サムタイム・イン・ニューヨーク・シティ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
サムタイム・イン・ニューヨーク・シティ | ||
---|---|---|
ジョン・レノン&ヨーコ・オノ の アルバム | ||
リリース | 1972年6月12日 | |
ジャンル | ロック | |
時間 | 90:58 | |
レーベル | キャピトル・レコード | |
プロデュース | ジョン&ヨーコ、フィル・スペクター | |
レビュー | ||
|
||
ジョン・レノン&ヨーコ・オノ 年表 | ||
イマジン (1971) |
サムタイム・イン・ニューヨーク・シティ (1972) |
マインド・ゲームス (1973) |
サムタイム・イン・ニューヨーク・シティ(Sometime In New York City)は、1972年に発表されたジョン・レノンとオノ・ヨーコの共作アルバム。ジョン・レノン&オノ・ヨーコ(プラスティック・オノ・バンド)に加え、エレファンツ・メモリーというバンドがバックを務めている。
ジョンのアルバムの中でも、最も政治的な色合いが濃い作品になっている。それまでの『ジョンの魂』(1970年)や『イマジン』(1971年)等でも、そうした思想は歌われていたが、本作では非常に直接的な言葉が使われている。また、それまでは普遍的な問題をテーマにしてきたのに対し、本作においては目の前で起こっている時事的な問題が扱われている。新聞を模したジャケット・デザインもそのコンセプトの一環である。
「女は世界の奴隷か!」「シスターズ・オー・シスターズ」では女性解放を、「アッティカ・ステート」ではアッティカ刑務所での暴動を、「血まみれの日曜日」「ザ・ラック・オブ・ジ・アイリッシュ」ではアイルランド問題を、「アンジェラ」や「ジョン・シンクレア」では囚われた活動家に対するシンパシーを歌っている。多くの楽曲には、当時交流のあった政治活動家からの影響が表れている。
また、ロンドンとニューヨークでのライブ・ジャムをカプリングしたLPが無料のおまけという形で付けられた。このライブ録音のパートでは、エリック・クラプトンやフランク・ザッパなど豪華ミュージシャンとの共演を聴くことができる。
「女は世界の奴隷か!」に使われた「nigger」という言葉を巡り、放送自粛する放送局が相次いだ他に、多くの曲のテーマが極左的であるとされ、保守的(右派)な人々から強い批判を浴びた。しかし、本作によって「ジョン=不正と戦うカリスマ」というイメージが確立された。ただ、あまりにも政治的な問題に傾倒しすぎたため、ジョン自身も危険を感じていた。また、次第に政治活動家と自身のスタンスの違いに違和感を持つようにもなった。そのため、本作を以てそうしたテーマとは少し距離を置いていく。
[編集] 収録曲
※オリジナルの曲目。2005年に発表されたリミックス&デジタル・リマスター盤では一部楽曲が省略されている。
- 女は世界の奴隷か! Woman Is The Nigger Of The World
- シスターズ・オー・シスターズ Sisters, O Sisters
- アッティカ・ステート Attica State
- ボーン・イン・ア・プリズン Born In The Prison
- ニューヨーク・シティ New York City
- 血まみれの日曜日 Sunday Bloody Sunday
- ザ・ラック・オブ・ジ・アイリッシュ The Luck Of The Irish
- ジョン・シンクレア John Sinclair
- アンジェラ Angela
- ウィアー・オール・ウォーター We're All Water
- コールド・ターキー Cold Turkey
- ドント・ウォリー・キョーコ Don't Worry Kyoko
- ウェル(ベイビー・プリーズ・ドント・ゴー) Well(Baby Please Don't Go)
- ジャムラグ Jamrag
- スカンバッグ Scumbag
- オー Au
※2005年発表の現行盤の曲目。
- 女は世界の奴隷か! Woman Is The Nigger Of The World
- シスターズ・オー・シスターズ Sisters, O Sisters
- アッティカ・ステート Attica State
- ボーン・イン・ア・プリズン Born In The Prison
- ニューヨーク・シティ New York City
- 血まみれの日曜日 Sunday Bloody Sunday
- ザ・ラック・オブ・ジ・アイリッシュ The Luck Of The Irish
- ジョン・シンクレア John Sinclair
- アンジェラ Angela
- ウィアー・オール・ウォーター We're All Water
- コールド・ターキー Cold Turkey
- ドント・ウォリー・キョーコ Don't Worry Kyoko
- ウェル(ベイビー・プリーズ・ドント・ゴー) Well(Baby Please Don't Go)
- リッスン・ザ・スノウ・イズ・フォーリング Listen, The Snow Is Falling
- ハッピー・クリスマス (戦争は終った) Happy Xmas (War Is Over)