チェルノブ

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『チェルノブ』は、1988年にデータイースト社から発売されたアーケードで、ジャンルは強制横スクロール型のアクションゲームである。タイトル画面には『ATOMIC RUNNER　チェルノブ　戦う人間発電所』と書かれている。

目次 1 ストーリー 2 解説 3 関連作品 4 移植

[編集] ストーリー

原子力発電所の爆発事故に巻き込まれた、炭鉱夫チェルノブ。九死に一生を得た彼の体には、放射線の影響で異常能力が身に付いてしまっていた。そして謎の組織デスタリアンが、その力を狙って魔手を伸ばしてきた。チェルノブとデスタリアンの死闘が、今ここに始まる。

「行け!チェルノブ　我前に敵は無し」

[編集] 解説

レバーと3ボタン（攻撃、ジャンプ、振り向き）で、主人公チェルノブを操作する。6種類の武器を拾うことで、多彩な攻撃を繰り出すことができる。またパワーアップアイテムを回収することで、武器の火力・連射距離・射程距離、チェルノブのジャンプ力がそれぞれ向上する。

「レッツランニング」というキャッチコピーの表す通り、前進・停止はできても後退はできないという、非常に特殊なゲームシステムとなっている。だが、その仕様がテンポの良いゲーム展開を促し、ゲーム内容を大胆なものとしていた。

敵キャラや、背景に描かれる奇怪な植物は、前衛的とさえ言えるほどの異彩を放つデザインをしていた。また、主人公チェルノブの疾走は、非常に緻密なスプライトアニメーションで描かれており、極めて滑らかな動きを見せた。同じく滑らかなアニメーションを売りにした『プリンスオブペルシャ』（1989年ブローダーバンド社）に、一歩先じていたと言えよう。

全7面中5つのステージで流れるメインテーマは、非常に単調ながら印象深いメロディラインを持つ。データイーストのゲーム音楽の特徴であるリズムパターンの反復によるトランス感を醸し出し、作品の明確な印象作りに貢献している。

タイトル画面のソ連国旗、「原子力発電所の事故で被爆した炭鉱夫」という設定、「円高（ドル安）コイン」というアイテムのネーミング、最終面に登場する自由の女神（最後には頭部が炎に包まれる）、そして何より「チェルノブ」というそのタイトルから、1986年のチェルノブイリ原発事故を茶化した不謹慎なゲームであると、当時の世間から轟々たる批難を浴びた。その際データイーストは会見で、『チェルノブはカルノフ（同社作品）の従兄弟という設定であり、原発事故とは全く関係ない』と、本気とも冗談ともつかない釈明を残して見事にシラを切り通した（大嘘である事は誰の目にも明らかだったが）。

「ヒットラーの復活」に匹敵するセンセーショナルなタイトルや奇抜なゲーム内容、或いは当時の周囲を取り巻く状況ばかりが話題になることが多い本作だが、純粋にアクションゲームとして見た場合の完成度は高く、1991年に同社から発売され大ヒット作となった『ウルフファング』のゲームシステムには、本作の濃い影響を見て取ることができる。

[編集] 関連作品

• カルノフ（1987年）
• トリオ・ザ・パンチ（1989年）

この二作とチェルノブは、合わせて「デコ3大奇ゲーム」と呼ばれ、一まとめにして語られることも多い。

また『トリオ・ザ・パンチ』には、敵キャラクターとしてチェルノブが出演している。

• ドラゴン忍者（1988年）

貨物列車の中に、チェルノブを輸送する冷凍コンテナが見られる。

• ウルフファング（1991年）

ゲームシステムに本作の強い影響が見える。

• タンブルポップ（1991年）

敵キャラとしてチェルノブが出演している。

• ファイターズヒストリー ～溝口危機一髪！！～（1995年 ）

ラスボス、隠しキャラとしてチェルノブが出演している。

[編集] 移植

• メガドライブ版（1992年）

基本設定やグラフィック、ステージ構成等に大きな変更が加えられており、移植というよりはリメイクと言った方が正しい内容となっている。

• X68000版（1993年）

開発はマイコンソフト、発売は電波新聞社。ビデオゲームアンソロジーのVol.2として。内容は、アーケード版の完全移植である。メガドライブ用コントロールパッド変換アダプターが付属していた。