Fate/hollow ataraxia
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Fate/hollow ataraxia | |
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プラットフォーム | Windows98/ME/2000/XP |
発売元 | TYPE-MOON/有限会社ノーツ |
発売日 | 2005年10月28日 |
ジャンル | 伝奇ビジュアルノベル+ファンディスク |
レイティング | 18禁 |
名前変更 | 不可 |
エンディング数 | 1 |
セーブファイル数 | 3 |
画面サイズ | 800×600ドット/65536色 |
BGM再生方式 | KATE & NUMBER201 |
キャラクターボイス | なし |
CGモード | あり |
音楽モード | あり |
回想モード | あり |
メッセージスキップ | 全文/既読 |
オートモード | あり |
備考 | 初回限定版にはタロット風サーヴァントカードが付属、オフィシャル予約特典は、特別設定資料集「Fate/side side materiale 2」。 |
『Fate/hollow ataraxia』(フェイト/ホロウアタラクシア)は、2005年10月28日にTYPE-MOONより発売されたアダルトゲーム伝奇ビジュアルノベル+ファンディスク。『Fate/stay night』のファンディスクであり、続編ににあたる。
戦いの物語であった前作から一転し、今作では穏やかでコミカルな日常を過ごしつつ、その裏に隠された「真実」に近づいていくという形になる。前作では敵として登場したキャラクターや出番の少なかったキャラクターも多くし登場し、前作では語られなかった側面が補完されている。
2005年のアダルトゲーム年間セールス第1位の約15万本もの売上を記録した(2位はLeafの『To Heart2 XRATED』の約11万本、3位はオーガストの『夜明け前より瑠璃色な』の約6万8000本)。ファンディスクが年間セールス1位というのはアダルトゲーム史上でも異例の出来事である。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] ストーリー
第五次聖杯戦争の終結から半年後。
そこには再び現界したサーヴァントとの穏やかな日常が存在していた。
ありえない現実でありながら、それらに疑問を抱かない前聖杯戦争参加者たち。
繰り返される四日間と暗躍する魔術師。夜にのみ進行する新たな聖杯戦争。
空虚なる平穏の先にあるものは……?
[編集] 登場キャラクター
Fate/stay nightから登場するキャラクター
詳細はFate/stay nightの登場キャラクターを参照、ここでは今作での役割と、追加された部分のみ記述。
- 衛宮士郎
- 本編「昼」の主人公。冬樹に再び起こった不可思議な事態に気づき、謎の究明に乗り出していく。今作では、「彼」自身もまた物語の核に深く関わっている。
- セイバー
- 前作のヒロインの一人。聖杯戦争の終結と共に消滅したはずの衛宮士郎のサーヴァント。士郎を守る剣として、再び戦いの渦中に身を置く事となる。日常では彼女の食のこだわりが前作以上に描かれている。
- 遠坂凛
- 前作のヒロインの一人。今作序盤では、冬木を離れロンドンに渡っている。また前作の人気キャラとして、本編を離れても時にコミカルに時にシリアスに大活躍する。
- 間桐桜
- 前作のヒロインの一人。前作での経験を経て成長し、強くなった彼女が描かれる。間桐の家を離れ衛宮邸で暮らし、正式に魔術の修行中。前作の専用ルートの影響か腹黒い。
- アーチャー
- 本来の「弓兵」として戦いを見せる。宝具「赤原猟犬(フルンディング)」が登場。アーチャーは今作でも謎の言動が多いキーキャラとなっている。
- ランサー
- 言峰亡き現在は、新キャラクター・カレンに仕えている。フリーターとして働く様がコミカルに描かれる日常や、かつての英雄としてのシリアスな話など、出番は多い。「物語」の核に位置する人物の一人。
