ソニータイマー
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ソニータイマー (Sony timer) とは、「ソニー (SONY) 製品において、メーカー保証期間が過ぎたあたりの絶妙な時期に故障する事象と、問題発生後の対応の拙さ(後述)を皮肉った言葉。当然のことであるが、「故障発生装置(タイマー)がソニー製品に装填されている事実はない」と公式発表されている。
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[編集] 概要
- 利用者から「保証期間が終了した途端に壊れやすい製品が異常に多い」と内外に報告されることが多いことから、「ソニー製品は、修理(他社の新製品を買える見積もり金額を提示されるケースもある)や買い換えの利益を得るべく、時期(保証期間終了直後など)を見計らって壊れるよう設計されているのではないか?」という、ユーザーからの不審感から派生した。
- 2006年現在に至っては例えばテレビにおいては販売数において第3位であるが、他のメーカーに比べて明らかに故障率が高いということは否定できない事実でもある[要出典]。
[編集] 新製品の不具合から生じた一例(プレイステーション)
- ソニーが新製品を短い頻度で発売することにも原因の一端があるとも言われる。後継の型式に引き継がれていくに従って、噂の発生頻度が下がっている傾向がその裏付けとなっている(※裏を返せば「ユーザー自身を実用試験の担当者代わりに利用している」とも言える)。
- PSPが発売された直後のある店では、保証期間が長い事をアピールする為の宣伝文句として「ご存知ですか? PSPの光学ドライブはヘタってきます」という記載をしていたほどである。これも裏を返せば、ソニー製品の信頼性の低さを販売側も認識していたことの証左でもある(PSP発売から数週間後にこの告知は撤去された)。「ご存知ですか?PSPの光学ドライブはヘタってきます」::アキバBlog
- また、発売初期のPSPでは□ボタンの接触が合わない不具合が発覚し、インターネット上などでの批判が集中することになった。この不具合に関して当初はSCE社長の久多良木健が「それがPSPの仕様だ」と表明して、不具合を認めなかった。この事が不具合を指摘した者たちの反感を買い、ソニーに対する憤りと不審感に拍車をかけた。結局この不具合は後日交換という形で対応された(詳細はPSPの項を参考)。
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- これ以外に、同社ノートパソコン(VAIO)のメインストリームである505シリーズの初代モデルはマグネシウム合金フレームを採用した。後にこのモデルのフレームは内部応力によって歪みが生じ、ヒンジ部の破損が発生した。不幸にもその不具合は製品製造1年後に多発した。また塗装が汗によって劣化しパームレストがまるで溶けた様に劣化する不具合も重なり、同社のサポートセンターに多くの苦情が寄せられた。
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- 上記の様な出来事が原因となって、インターネット上などに「ソニーが発売する商品は初期に発売した物は購入しないように」という内容が頻繁に書かれ(言われ)ることになった。
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- サポートセンターや修理窓口など担当者の対応の拙さもソニーやソニー製品に対する悪印象に拍車をかけているのが現状である。
[編集] その他
- 新製品を次々と市場に投入する一方、製造コストの削減、及び製造期間の短縮のため、製品によっては試作品の長期実用試験が不十分である可能性がある。
- 市場で大きなシェアを誇る「プレイステーション」シリーズのような家庭用ゲーム機では、ソフトウェアを他社の機器で使用することが出来ない上に、他の製品でも顕著であるが、補償期限切れ直後に故障が多発していることが「ソニータイマー」という言葉を一般に広めた結果となっている。
[編集] 補記:「ソニータイマー」と揶揄された例
- 2006年2月9日、ソニーはウェブサイト上にて、液晶プロジェクションテレビ「ブラビア」E1000シリーズにおいて累積視聴時間が1200時間を越えると、テレビ視聴中に電源オフできない、電源スタンバイ状態から電源オンできない、入力の切り換えができなくなる、などの不具合が確認されたため、当該ソフトウェアの修正を放送ダウンロード機能によって行うと発表した。
- 電子掲示板上では「本来、光源の耐用時間(1万時間程度)を設定する筈が、誤って1200時間に設定してしまった」「一日の平均視聴時間は3時間であるから一年で1095時間である。1200時間だとそれより少し長く、これは保証期間外である。1200時間は0xFFFFFFFFミリ秒(1193時間)にほぼ等しく、これがソニータイマーなのではないか?」などの噂が飛び交った。
[編集] 公式な場での言及
- 2006年6月16日に開かれたジェネシス・ジャパン社のユーザカンファレンス「G-Force Japan 2006」において、ソニーのVAIO向けコンタクトセンター構築担当者が「“買ってから1年1カ月で壊れるソニータイマー”など埋め込まれているわけがない。だが、こうしたイメージはなぜか根強く残っている。マーケティング、アフターサポート、製品開発部門を連携させて、とにかくイメージアップを図りたい」との発言を行った。公式な場においてソニー関係者から「ソニータイマー」という単語が出てきたという点で珍しい出来事であると思われる。
[編集] 新聞記事での言及
- 2006年9月30日読売新聞朝刊の3面で、ソニーが製作し他社製品にも供給しているノートパソコン用のリチウムイオン二次電池の回収問題に関連し、記名コラム"「ものづくり」の原点に戻れ"にて、「ソニータイマー」について、利用者の中には一定期間で故障すると指摘する声があるという内容の記述がなされた。
- 「ソニータイマー」という語彙は、それまでに週刊誌等で言及される事があったが、リチウムイオン二次電池の回収問題に関連して、この様に、大手新聞紙面でも言及される様になった。敢えて現実に発生したソニーの製品の品質問題に関連して言及された事は、ソニーに真摯な姿勢を求める新聞記者の意図であったと思われる。
[編集] ソニータイマーについて扱った本
- 野村純一・松谷みよ子監修:『いまに語りつぐ日本民話集 (〔第3集〕12) 乗物とメディアの怪』,作品社(2003.4)
[編集] 関連項目
カテゴリ: 出典を必要とする記事 | ソニー