スカート
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スカート (skirt) は、腰より下を覆う筒状の衣服である。ズボンと異なり、筒が股の所で分かれておらず、両足が1つの筒に包まれる(ただし、股の所で分かれているキュロットをスカートに入れることがある)。
多くの文化では女性が身につける衣類とされているが、スコットランドの伝統的な衣装であるキルトのように男性のみが身につけるものもある。日本の行灯袴も広義にはスカートに含まれる(馬乗袴は股が分かれているのでスカートではない)。また従来はスカートは女性が身につけるものという考えが絶対的であった日本においても、最近ではハイファッション・モードとして男性がロングスカートを着用する姿も極く稀に見かけるようになり、更にはミニスカートまでも含めて見かける様になってきている。男性がスカートを履くことは、近年はごく限られた分野においては定着しつつある。(→メンズ・スカート)
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[編集] スカートの分類
[編集] 長さによる分類
その長さにより、ロングスカート(マキシスカート)とミニスカートに大きく分けられる。一般的にロングスカートは総丈70cm以上あるものを呼ぶことが多い。ロングでも更に丈が長く、床まで着くほどのものはマキシスカートに分類する。1970年頃に流行した。
ミニスカートは総丈が膝より上までのもので、総丈45cm~50cmのものが多く、更に丈の短いミニスカートはマイクロミニスカート(マイクロミニ)と呼ばれる。
ミニとロングの中間にミディスカート(ニーロングスカート、膝丈スカートなど)がある。ミディ丈は総丈が膝程度の長さである。スカートの長さと景気の動向との関連などが取り上げられることもある。
テニスなどのスポーツで女子がよく穿いている短いスカートのようなものはスコートと呼ばれるが、語源はスカートと同じである(skirt)。
[編集] 着用法による分類
- ラップスカート(巻きスカート):1枚の布を巻き付けてウエストで留めたシンプルな物。スコットランドのキルトなどもこのカテゴリに入る。
- サスペンダースカート(吊りスカート):ウエスト部分に取り付けた左右一対の細紐(吊り紐)で肩から吊り下げるようにしたスカート。紐は共布で作られ、背中では十文字に交差されるものが多い。日本では戦前に流行して以来、学校の制服など主に少女服を中心に多く用いられた。1980年頃から、ファッションの多様化にあわせ、吊りスカートは大人にも着用されるようになり、銀行やデパート、企業の女子職員の制服としても用いられた他、ウエストを締め付けないで着用できるので、動きの多い喫茶店等の制服としても多く用いられた。近年のめまぐるしい流行の変化により、吊りスカートはすっかり影をひそめ、少女服のカテゴリからも、ほとんど見かけなくなってしまったようだが、ここ数年、新たなデザインの吊りスカートや吊り半ズボンが、若者のファッションとして復活の兆しである。日本以外の国では、アジア諸国、それにペルー、キューバなど中南米諸国を中心にハイスクールの制服やガールスカウトの制服に多く見られる。また、ヨーロッパ諸国では、フランスなどの女子校生、いわゆるリセエンヌの制服として存在したほか、スイス、エストニアなどの民族衣装にもその例が見られる。
- サロペットスカート(胸当てスカート):胸当ての付いた吊りスカートのことをいう。普通の吊りスカートとジャンパースカートの中間的な物。ジーンズで作られたオーバーオールのスカートもサロペットスカートといわれるが、サロペットとは本来は吊り紐が背中で交差された物をいい、現在主流のハイバックタイプはサロペットには分類されなかった。
- ジャンパースカート:吊りスカートと混同されがちだが、ジャンパースカートは前後共に身頃の付いた、ワンピース状のスカートを言う。こちらも学校の制服や、オフィスウェア、マタニティドレスとして幅広く用いられている。
など。
[編集] 形状による分類
- ゴアードスカート
- 数枚の布をはぐようにして仕立てたスカート
- タイトスカート
- ウエストから腰にかけてフィットした、細みのストレートなスカート
- セミタイトスカート
- ウエストから腰にかけてフィットした、やや広がったストレートなスカート
- ティアードスカート
- ウエスト部分と裾部分の間で切り替えのあるスカート
- フレアースカート
- 裾の波打っているような広がりのある形のスカート
- セミフレアスカート
- 裾の広がりの抑えられた、ややフレアのあるスカート
- プリーツスカート
- プリーツ(pleats:襞(ひだ))を付けたスカート。プリーツの数は1〜全体のプリーツまで。また、プリーツの付けられる状態で、箱襞スカート、車襞スカート、アコーディオン襞スカート等にデザイン分類される。
- バルーンスカート
- 全体にボリュームの有るシルエットを、裾をギャザーで絞ったロングスカート。
- マーメイドスカート
- タイトスカートから裾がフレアー形状になっているスカート。タイトスカートのパターンにフレアなデザインを複合したもの。
- キュロットスカート
- ズボンのように股の分かれたフレアなスカート。キュロット。
- ギャザースカート
- ギャザーとは寄せる、集める、縮めるという意味。ウエスト部分を絞ったスカート。
- サーキュラースカート
- 生地を円形(Circular)になるように縫製して作るスカート。フレアースカートの中の一つに分類される。90度生地を4枚バイヤス裁断しているため、波打ち方が大きい。
- ヒップボーンスカート
- ウエスト位置にウェストベルトを作らず、ダーツにより腰骨上にスカートの上端がフィットするようにデザインされ、着用するスカート。丈の長短を問わず、ウェストのディテールで分類される。
[編集] 素材による分類
- 羊毛
- 純毛、混紡
- 綿
- デニム、コーデュロイ、別珍
- 麻
- 合繊
- ポリエステル、レーヨン、アクリルなど
- 皮革
- 豚革、牛革、わに革など
[編集] 用途による分類
- 正装
- タイトスカート、フレアースカートなど
- 学校制服
- プリーツスカート、吊りスカート、ジャンパースカートなど
- 企業制服
- タイトスカート、ジャンパースカートなど
- 作業服
- サロペットスカートなど
- その他、衣装など
[編集] 日本人女性のスカート離れ
1990年代以降、日本人女性のスカート離れが進んでいる。スカートは元来、パンツスタイルと比較すると下記の欠点がある。
近年はこれらスカートのマイナスイメージを、プラスイメージより強く捉える女性が多く、スカートを敬遠する傾向が強い。
制服を採用していない学校ではジーンズなどのパンツスタイルで登校する女子生徒が大半である。休み時間や放課後には、制服の下にジャージを重ね履きするという生徒もいる。
なお、若者のストリートファッションとして、ジーンズなどの上にスカートを重ね履きするというスタイルが定着している。
また近年は制服を廃止する企業が増えており、この点もスカート離れに拍車をかけている。今後、このスカート離れの傾向はますます加速していくものと思われる。
また、制服を採用している学校でもスカートではなくスラックスに変わっている、あるいはスラックスを選べるところも出てきている。性的被害の低減や動きやすさを目的としているともいわれる。
ただし、パンツスタイルはスカート着用時に比べて熱がこもりやすく、カンジダ膣炎を罹患しまた悪化させやすくなる、という問題点を指摘している所[1]もある。