グルテン
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グルテン(英語 gluten)は、小麦、ライ麦などの穀物の胚乳から生成されるタンパク質の一種。胚乳内の貯蔵タンパク質であるグリアジンとグルテニンを、水分の介在下で反応させると結びついてグルテンとなる。弾性を示すため、グルテン前駆体の2種のタンパク質を含む小麦粉を水でこねると、グルテンが生成して生地に粘りがでる。パン生地などが発酵した時に、気泡が残るのも、生地がグルテンによって粘りをもっているためである。
小麦粉など、グルテン前駆体を持つ穀物粉に水を加えてグルテンを生成させ、それを水で洗うと水溶性タンパク質やデンプン粒が流出するので、グルテン塊を分離することができる。
小麦粉はタンパク質の含有量の多寡により強力粉、中力粉、薄力粉に分けられる。製パンなど粘りを必要とする用途では、タンパク質を多く含む強力粉が使われるが、天麩羅などグルテン生成が邪魔になる用途では、薄力粉を使い、グルテンが生成されないように水で練らないようにして調理する必要がある。
コメにはグルテンは含まれない。
麩は小麦粉を水で練ってグルテンを生成させた上で水で洗い、得たグルテン塊に少量のデンプンを加えて焼いたものである。
セリアック病患者は、体内に入ったグルテンに適応できない病気で、腸の栄養吸収が阻害され、栄養不良をおこす原因となる。
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