トリロジー (ELP)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
トリロジー | ||
---|---|---|
エマーソン・レイク&パーマー の アルバム | ||
リリース | 1972年6月(UK) | |
録音 | 1972年 | |
ジャンル | プログレッシブ・ロック | |
時間 | 42:16 | |
レーベル | アイランド(UK) | |
プロデュース | グレッグ・レイク | |
レビュー | ||
|
||
エマーソン・レイク&パーマー 年表 | ||
展覧会の絵 (1971) |
トリロジー (1972) |
恐怖の頭脳改革 (1973) |
トリロジー (Trilogy) は、エマーソン・レイク・アンド・パーマーのアルバム。
[編集] 収録曲
- 永遠の謎 パート1
- フーガ
- 永遠の謎 パート2
- フロム・ザ・ビギニング
- シェリフ
- ホウダウン
- トリロジー
- リヴィング・シン
- 奈落のボレロ
[編集] 内容
当初、日本盤のオビには「来日と同時に新作を発表!」と書かれており、ほぼ来日記念盤という扱いでリリースされている。タイトルの「トリロジー」は「3部作」或いは「3部曲」と訳される。表題曲を意味していると同時に、メンバーによる三位一体の音楽という意味も込められている、と言われている。来日した際にメンバーはジャイアンツの長嶋茂雄選手(当時)を訪問して、このアルバムをプレゼントした、というエピソードが残っている。
ヒプノシスのデザインによるジャケットは、メンバー3人が合体した様なコンセプトの図案を絵画調に仕上げており、題名とうまくマッチしていると感じられる。ちなみに、キース・エマーソンがインタビューで「当初はこの絵をサルバドール・ダリに依頼する予定だったが、ギャラの面で折り合わなかった」という意味の発言を口にしている。
ジャケット内側は、森の中に沢山のメンバーが写っている合成写真が使われ、LP及び紙ジャケットのCDで見る事が出来る。尚、この写真がフランスの同性愛雑誌で無断使用された、という話が伝わっている。
[編集] 評価
イギリスのチャートでは最高2位、アメリカでは最高5位だった。アメリカでのこれまでの最高位が「タルカス」の9位だった為、記録を更新した事になる。その売れ行き通り非常に人気が高く、全盛期のELPのアルバムの中でも、音楽の成り立ち具合が判りやすく、魅力も過不足無く揃っている作品と評される。
しかしそれは同時に、突出した魅力や迫力に乏しいという言い方も可能となる。「タルカス」、「展覧会の絵」、そして「恐怖の頭脳改革」という、ELPの最高傑作の地位を競う作品群に挟まれた時期に発表されながら、本作をELPの最高傑作と評するファンがそれ程多くないのも事実である。また、プロデュースを担当したグレッグ・レイクが、インタビューで「以前のアイディアに頼りすぎている」と自ら問題点を口にしていた事が注目される。
収録された曲の中では、コープランドの曲をアレンジした「ホウダウン」が、長年にわたってライブのレパートリーに起用されている。また、グレッグ・レイクによる「フロム・ザ・ビギニング」はアメリカでシングル・カットされ、39位まで上昇した。