キエフ級航空巡洋艦

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キエフ級航空巡洋艦

キエフ級航空巡洋艦（キエフきゅうこうくうじゅんようかん）は、旧ソ連・ロシア海軍が建造したVTOL空母。運用側の名称は1143号計画艦「クリェーチェト」（ロシア語:Пр. 1143 "Кречет"）で、計画名は隼のこと。モスクワ級ヘリコプター巡洋艦に続いて建造された。

ロシア・ソ連海軍における類別は「重航空巡洋艦」"Tyazholiy Avionosnyy Kreyser(TAKR)"である。西側では東西冷戦時代、どういうわけか「戦術航空巡洋艦」という呼称が誤って用いられていたが、本級にしても、次のアドミラル・クズネツォフにしても、「重航空巡洋艦」が正しい。

他の西側のVSTOL空母と異なり、スキージャンプを持っていない為、Yak-38は当初、VTOLのみでの運用となった（ただし、1980年代に入り、ようやくSTOVL運用が行われるようになった）。4番艦バクーはアドミラル・クズネツォフの試験艦として建造された為、艦形及び兵装や電子機器が他の艦と異なっており、「改キエフ級」と呼ばれて別クラスとされる事も多い。

上記各艦は各種能力を鑑みると明らかに航空母艦であるが、モントルー条約によるボスポラス海峡をはじめとするトルコ領海を航行する必要から政治的配慮として航空巡洋艦と識別される。

[編集] 主要諸元

キエフ級1番艦キエフ

全長: 273 m
全幅: 52 m
基準排水量:
- 36,000 t （キエフ、ミンスク、ノヴォロッスィースク）
- 38,000 t （バクー）
満載排水量:
- 41,400 t （キエフ、ミンスク）
- 43,000 t （ノヴォロッスィースク）
- 45,500 t （バクー）
機関出力: 16万馬力
最大速力: 32 ノット (59 km/h)
搭載航空機:
- 飛行機: Yak-38 × 12
- ヘリコプター: Ka-25、Ka-27、Ka-29 × 16
武装
- 長距離対艦ミサイルSS-N-12連装発射機 × 4
- 中距離対艦ミサイルSS-N-3発射機 × 2
- 個艦防御用対空ミサイルSA-N-4発射機 × 2
- 76.2mm連装砲 × 2
- 30mmCIWS × 8

[編集] 同型艦

キエフ級4番艦バクー

キエフ(Киев)（1975年竣工、ソ連崩壊時には予備役。同型艦ゴルシコフ用の部品供給艦となる。2000年中国に売却。天津に建設中の軍事テーマパークに展示予定であるが、テーマパーク自体の建設が遅れている。ただし同艦の外観は完全に修復されており、2006年7月8日、同艦の格納庫内部において"SILKROAD INTERNATIONAL MODELS CONTEST"なる「ミス・コンテスト」が開催された。
ミンスク(Минск)（1978年竣工、1989年機関事故を起こして行動不能となる。ソ連崩壊後はソヴィエツカヤ・ガヴァニに係留。1995年韓国にスクラップとして売却。1997年中国企業に転売。1999/11/3火災で全焼。2000年6月深センでテーマパークとして開業。2005年2月、運営会社が破産し、閉鎖された。2006年、競売に掛けられ、別の企業に落札された。
ノヴォロッスィーイスク(Новороссийск)　プロジェクト1143Mとして建造。1991年に機関故障による事故を起こす。以降ソヴィエツカヤ・ガヴァニに係留。94年韓国にスクラップとして売却。97年解体
バクー(Баку)（1987年竣工、プロジェクト1143.4として建造。90年10/4アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ･ゴルシコーフに改名。1997年予備役編入。2004年インドに売却、アドミラル・クズネツォフと同様の改修を行っている。2005年3月、工事途中でインドに引き渡され、「ヴィクラマーディティヤ」に改名）

1143型4隻(起工順)

#	艦番号	名称	造船所	艦隊	起工年	進水年	竣工年	備考
1	-	キエフ	SY444	北洋	1970/07/21	1972/12/27	1975/01/03	85年オーバーホ－ル
2	-	ミンスク	SY444	太平洋	1972/12/28	1975/09/30	1978/09/27/	-
3	-	ノヴォロッスィーイスク	SY444	太平洋	1975/09/30	1978/12/24	1982/8/14	91年ボイラー事故
4	-	バクー	SY444	北洋	1978/12/26	1982/?/?	1987/?/?	-
5	-	-	SY444	-	-	-	-	1979年計画中止