クレイジークライマー
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『クレイジークライマー』(Crazy Climber)は1980年に日本物産が発売したアーケードゲームで、縦スクロールのアクションゲーム。
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[編集] 概要
8方向レバー2本で、主人公の両腕を操作する。全4面のループ制。
ビルの外壁を窓枠を利用して上りきるというゲームで、8方向ジョイスティック2本を用いて両手の動きを操作するという特異な操作性を持っていた。
プレイヤーは開いている窓にしか手をかけられない。窓が閉められたり、物が落下してくる、ゴリラが邪魔をするなどさまざまな妨害がなされる。そのほかに、風船をつかむことによって空を飛ぶことが出来た。合成音声が使用されていることでも知られ、「頑張れ!」や落下時の「あ~」などが用いられている。
[編集] ミス
- 片腕のみ開いた窓にかかっている状態で、落下物(植木鉢、ビール瓶、卵、鉄骨、等)をぶつけられるか、キングコングのパンチを食らった場合。ただし両腕が窓枠にかかっている状態(いわゆる踏ん張りポーズ)で当たった場合は耐えられるが、片腕が窓枠から外れるので、踏ん張り続ける必要がある。
- ある一定以上の高さで鉄骨に当たる、落下看板に当たる、一定時間以上シビレ看板に触れつづけた場合(踏ん張りポーズでも耐えられないが、ごくまれに耐えるときもある)。
- 手がかかっている窓枠の窓が閉められてしまった場合。
[編集] フィーチャー
以下に示すフィーチャーの出現は、区間ごとで区切られているが、2面、3面、4面における鉄骨は、その面でミスをしたかしないかで、出現するエリアが変わってくる。
- おじゃまMAN
- 窓から顔を出して落下物を落としてくる。また、おじゃまMAN自体は閉じた窓枠と同じ扱いになるため、片腕がおじゃまMANにかかったまま落下物を当てられると、ミスになってしまう。1面では出てきてから落とすまでの間隔が、かなりあるため見てからでも避けられるが、4面(最終面)ではハイペースなため、おじゃまMANにひっかかりミスになりやすい。
- しらけコンドル
- 小松政夫の「しらけ鳥の歌」に合わせて画面上部から出現し、一定間隔で卵と糞を落としてくる。1、2、4面に出現。
- キングゴリラ
- ピンクパンサーのテーマ(?)にあわせて出現、2箇所しかない狭い所に、左右に瞬間移動しながらパンチを繰り出し進行を妨げるが、食らっても片腕で無ければミスにならないので、たいした事は無い。もっぱらバグ技の犠牲に。1、3面に出現。
- 鉄骨、鉄アレイ
- 画面上部から、一定間隔でランダムに方向転換しながら落下してくる。軌道が読めない上に、主人公の移動速度に対して落下速度が速いため、避けるのが困難である。面始めの、10数階までは、踏ん張りポーズであれば耐えられるが、それより高い場所だと即死になる。2、3、4面で出現。
- シビレ看板
- 電飾看板の配線が断線され、腕を振り回すような状態になっている。一定時間触れつづけると、感電死してしまうが、条件が合えば「全身丸裸で白髪状態」ながら、生き延びることが出来る。ただ、腕の範囲が狭いため、当たらないで登ることも出来る。2、4面で出現。
- ハズレ看板
- 横幅が窓枠3つ分ある大きな看板が、落下してくる。落下速度は比較的ゆっくりだが、3面は閉まっている窓枠が多いため、あらかじめ避けることのできる段で待っていると良い。4面は、最後の二股に分かれていて、2枠しかない狭い場所を登らざるを得ないので、行手を塞ぐようにして落下してきたら、もう運に頼るのみ。3,4面で出現。
- ラッキーバルーン
- つかまることに成功すると、ドラえもんのテーマ曲に合わせて数階上に上げてくれる。点数的なうまみはないものの、上昇中は鉄骨の落下が止まるため、ノーミスクリアの手助けになることも。なお、ごくまれに窓が閉っている階に停まることがあるが、その場合はその窓が再び開くまで待っているのでミスにはならない。2,3面で登場
[編集] バグ技
他のゲームでもあるように、このゲームには愛されるバグ技が存在する。 基本的には、半分登った状態(いわゆるウンチングスタイル)から一段降りることにより、スクロールオーバーのような現象を起こし、キャラクターをバグ状態にする、基本的に固定キャラのみだが各キャラクターによって現象が違う
- キングゴリラ
行う場所によって、現象が少し変わる。 足が見えてすぐ一段降りて、すぐ一段降り再び登ると、腕と体の位置が一段ずれてしまいスプラッターな状態になる。 下半身が見えてから、一段降りすぐ登ると、目玉が頭の上に乗ったじょうたいになり、まるでリボンをしたようになる。
- シビレ看板
2面では左右に分かれる一番下(Yの真中)登って、シビレ看板のBGMが流れる地点で、一段降りる再び登ると、看板自体が消えている。 4面ではリスクがたかいので検証できていない
- ラッキーバルーン(基板によっては、出来るものと出来ないものがある、コピー基板だけかも)
分岐が終わり6段目、半分登ってBGMが流れる地点から一段降りすぐ登ると、下からラッキーバルーンが出てくる。
- ヘリ
上記のバグとは異なるが、最後の一段(半分の窓)を、ウンチングのまま登らないで待ち、ヘリを掴む際に登った音がしないように掴むと、クリア時のBGMが歯抜けになる代わりに、「ガンバレ」と言われてしまう
[編集] 備考
- 同じような操作性を持つゲームとしてロッククライマーなどが存在する。
- TBSテレビ50周年記念番組『DOORS』では、巨大な画面に映し出されたクレイジークライマーを、フリークライミングの要領でプレイヤーが実際に上っていくアトラクションとして登場した。
- 冒頭で述べた通り本ゲームは4面ループ制だが、実際には8面分のデータが入っている。
- ゲーム登場時、さまざまな曲が使われていたことで当時のゲームマニア同士で話題になったが、当時のゲーム業界では曲の著作権に対する考え方が希薄だった為、本作についても著作権料を払っていない。もちろん、後の移植板ではちゃんと許諾を受けてから発売している。
- 当時、漫才師のギャグ・シンセサイザーがこのゲームをネタにしていたが、一般客が理解していたかどうかは不明。
[編集] 続編、移植作品
- 1988年 - クレイジークライマー2
- ファミリーコンピュータ
- スーパーファミコン(ニチブツアーケードクラシックスとして)
- X68000
- プレイステーション
- プレイステーション2(ハムスターからオレたちゲーセン族として)
- ワンダースワン
- Windows(メディアカイトより遊遊シリーズとして販売。発売元は日本物産)