トミカ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
トミカはタカラトミー(旧トミーブランド)が作った車玩具(ミニカー)。
タカラトミーの主力商品であり、トミカと一緒に遊べるプラレールがある。
1970年(昭和45年)に株式会社トミーより販売されて36年間、老若男女を問わず愛され続けてきた車玩具。 また、トミカ博というイベントも主要都市などで開催されている。これまた人気のプラレール博と並んで、多くの来場者を集めている。
目次 |
[編集] シリーズ
[編集] トミカ
1970年から発売されている通常シリーズ。大きな特徴として必ず可動アクションが設けられている(無い車種もある)ことで、乗用車では側面ドアやテールゲート、働く車では車種に応じた可動機構がつく。価格は一台378円(税込み)。
当初は国産車のみであったが1976年に外国車シリーズが追加、一時期は両者合わせて180台(国産車110台、外国車70台)のラインナップであったが1980年に120台(国産車80台、外国車40台)体制に縮小、1988年に外国車シリーズが国産車に統合される形で廃止となり、現在の120番体制となった。
現在までに600車種以上が製造・販売されており、メーカーによるギフトセットやアソート品、企業、ミニカーショップの特注品、さらにホイールやシャーシ違いなど数多くのバリエーションが存在している。
年間で発売される車種は15台前後である。発売当初~1999年までは発売日が特に定められておらず、新車情報は毎年刊行されるカタログなどで知るのみであったが、2000年以降は毎月第3土曜日を「トミカの日」と制定して必ず新車が発売されることとなった。
各種セット・アソート
・キャラクタートミカ
1971年に人気特撮番組の『帰ってきたウルトラマン』に登場したマットビハイクル(元車種はコスモスポーツ)が通常製品で発売し大人気を博した。この直後、同社は『マスコミトミカ』という新シリーズを立ち上げ(コスモも移行されて発売が継続)、『ウルトラセブン』や『山ねずみロッキーチャック』といった当時の人気番組のキャラクターがトミカとなった。しかし、コスモ以外は縁もゆかりもない車種にキャラクターのシールを貼っただけの製品だったせいか売れ行きは伸びずわずか1年で終了した。その後は『コミックトミカ』というブランド名で『頭文字D』や『サーキットの狼』『西部警察』など、漫画や映像作品に登場する人気車種が発売されている。過去には『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』に登場したフルカウルミニ四駆も発売されたこともあった。最近ではディズニーのキャラクターを車体に描いた『ディズニートミカ』が独立シリーズで発売されている。これはマスコミトミカ同様、通常のトミカにキャラクターを描いた架空のものであるが、イラストはタンポ印刷と大幅に進化している。また、東京ディズニーリゾート内ではアニメや園内アトラクションに登場する乗り物が限定発売されている。
・トミカフェア
1970年代後半から1980年代前半にかけて実施されたもので、通常品の各種バリエーションを一挙に発売して販売促進を狙ったもの。対象車種はミニクーパーやスバル360などカラーバリエーションの多い乗用車やグループA、トラック、バスなど多岐に渡った。現在はこうした大々的なフェアは行われていないが、これに近いアソートが時々発売されている。
・トミカギフトセット
1976年から発売がスタートした、トミカを複数台詰め合わせたセット品。テーマ別に沿った車種が4~6台まとまって入っている。収録される車種は通常製品の色違い品がほとんどであるが、通常品では手に入らない車種が収録されることが多い。一部のセットでは道路標識などの情景部品が入っていることもある。
・トミカくじ
2000年以降登場した、20種類のトミカを詰め合わせてボックスに入れ『くじ』方式で発売する製品。当初は通常品の色違い(中には金メッキなど、『あたり』的存在のものもあった)であったが近年は緊急車両や東京オートサロンなど、テーマ別に沿った車種が選択されていることが多い。毎年末と3月末に発売されており、現在第9弾までが発売されている。
[編集] トミカリミテッド
2001年4月から始まった新シリーズで、塗装やパーツなどをリアルに仕上げたもの。通常品の改装品がほとんどだが、中にはこのシリーズ向けに金型を新造したものもある。当初は国産の旧型車種だけだったが、次第に外国車や商用車、レーシングカーなどがモデル化されるようになった。2005年4月~2006年6月の間はSUPER GTで活躍する車種が専門的にモデル化されていた。トミカと同様新車発売日が制定されており、発売は通常品より一週遅れの毎月第4土曜日となる。
