イサキ
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イサキ | ||||||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||
Parapristipoma trilineatum (Thunberg, 1793) |
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英名 | ||||||||||||||||||||||
Chicken grunt |
イサキ(伊佐木) Parapristipoma trilineatum は、スズキ目・イサキ科に分類される魚の一種。東アジア沿岸の岩礁域に生息する魚で、食用や釣りの対象として人気が高い。
全長は30cmほどだが、50cmに達するものもいる。体は木の葉状で左右に平たく、横から見るときれいな紡錘形をしている。体は細かい鱗でおおわれ、ザラザラしている。成魚の体色は褐色だが、幼魚は体側の上半分に黄色の縦しまがある。大きくなるにつれてこの縦しまは薄れ、全長25cmほどで消える。
東北地方以南の日本沿岸、黄海、東シナ海、南シナ海に分布するが、南西諸島沿岸には分布していない。
海藻が多い岩礁域に群れを作って生息する。昼は深みに潜んでいるが夜になると泳ぎだし、小魚や甲殻類を捕食する。
産卵期は夏で、直径0.8mm-0.9mmほどの分離浮性卵を産卵する。1匹のメスの産卵数は体の大きさにもよるが数万粒-100万粒ほどとみられる。卵は海中を漂いながら1日ほどで孵化し、稚魚はプランクトンを捕食しながら成長する。稚魚は海岸の浅い所で群れを作って生活するが、成長するにつれ深みに移る。
旬も夏で、釣りや定置網、刺し網などで漁獲される。イサキは夜行性なので漁も夜間に行われる。
身はタイに似た白身で、癖もなく美味である。刺身、塩焼き、煮付けなどいろいろな料理で食べられる。
[編集] 別名
イサギ(各地)、オクセイゴ(東北地方)、カジヤコロシ(和歌山県)、イッサキ(九州)など。イッサキは「一先」という字を当てられることが多い。
また、幼魚は黄色の縦しま模様がイノシシの子に似ていることから、各地でイノシシの子と共通したウリボウ、ウリンボウ、イノコなどの方言で呼ばれる。
[編集] 類似種
シマイサキ(縞伊佐木) Rhyncopelates oxyrhynchus は西日本以南の汽水域でよく見られる。体に縦しま模様があり、名前にも「イサキ」とあるが、イサキ科ではなくシマイサキ科(Teraponidae)で、イサキとはまた別物の魚である。