであるため戦略性に乏しい。
以上のような点からクリスタル版の経験者からは批判の声もあったが、多くのユーザーにとってポケモンのゲーム本編で遊べる対戦系のやり込みイベントはシリーズ初のものであったため、概ね好意的に受け止められた感がある。
本作では直接登場することのない「バトルリーダー」「バトルルーム」等の単語が「かんたん会話」に存在することや、タワー付近に「35連勝」を目的にするトレーナーがいるのは、クリスタル版の名残と言える。
[編集] レギュレーション
上限レベルが「レベル50」「レベル100」の2類のみ存在する。ゲーム側で用意された敵トレーナーは、全てレベルが上限に達したポケモンを繰り出してくる。
いわゆる「伝説」「幻」であるミュウツー、ミュウ、ルギア、ホウオウ、セレビィ、カイオーガ、グラードン、レックウザ、ジラーチ、デオキシスはいずれのレベルでも参戦不可能。
[編集] エメラルド版
バトルフロンティアの一施設である。詳細はリンク先を参照。『ルビー・サファイア』ではほぼランダムだった思考ルーチンが大幅に改善されたり、戦闘形式として従来通りのシングルバトル以外も選択できるようになったなど、多数の改良点がある。
[編集] ダイヤモンド・パール版
シナリオをクリアした後向かうことができる、シンオウ地方の北にあるバトルゾーンに存在する。ニンテンドーWi-Fiコネクションを活用しているため、『クリスタル』と『エメラルド』のものを合わせたような仕様である。コンピュータ相手のシングルバトル・ダブルバトルの他に、シングルバトル専用のWI-FIルームも選択できる。WI-FIルームでは、クリスタルの時と同じく前回のプレイで優秀な成績を収めたプレイヤーを相手に戦うことになる。しかし、いわゆる「伝説」「幻」であるミュウツー、ミュウ、ルギア、ホウオウ、セレビィ、カイオーガ、グラードン、レックウザ、ジラーチ、デオキシス、パルキア、ディアルガは使用できないが、エムリット、ユクシー、アグノムは使用できる。
[編集] レギュレーション
唯一「レベル50」のみ存在する。それよりレベルの高いポケモンも参加できるが、一時的にレベル50の時の能力に換算されてしまう。