[編集] トミカリミテッド・ヴィンテージ
2004年から開始された新シリーズで、「もしもトミカが昭和30年代に誕生していたら・・・」というコンセプトで昭和30~40年代の国産車を製品化するブランドで、開閉アクションは存在しないディスプレイ専門モデル。本家トミカと同様、乗用車のみならず商用車やバスも発売されているのが特徴で、コレクターから高い評価を受けている。また2006年10月からは1980年代の日本車を中心としたブランドの『NEOシリーズ』もスタートした。なお当シリーズはトミーテック(鉄道模型のトミックスを発売)が生産・販売を担当している。
[編集] ロングトミカ
1976年に誕生したブランドで、トレーラートラックやタンクローリー、バスといった長尺の車種をメインに製品化したブランド。1994年に生産中止。
[編集] トミカダンディ
1972年から発売された標準スケールのミニカーシリーズ。当初はスケールがまちまちであったが1977年以降1/43に統一された。トミカと同様さまざまな車種がラインナップされていたが、1980年代以降売れ行きが縮小し、1994年に生産中止となった。なお同ブランドは2001年にトミカ30周年を記念して復刻、その後も何度か復刻生産を果たしている。
[編集] 動力系トミカ
トミカは基本手で動かして走行するが、電池やゼンマイなどを使用し自走する商品も存在している。いずれのブランドも動力を搭載する関係からか、通常のトミカよりも一回り大きい。
トミカダッシュ・スーパートミカダッシュ:1977年から発売されたブランド。モーターを下に押し付けて摩擦すると高速でダッシュするというもので、現在のチョロQによく似ている。
パワートミカ:フリクション式のもので、1979年から1981年に発売。その後『マイティボーイ』というブランド名で発売された。
B/Oトミカ・モータートミカ・プラロード:1993年から発売されたブランド。B/OはBattery Operatedの略称。単4乾電池を入れて自走するもので、プラレールと一緒に遊べる道路やセットも発売された。1997年に『モータートミカ』に名称変更、さらに2004年には『プラロード』ブランドに変更され、現在に至る(ただしプラロードは車種が架空な点や同社のカタログではプラレールブランドで紹介されるなど、トミカの仲間と定義するには少々曖昧な点もある)。同シリーズは一時期イギリスにも輸出発売された。
[編集] トミカワールド・トミカタウン
トミカには情景部品のひとつとして駐車場や高速道路、フェリーといったトミカワールドシリーズが発売されている。主なシリーズ展開としては建設・警察関係があり、2006年現在は『ハイパーレスキュー』シリーズを中心に商品展開されている。一方、街の身近な建築物を模した「トミカタウン」シリーズもあり、交番や消防署をはじめ、セブンイレブンやミスタードーナツなど実在する企業の建物に至るまで数多い建物が製品化されている。
[編集] トミカとモータースポーツ
トミーは長年長谷見昌弘氏のスポンサーをつとめており、彼が乗ったマシンやハセミモータースポーツのマシンにはトミカのロゴが入っている。またこれらのマシンはほとんどがトミカで製品化されているのも大きな特徴である。
[編集] 沿革
- 1970年(昭和45年) ダイキャスト製のミニチュアカー、トミカ誕生
- 1972年(昭和47年) 60車種突破、トミカダンディ発売
- 1974年(昭和49年) 100車種突破
- 1976年(昭和51年) トミカ総生産台数1億台突破、外国車シリーズ・ロングトミカ発売
- 1977年(昭和52年) 外国車シリーズにスーパーカー登場
- 1979年(昭和54年) 生産台数2億台突破
- 1980年(昭和55年) トミカ誕生10周年、メモリアルトミカ発売
- 1984年(昭和59年) 赤箱統一、生産台数3億台突破
- 1985年(昭和60年) トミカ誕生15周年、アンチモニー製トミカ発売
- 1988年(昭和63年) 国産車シリーズと外国車シリーズを統合し、120番までとする
- 1990年(平成2年) トミカ誕生20周年
- 1994年(平成6年) トミカダンディ・ロングトミカ生産中止、生産体制の中国移転が開始され、この年の新車から中国製が登場。
- 1995年(平成7年) トミカ誕生25周年
- 2000年(平成12年) トミカ誕生30周年、純金トミカ・復刻トミカ、アニバーサリー24Ⅰ・Ⅱ発売、第3土曜日のトミカの日制定
- 2001年(平成13年) トミカリミテッド登場
- 2004年(平成16年) トミカリミテッドヴィンテージ登場
- 2005年(平成17年) トミカ誕生35周年 35周年記念として復刻カタログ付きトミカ発売