メンズ・スカート
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メンズ・スカート(Men's Skirt)とは、男性がスカートを穿くこと、または男性が穿くためのスカートのことを差す。
[編集] 男性がスカートを穿く様々なケース
- ファッションとして穿く場合
- 一時期アメリカ村付近で結構見られたのはこのケース。完全に男性の装いとして着こなされていて、女性がズボンを穿いても男装に見えないように、この人たちのスカートは女装には見えず、明らかな男性ファッションであり、見た感じもとても自然であるし、男らしい感じさえする。なお一部のデザイナーなどがそもそも男性用にデザインしたスカートを製作しているケースもある。
- 性同一性障害の場合
- 自分が実際には女性であるという認識の人が穿く場合。昼間普通に歩いている人たちの場合、女性としてスカート着こなしているので普通に女性に見えて違和感はない。
- 女装趣味者の場合
- 女性の服を身につけるのが好きな人たちで概して夜間にその格好で出歩くケースが多いが、あまり着こなしていなくて違和感があるケースが多く、またお化粧をしている場合でも下手な場合が多い。
- スカートフェチの場合
- スカートを身に付けることで性的な興奮をする人たち。ほとんどは自宅の部屋の中でしていて他人に迷惑を掛けないが、たまに冒険して外に出てくる人たちもいる。
- 性犯罪の意図がある場合
- 女子トイレや女子更衣室などに侵入したいために女性の服装を身につけようとする人たち。概して違和感ありありなのですぐに区別がつく場合が多い。バリエーションとして女子学生の通学路などに日没後に出没しスカートの中から男性器を露出させて女子学生を驚かせたりするのが好きな者もいる。ちょっと困った人達である。いわゆる変態。
- 業務上の理由で女装する場合
- 警官が犯罪捜査のために女装する場合、役者が女役を演じるために女装する場合、神社などの神事で女装する場合など。
- メンズスカート愛好者の場合
- この人たちの場合、ファッションとしてのスカートの領域からははみ出しているが、女装愛好者やフェチとは違う、独自のポリシーを持っており、女装者などと混同されることを極端に嫌う傾向がある。本項ど論じるのは主としてこの傾向の人たちのことである。
[編集] 問題点
しかし、2006年現在では、まだメンズ・スカートの文化そのものが殆ど一般に認知されていないため、またメンズ・スカートという物についての考えが人によって様々であるため、しばし問題が発生する場合もありうる。
以下に主な問題点について例をあげる。
- 市販のスカートを使用する場合、大半は元々男性が穿くのに向いたデザインにはなっていないため、コーディネートをしているうちに、殆ど女装と変わらない物になってしまうことがある
- それに対して男性向けのスカートを制作したり、男性的なコーディネートを考えるという場合もあるが、そもそも男性向け、女性向けという考え自体がジェンダーに縛られた考えであり、現在では女性がしている様なコーディネートを男性がしたところで、女装と決めつけるのはおかしいという考えもある
- また、男性向け、女性とは違うデザインを、コーディネートを、というのにこだわり過ぎて、現在多くの人がスカートとして認知しているものとは、良くも悪くも全くかけ離れてしまうことがある
- メンズ・スカートを推進している人は、色々な形で女装という物にネガティブな考えを持つ人が少なくなく、また女装そのものを趣味としている人も、メンズ・スカートという物にネガティブな考えを持つ人が居るために、スカートを穿いている男性同士なのにも関わらず、しばしトラブルが発生することがある
- 一部の心ない人(変質者)が、女性の服を盗む犯罪を犯すことがあり、また露出プレイ目的や、女性トイレなどの、基本的に男性が入ることを禁止している場所に入ることを目的として、スカートを穿いて女装をする者もいるため、単にスカートを穿くだけの目的でスカートを穿いている男性が、警察に不審であると誤解をされ、無実の罪で職務質問を受ける可能性がある
- また、これらの犯罪行為への嫌悪感や、職務質問そのものを嫌い、メンズ・スカートに興味があるのにも関わらず、スカートを穿くことをためらってしまう男性をも生んでしまうことがある
- まだ、男性のスカートというものに抵抗を持つ人、偏見を持つ人も少なくなく、いじめや嫌がらせ、好奇の対象として扱われることがある
また、メンズ・スカートという行為は、女性が現在穿くとされている、スカートを穿くのであるから、例外無く女装(異性装)の一種とされるという意見と、あくまでスカートを穿くためのみで、女性になることを目的としていないので、女装の一種とはされないという意見が分かれている。
男性がスカートを穿いて外出する場合、トイレの利用に困難を来たす事も多い。基本的には袴を穿いての外出と同様に、男性トイレの個室を使用するしかない。大便の場合、洋式なら捲り上げてから下げるので脱いだりしなくてもよいので、床が濡れていようが少し汚れていようが問題はない。スカートめくって小便器をつかおうとしても、どうしてもスカートにしずくが飛びやすく困難である。