テラクレスタ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
テラクレスタ | |
---|---|
ジャンル | シューティングゲーム |
対応機種 | アーケード [AC] ファミリーコンピュータ [FC] X68000 プレイステーション2[PS2] |
開発元 | 日本物産株式会社 |
発売元 | [AC] ニチブツ |
人数 | 1人 |
メディア | [FC] ロムカセット[X68] 5インチFD[PS2]CD-ROM |
発売日 | [AC] 1985年 [FC] 1986年9月27日 |
『テラクレスタ』(TERRA CRESTA)は1985年に日本物産から発売されたアーケードゲーム。ジャンルは縦スクロールのシューティングゲーム。
同社の「ムーンクレスタ」の続編であり、「スペースインベーダー」ブームに乗った「ギャラクシアン」などの亜流発展型のひとつであった前作に対し、本作は「ゼビウス」で始まった縦スクロールシューティングのブームに乗っかった作品で、見た目もゼビウスの影響を受けている。が、洗練されきったゼビウスに対し随所に見れるいい意味での泥臭さ、当時のシューティングには珍しく曲として完成していた独特の爽快なサウンド、「合体」というニチブツシューティングのお約束とも言えるパワーアップ要素、派手な画面などに惹かれる根強いファンも多い。
ストーリーは、未来の地球である宇宙世紀に、宇宙から飛来した宇宙魔王マンドラー軍により、地表は占拠されてしまい、人類は海底に追いやられてしまう。地球奪還のための組織「テラクレスタ」の奪還作戦によって、ウイングギャリバーを駆り、マンドラー軍を撃退するというもの。
本作の前に出た横スクロールシューティング「マグマックス」と、システム、デザイン的に近い部分が多く、タイトル的にはムーンクレスタの続編ではあるが、ゲーム的にはマグマックスの直系と言える。このシステムを継承した「UFOロボダンガー」「テラフォース」や、家庭用での続編「テラクレスタII」「テラクレスタ3D」などの続編が存在する。ニチブツオリジナル作品では最も有名なものと言えるだろう。ちなみに、スタート時に鳴る音楽は、ラスト一機の時だけ通常とは違うものが流れるが、この曲は「ムーンクレスタ」のオープニング曲をアレンジしたものである。
地上物と空中物は同じショットで倒せるが、破壊不可能な地上物や空中物に遮蔽されるとその後ろに一切攻撃ができない。それをフォローするためにさまざまな特殊攻撃(後述)が存在する。敵空中物が、まとまった数で出現し、非常にトリッキーでいやらしい動きをするのも特徴。
目次 |
[編集] ゲーム内容
プレイヤーは、8方向レバーと2ボタン(ショットとフォーメーション)で自機・ウイングギャリバーを操作し、陸地・海上などの上空を進んで行く。地上物と空中物は同じショットで破壊できる。合体状態でFマークがある場合、「フォーメーション攻撃」が可能。一定時間、通常では撃てない場所に弾を撃てたり、破壊不可能な空中物が破壊できるようになる。
[編集] ウイングギャリバー
本作の最大の特徴は、自機そのものといえる。スタートの状態、また通常コントロールするのは基本となる「アルファ号」。2連装のショットを装備した基本状態。地上の決まった各所に格納庫が存在し、自機がさしかかると出現する。格納庫と一緒に出てくる数字の刻印された地上物を破壊することで、格納庫からその数字にそったパーツが出現、合体可能となる。数字は2~5まで存在し、格納庫の周囲にその数字-1の数だけ出現する。その地形に来ると出現しだすが、出現しきらないと攻撃無効。複数合体すると、そのパーツの能力は全て同時に使用可能となり、合体すればするほど強力になるが、その分当たり判定も大きくなり、リスクが上がる。
合体してる時に敵や敵弾に触れるとパーツだけが破壊されアルファのみに戻るが、5機合体の状態のときのみアルファ・ベータ・デルタ号の3機状態になる。
- アルファ号
- デフォルト状態の自機。2連装。攻撃力は小さく、フォーメーションも使えないが、当たり判定が小さいので最も攻撃をうけにくい。画面上では「WINGER」と表記される。
- ベータ号
- 「2」の格納庫から出現。横長の羽根型で、合体すると攻撃力が横長に広がる。かなり大きめのパーツなので、合体するといきなり当たり判定が広がる。
- ガンマ号
- 「3」の格納庫から出現。アルファの後部に付く。後方にもノーマルショットが撃てるようになる。攻撃能力自体はアルファのノーマルショットと変わらないが、唯一、恐竜の骨を破壊することができる。
