イコノスタシス
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イコノスタシスないし聖障(せいしょう)とは、東方正教会の聖堂で用いられる障壁のことである。聖像(イコン)によって飾られるためこの名がある。主に神品(しんぴん。聖職者)が出入りし聖体礼儀を行う「至聖所」と信者が祈祷する場所である「聖所(内陣)」を区切るもので、三つの扉をもつ。
イコノスタシスにおける聖像の配置は教義によって定められている。 聖堂によってはイコンが数段に配置され、天井まで達するものもある。もともとは低い仕切りだったが、イコンが配置されるようになり、だんだんに高くなっていった。
イコノスタシス中央の門を王門という。王門とは王たるイエス・キリストの門の意。二枚の扉からなり、受胎告知(福音)を伝える天使ガウリイル(ガブリエル)と生神女マリヤのイコンを必須の構成要素とする。通例これを挟んで上下に四福音記者が描かれる。王門は聖体礼儀の際、大聖入や聖変化、領聖時などに開かれるほか、復活大祭の早課に開かれ、それにつづく復活節の第一週、「光明週間」の間中、解放される。
王門の上には聖体裁定(最後の晩餐)が描かれる。さらにその上にはその聖堂が記憶している守護聖人または聖書の出来事が描かれる。
イコノスタシスの残りの二つの門には通常は天使が描かれる。一般にガウリイル(ガブリエル)とミハイル(ミカエル)、あるいはまたはが描かれる。他の場所にはキリストの生涯、あるいは聖書の場面、聖人のイコンなどが描かれる。
イコノスタシスは、ギリシアにおいて二段構成であったが、ロシアに伝えられてからは、三段、四段、五段と、階層を増やしていった。したがって、ギリシア正教会では見ることのできない壮麗かつ豪奢なイコノスタシスをロシア正教会では見ることができる。
近年は、至聖所と堂内との奉神礼上の「交流感」「一体感」が好まれて、イコンを支える壁面を格子のように風通し良い構造で作り、段数構成を低く抑える傾向もある。これは至聖所内の神品の動作が常に伺える利点がある。一方で王門の開閉動作がより象徴的な位置に追いやられる危惧がある。
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