ジャイアントスイング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジャイアントスイング(Giant Swing)は、プロレス技のひとつである。
目次 |
[編集] 概要
仰向けの相手の両足首(または両膝)を脇の下に挟み込んでから抱え上げ、回転しながら相手を振り回し、平衡感覚を失わせることでダメージを与える。
力任せでできそうに見えるが、きれいにこの技を決めようと思えば、実はパワーよりも自らの平衡感覚と身体的なバランス感覚が高いレベルで必要とされる難しい技である。後述するように、得意としていたプロレスラーはテクニシャン・タイプが多い。
技をかけると観客は回転数をカウントするのが観戦マナーである。
[編集] 創始者と名手
1950年代から1970年代にかけて活躍したアメリカのレスラー、ロニー・エチソンが創始者。その後1960年代に入り、ドン・レオ・ジョナサン、ゴリラ・モンスーン、ビル・ミラーが盛んに使い始める。ジン・キニスキーも時々使っていた。モンスーン、キニスキーは、ジャイアント馬場を振り回した実績を持っている。
日本人では長らく得意技とする選手がいなかったが、女子プロレスのリングでライオネス飛鳥が使い、脚光を浴びる。ダンプ松本を振り回したほか、1984年10月29日、山崎五紀相手に当時最高の24回転を成功させるなどして第一人者となる。
そして1990年代に入り、男子でも馳浩が毎試合見せるようになり、使い手に名乗りをあげる。保永昇男に25回転を仕掛け日本記録を更新すると、全盛期には30回転を超えるまでになった。
馳の引退後は、永源遙が使う程度である。アレクサンダー大塚はかつてよく見せていたが、最近は使わない。外国でも使い手がなく、永源の引退後は幻の技になってしまうことが危惧される(女子プロレスにおいては、現在井上京子が時折使っている)。
[編集] 派生技
北尾光覇が相手の足を腕で4の字に固めてから振り回す「サンダーストーム」という技を開発したが、実戦ではほとんど見せていない。
[編集] こぼれ話
馳浩によると。この技をかけた際、自分の目を回さないようにするには、目線を回す方向とは逆にしながら回す事で、目が回らなくなるとの事である。