- デルタ号
- 「4」の格納庫から出現。アルファの前方に付く。強力な貫通段を発射できる。連射能力はそのままに、射線上のザコ敵を一掃できる非常に使えるパーツ。
- エプシロン号
- 「5」の格納庫から出現。最後尾に付く。自機後方に大きめのバリアを張る。このバリアは敵の弾、地上物に対しては無力だが、敵空中物に対しては全て一撃で破壊する力があり、とても硬い要塞ダイコンでも、当てれば即死させられる(現実には弾も出すので難しいが)。
フォーメーション攻撃
-
- 「2機以上合体している」「Fマークがある」「火の鳥状態ではない」という条件を満たしているとき、フォーメーション攻撃が可能。合体してる機数でそれぞれ陣形や攻撃方法が違う(機種は問わない)。フォーメーション中の攻撃は、破壊不可能な空中物を破壊することが可能。Fマークは新しいパーツと合体するたびに補給されるが、上限は3つ。フォーメーション時は無敵ではなく、むしろ合体状態だと一発当たってもパーツ破壊ですむが、フォーメーション自だと即死になるので諸刃の剣といえる。また、フォーメーション開始・終了時の一瞬が無敵なため、これを利用するのもテクニックのひとつ。
-
- 2機フォーメーション
- アルファの横位置にパーツが付き、横長の三日月形のビームが出る。攻撃範囲は大きいが、ビームの攻撃力そのものはノーマルショットと同じなので、攻撃不可能な地上物に阻まれる率が高くなる。また、唯一左右非対称のフォーメーションなので、自機を見失いやすくあまり使い勝手がよくない。
- 3機フォーメーション
- アルファの斜め前に各一機づつ位置取り逆三角形を描くフォーメーション。各機から前方へのノーマルショットと、前の2機からそれぞれ外側斜め前にショットを発射できる。コスト・攻撃力ともに非常に使いやすいフォーメーション。
- 4機フォーメーション
- アルファの前方に三角形にパーツがならび、ひし形を描くフォーメーション。アルファがノーマルショットを撃ち、他のパーツは渦巻き型の軌道を描く特殊な弾を出す。アルファ以外の弾が連射が利かず、使いづらい。
- 5機フォーメーション
- 正方形に並んだパーツの下にアルファが位置どった、ホームベース形。アルファはノーマルショット、右2機は左斜め前に、左2機は右斜め前にそれぞれ発射する。攻撃力は大きいが、弾やパーツが乱れ飛び、自機を見失いやすい。
- 2機フォーメーション
火の鳥
-
- 5機合体した瞬間から一定時間、無敵の火の鳥になる。この間は攻撃力がなぜかベータ号のみになるためあまり攻撃力が高くない。どちらかというと、難所を脱出するために防御的に使用するためのフィーチャー。5機合体直前にフォーメーションを使うことで発生時間をずらすことができる(フォーメーション終了と同時に火の鳥発動)。
[編集] 移植版
- ファミリーコンピュータ版:ニチブツ
- 開発メーカーがそのまま移植。綺麗な画面、無理のないアレンジなど非常に良い移植度。また、家庭用オリジナルの要素として「5機フォーメーションを自由にエディット」できるというものがあり、評価が高い一品。
- プレイステーション2版:ハムスター
- 「オレたちゲーセン族」シリーズで発売。復刻インストカードなどの特典付き。
- MSX2版
- 発売予告されていたが発売中止。ファミコン版に準拠した内容であったらしい。
[編集] 続編
セガサターン版で日本物産から「テラクレスタ3D」という2Dから全編ポリゴンに変化したリメイク的な作品が登場しているが旧テラクレスタと反して出来は非常に悪く知名度の低さは出来の悪さと比例してしまっている。3Dにならではの持ち味を生かし成功した同機種別社のサンダーフォースVとは対照的に全ての要素が改悪されてしまっている。
旧テラクレスタで有名だったBGMもオーケストラ風にしたおかげで逆に爽快さが完全に消え失せてしまっている。 ボス戦では旧テラクレスタに登場したボスが3Dとなって登場し、その時だけ戦闘が3人称視点になるのが特徴である。
[編集] おもちゃ
ロボットが主人公ではない本作だが、ロボットトイが出ている。ロング社というメーカーから出たフックトイで、ウイングギャリバーの5機セット。チープトイながらもちろん設定通り合体する。すごいのは、設定にもない「ロボット形態」に変形することである。「W変形合体テラクレスタ」という商品名で出ていた。ロボ形態のときにはシールドを持っているが、シールドにはテラクレスタのロゴが貼ってある。
また、食玩で小さいプラモデルが出ており、ウイングギャリバーや敵要塞が商品化されていた。