ギュンター・フォン・クルーゲ

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ギュンター・フォン・クルーゲ陸軍少将（1933年） ヒトラーへの忠誠宣誓が導入される1935年5月1日以前に撮影。軍服の右胸にも軍帽のピークにも「鉤十字を掴んだ鷲章」が見当たらない。

ギュンター・フォン・クルーゲ(Günther von Kluge, 1882年10月30日 - 1944年8月19日)は、ドイツ陸軍元帥。

ポーゼン（現ポーランド領ポズナニ）でプロシア王国のマックス・クルーゲ少将の息子として生まれた。士官学校時代、知的能力において群を抜いていたために同期から「利口なハンス（kluge Hans)」と呼ばれた。グリム童話の一編から彼の苗字の「利口な」を意味する「Kluge」と引っ掛けた洒落。このことから彼はハンス・ギュンターと呼ばれるようになった。本名に勿論「ハンス」は含まない。

第一次世界大戦中には、陸軍大尉として1918年のヴェルダンの戦いに従軍した。 大戦後、ヴァイマル共和国の陸軍に選び残され、1933年に少将、1936年には中将に昇進、第4軍の司令官として1939年にポーランド侵攻作戦に従軍する。1940年5月に開始されたフランス侵攻の西方電撃戦では第4軍を率いてアルデンヌの森を通りフランス軍を撃破、戦功によって同年7月に陸軍元帥に昇進した。

1941年6月に開始されたソ連侵攻作戦（バルバロッサ作戦）では、解任されたフェードア・フォン・ボック元帥に替わって12月から中央軍集団の指揮を執る。この際、ハインツ・グデーリアンの第二装甲集団の補給の責任を負う立場にあったが両者は作戦指導をめぐって対立。のちに決闘騒ぎを起こしている。 1944年7月にはゲルト・フォン・ルントシュテットの後任としてフランスの西方軍司令官に着任した。

ドイツ国防軍内部における反ヒトラー活動の首謀者の一人ヘニング・フォン・トレスコウ少将は、中央軍集団で彼の作戦参謀を務めていた。クルーゲは反ヒトラー活動に複雑な感情を抱いていた。彼はトレスコウのヒトラー暗殺計画を知っていたが、1944年7月20日のクラウス・フォン・シュタウフェンベルクによる暗殺計画が失敗に終わった後、反ヒトラー勢力への支援を拒絶した。しかし関与を疑ったヒトラーによって西方軍総司令官を解任され、ベルリンへ召喚の途中に自決した。