アメリ
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アメリ Le Fabuleux Destin d'Amélie Poulain |
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監督 | ジャン=ピエール・ジュネ |
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製作 | クローディー・オサール |
脚本 | ジャン=ピエール・ジュネ ギヨーム・ローラン |
出演者 | オドレイ・トトゥ マチュー・カソヴィッツ |
音楽 | ヤン・ティルセン |
撮影 | ブリュノ・デルボネル |
公開 | 2001年4月25日 2001年11月17日 |
上映時間 | 122分 |
製作国 | フランス |
言語 | フランス語 |
制作費 | €11,400,000 |
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『アメリ』(原題:Le Fabuleux Destin d'Amélie Poulain 「アメリ・プーランの素晴らしい運命」の意)は、2001年4月に公開されたフランス映画。パリ・モンマルトルを舞台に、パリジャンの日常を描きフランスで国民的大ヒットを記録した。ストーリーや映像、美術に愛らしさがあふれる一方、ジャン=ピエール・ジュネ監督らしいブラック・ユーモアや奇妙な人間像、コミュニケーション不全の問題も描かれている。
目次 |
[編集] 概要
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
神経質な母親と冷淡な元軍医の父親を持つアメリはあまり構ってもらえず、身体接触は父親による彼女の心臓検査時だけだった。いつも父親に触れてもらうのを望んでいたが、あまりに稀な事なので、アメリは心臓が高揚するほどだった。心臓に障害があると勘違いした父親は周りから子供たちを遠ざけてしまう。その中で母親を事故で亡くし、孤独の中で彼女は想像力の豊かな、しかし周囲と満足なコミュニケーションが取れない不器用な少女になっていった。
そのまま成長して22歳となったアメリは実家を出てアパートに住み、モンマルトルにある元サーカス団員経営のカフェで働き始める。彼女はクレーム・ブリュレの表面をスプーンで割る、パリを散歩しサン・マルタン運河で石を投げ水切りをする、この瞬間にパリで何人がオルガズムに達しているか妄想するなど、ささやかな一人遊びと空想にふける毎日を送っていた。
ある日、自宅でダイアナ妃事故死のニュースを聴いて驚いた彼女は手から物を取り落としてしまい、転がった先のバスルームのタイルの中から小さな箱を発見する。中に入っていた子供の宝物を持ち主に返そうとした彼女は探偵の真似事をして自宅の前の住人を探し、ついに成長した元住人ブルドトーにたどりつく。箱を持ち主に返して喜ばれたことで、彼女は「人を幸せにすること」を趣味にし始めた。父親の庭の人形を盗んで世界旅行をさせ、返らない手紙の返事を捏造し、家宅侵入もするなど、手段を選ばぬ小さないたずらや犯罪すれすれの方法で周囲の人々を幸せな気分にさせてはほくそ笑むアメリだったが、反対に彼女に関心を持ってくれる人物は誰も現れなかった。
ところが彼女にも気になる男性が現れた。近隣のポルノショップの店員で、スピード写真のボックス下に捨てられた他人の証明写真を収集する趣味を持つニノである。気持ちをどう切り出してよいのか分からず、他人を幸せにしてきた彼女も自分が幸せになる方法は見つからない。
ニノの置き忘れた証明写真コレクションアルバムを手に入れた彼女は、これを返すことで彼に近づこうとする。しかし、ストレートではないアメリは宝探しじみた謎のメッセージをニノに送り、ニノはアルバムを探してモンマルトルの丘を右往左往させられただけで、アメリはアルバムを返した代わりに出会うチャンスを逸してしまった。どうしてもニノの前に出ることができない彼女を、想像上の友人である部屋の置物たちや、アメリを見守ってきたアパートの同居人で贋作家である老人らが、思い切ってぶつかっても自分が砕けてしまうことはない、と背中を押す。ニノはアルバムに入っていたメッセージの送り主の写真を頼りにアメリを探し回り、アメリのばら撒いてきたヒントをたどって、アメリのアパートにたどり着く。ストレートに他人と向き合うことのなかった彼女はついにドアを開け、彼を迎え入れたのだった。
[編集] スタッフ
- 監督:ジャン=ピエール・ジュネ(JEAN-PIERRE JEUNET)
- 脚本:ギヨーム・ローラン(GUILLAUME LAURANT)
- 音楽:ヤン・ティルセン(YANN TIERSEN)
[編集] キャスト
- オドレイ・トトゥ:アメリ・プーラン
- マチュー・カソヴィッツ:ニノ・カンカンポワ
- ジャメル・ドゥブーズ:ルシアン
- ヨランド・モロー:マデレーン
- ドミニク・ピノン:ジョセフ
[編集] 賞
- 2001年セザール賞作品賞、監督賞、音楽賞、美術賞受賞
- 2001年アカデミー賞(外国語映画賞、美術賞、撮影賞、音響賞、脚本賞)ノミネート
- 2001年ゴールデングローブ賞外国語映画部門ノミネート
[編集] 豆知識
- 映画には、現代フランス社会をリアルに描写する上で欠くことのできない黒人やアラブ系の人々がほとんど登場しないことから、偏ったフランス社会の描写だという批判が一部新聞(左派系新聞として有名なリベラシオン誌)に掲載された。DVDの付録に、この批判に対する監督の回答が収録されている。ちなみに映像を注意深く見ていれば分かる通り、アメリの実家(父親が住む)はパリ市北部(伝統的に低所得者や移民の多い街)にあるという設定で、作中でも彼女がパリ北駅で電車から降りたあと黒人に声をかけられるシーンが描かれているなど、それなりに実情に即した描写がなされていることは事実である。
- 当初はアメリ役にエミリー・ワトソンを想定して脚本が書かれたが、彼女が直前で降板したためオドレイ・トトゥに役が回ってきたという。
- 日本でこの作品を企画時点で買い付けた配給会社アルバトロス(この時点まではゲテモノ映画の配給で知られていた)の叶井俊太郎は、この作品を「ジュネ監督の過去の作品同様ホラー映画」だと思いこんでいたという。
- 映画の中でアメリの部屋に飾ってある絵のほとんどがミヒャエル・ゾーヴァの作品である。
[編集] 関連リンク
- eiko(加門幾生監督、2004年、東京テアトル他) - 麻生久美子主演、沢田研二出演。「アメリ」の世界観を下敷きに、多重債務や悪徳商法などの現実的なトラブルを加えたもの。
- 下妻物語
- デトロイト・メタル・シティ - 主人公がアメリ好き
[編集] 外部リンク
- アメリ(日本公式サイト)