テオドール・アドルノ
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テオドール・ルートヴィヒ・ヴィーゼングルント=アドルノ(Theodor Ludwig Wiesengrund Adorno, 1903年9月11日 - 1969年8月6日)はドイツのユダヤ系の哲学者、社会学者、音楽評論家、作曲家である。
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[編集] 略歴
1930年からフランクフルト大学に新設された社会研究研究所の社会哲学の教授だったが、第二次世界大戦中は アメリカに亡命。戦後、再びこの研究所が、再スタートを切ったときに、マックス・ホルクハイマーと共に研究所の所長に就任、亡くなるまでここに籍を置いた。ホルクハイマー、次世代のユルゲン・ハーバーマスらとともにフランクフルト学派を代表する思想家であり、その影響は現在でもなお大きい。
作曲家としても作品を残し、アルバン・ベルクに師事した。一貫してジャズには批判的な態度をとりつづけた。
[編集] 邦訳著作
[編集] 単著
- 『プリズム――文化批判と社会』(法政大学出版局, 1970年/改題『プリズメン』筑摩書房[ちくま学芸文庫], 1996年)
- 『ゾチオロギカ――社会学の弁証法』(イザラ書房, 1970年)
- 『音楽社会学序説』(音楽之友社, 1970年/平凡社[平凡社ライブラリー], 1999年)
- 『不協和音――管理社会における音楽』(音楽之友社, 1971年/平凡社[平凡社ライブラリー], 1998年)
- 『批判的モデル集(1・2)』(法政大学出版局, 1971年)
- 『ヴァルター・ベンヤミン』(河出書房新社, 1972年)
- 『キルケゴール――美的なものの構成』(イザラ書房, 1974年/みすず書房, 1998年)
- 『文学ノート』(イザラ書房, 1978年)
- 『楽興の時』(白水社, 1979年)
- 『ミニマ・モラリア――傷ついた生活裡の省察』(法政大学出版局, 1979年)
- 『権威主義的パーソナリティ』(青木書店, 1980年)
- 『アルバン・ベルク――極微なる移行の巨匠』(法政大学出版局, 1983年)
- 『美の理論』(河出書房新社, 1985年-1988年)
- 『三つのヘーゲル研究』(河出書房新社, 1986年/筑摩書房[ちくま学芸文庫], 2006年)
- 『美の理論・補遺』(河出書房新社, 1988年)
- 『本来性という隠語――ドイツ的なイデオロギーについて』(未來社, 1992年)
- 『認識論のメタクリティーク――フッサールと現象学的アンチノミーにかんする諸研究』(法政大学出版局, 1995年)
- 『否定弁証法』(作品社, 1996年)
- 『ベートーヴェン――音楽の哲学』(作品社, 1997年)
- 『マーラー――音楽観相学』(法政大学出版局, 1999年)
- 『アドルノ音楽・メディア論集』(平凡社, 2002年)
- 『フッサール現象学における物的ノエマ的なものの超越』 (こぶし書房, 2006年)
[編集] 共著
- (カール・ポパー)『社会科学の論理――ドイツ社会学における実証主義論争』(河出書房新社, 1979年)
- (マックス・ホルクハイマー)『啓蒙の弁証法――哲学的断想』(岩波書店, 1990年)
[編集] 講義録
- 『社会学講義』(作品社, 2001年)
- 『道徳哲学講義』(作品社, 2006年)
[編集] 書簡
- (エルンスト・クシェネク)『アドルノ=クシェネク往復書簡』(みすず書房, 1988年)
- (ヴァルター・ベンヤミン)『ベンヤミン/アドルノ往復書簡――1928-1940』(晶文社, 1996年)