もつ
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もつとは、鳥獣肉の臓物(内臓)のこと。広義には臓物全般を指し、この場合肝臓や心臓などを「赤もつ」、胃や腸などを「白もつ」と言う。ただしハツ・レバーなど特に名前が付けられている部位はもつと呼ばれることは少なく、狭義には腸(大腸、小腸)を「もつ」と呼ぶ。
また、ホルモン(放るもん…注:「ホルモン」=「放るもん」語源については異説あり)とも呼ばれる。語源についてはホルモン焼きの項目を参照。
食肉の歴史が古いヨーロッパなどでは比較的一般的であるが、日本においては、食肉の文化が限定的で、またホルモンは精肉より劣化が早く、独特の外見や匂いがあることなどから消費者の好みが分かれるものであり、食べる機会や店頭で見かける機会は少なかった。
日本では、一時期、もつ料理・もつ鍋がブームとなったが、特にBSE問題の発生以降、(特に牛もつ系について)急速にブームはしぼんだ状態となっている。
[編集] もつの分類
- 舌 : 「タン」「ツンゲ」
- 心臓 : 「ハツ」、「ハート」、「ココロ」、「ヘルツ」
- 動脈 : 「コリコリ(心臓付近の動脈)」
- 気管 : 「ウルテ」、「フエガラミ」
- 肺臓 : 「フワ」、「フク」、「プップギ」
- 肝臓 : 「レバー」、「キモ」
- 胃 : 「ミノ(牛の第一胃)」、「ハチノス(牛の第二胃)」、「センマイ(牛の第三胃)」、「ギアラ(牛の第四胃、赤センマイとも)」、「ヤン(センマイとギアラの繋ぎ目)」「ガツ(豚の胃)」、「砂肝(鶏の胃の一部)」
- 脾臓 : 「タチギモ」、「チレ」
- 膵臓 : 「シビレ(牛の胸腺を含む)」
- 腎臓 : 「マメ」
- 子宮 : 「コブクロ」
- 卵巣 : 「キンカン(鶏の腹卵)」
- 乳房 : 「チチカブ」、「オッパイ」
- 横隔膜 : 「ハラミ(背中側の薄い部分)」、「サガリ(肋骨側の厚い部分)」
- 小腸 : 「コプチャン(小腸)」、「コテッチャン」、「シロ」、「ヒモ」、「丸腸(小腸の一種)」
- 大腸 : 「テッチャン(大腸)」、「ホルモン(一般的には大腸をホルモンと呼ぶ)」、「シマチョウ」
- 直腸 : 「テッポウ」
- 精巣 : 「ホーデン」、「タマ」
- 卵管 : 「タマヒモ(鶏の卵管と腹卵)」