- ライダー
- 素顔に眼鏡のGパン姿で衛宮家に居候中。今作では、彼女が桜を過保護に護る理由も明らかになる。彼女も英雄としての神話・伝承が語られる。
- イリヤスフィール・フォン・アインツベルン
- 今作でも二人のメイドやサーヴァント・バーサーカーと共にアインツベルン城で暮らし、衛宮邸にもよく遊びにくる。今作の謎の真相を知る人物で、「昼」と「夜」の冬木市にてバゼット、士郎、双方を導いてゆく。
- キャスター
- 素顔をさらして柳洞寺でマスターの葛木宗一郎の押し掛け女房としてバカップルぶりをさらしている。思いのほか日常での素顔がコミカルで、むくれ顔の時に耳がぴくぴくする様等がファンの好評を呼び、「新妻」「キャス子」の愛称がついた。彼女も英雄としての悲しい神話・伝承が語られる。
- ギルガメッシュ
- 今作では、前作からはにわかに想像のつかない形で登場する。今作の謎の真相を知る一人だが、彼自身はあまり積極的に事態に関わってはこない。ランサー同様、カレンのサーヴァントとなっている。三枝由紀香を気に入ってる
- セラ・リズ(リーゼリット)
- 今作ではメイド服を脱いだ水着姿なども登場する。リズは桜を上回るグラマー。また、リズにはバゼットの侵攻時に巨大ハルバードで応戦するシーンがある。
- アサシン(佐々木小次郎)
- 今作でも柳桐寺の門番として飄々と日々を過ごす。三枝由紀香と意外な出会いを果たす。
- 藤村大河
- 今作でも日常の象徴として登場。前作同様のギャグキャラとして活躍するほか、前作では描かれなかった彼女の話が描かれる。
- 柳洞一成
- 今作でも日常の象徴として登場。生徒会長として学校のメンバーと集まる場面がある。
- 美綴綾子
- 同じく日常の象徴。苦手とするライダーに気に入られ、逃げ回る。
- 三枝由紀香、薪寺楓、氷室鐘
- 日常の象徴として登場。それぞれにランサーやアサシン、ギルガメッシュなど、平穏な日常に溶け込んだサーヴァント達とコミカルなやり取りを繰り広げる。
- 間桐慎二
- 今作は日常の象徴として登場。登場のほとんどがギャグキャラとしてでてきた。このことより前作より人気が出た。
今作から登場するキャラクター
- カレン・オルテンシア
- 今作のヒロイン。四日目の夜になると、魔獣たちを従える様に現れる謎の少女。
- 寡黙だが毒舌。士郎に対して意味深な言葉を残していく。
- 再現された聖杯戦争の鍵を握る人物。
- 前作で黒幕として死亡した言峰綺礼の代わりに「教会」から監督者として派遣され、現在は彼に代わってランサーとギルガメッシュを従えている。
- 性格の悪さは折り紙付で、他者を傷つけ、不快にさせる言動を好む。前作でやりたい放題だった暴君ギルガメッシュでさえカレンには正面から逆らおうとせず逃げに回っているほどである。
- Fate/stay nightにおける言峰綺礼の妻子についての描写やカレン自身の身の上話、トラぶる花札道中記EXにおける二人のやりとりなどから、言峰綺礼の実の娘であると思われる。姓の「オルテンシア」はあじさいの意味で、名前はおそらく「可憐」から。
- バゼット・フラガ・マクレミッツ
- 今作のもう一人の主人公にしてヒロイン。魔術協会から派遣された封印指定の執行者で、第五回聖杯戦争の参加者。男物のスーツで身を固めている男装の麗人。繰り返される四日間の中、夜の聖杯戦争を戦い続ける。
- 生真面目だが融通が利かない性格。クールを装っているがかなりの短気で、ちょっとした我慢が出来ない。キビキビとして果断な立ち振る舞いをするが、本編では「女性として、人間としての弱さ」が強調されており、制作側(主に奈須きのこ)の後押しもあってファンからは「ダメットさん」の愛称で親しまれている。
- 本編中で1日目に巻き戻った時に彼女が復活する洋館は、エーデルフェルト家から魔術協会へと寄付された物。
- ランサーの本来のマスターであり、ケルトの英雄である彼は彼女にとっての憧れでもあった。性格の相性も良かったが、聖杯戦争開始前に旧知の仲だった言峰による騙まし討ちに合い、ランサーと令呪(左腕ごと)を奪われる。死の寸前アヴェンジャーと契約し、彼の力によって仮死状態のまま生かされ続け、カレンによって発見され一命を取り留めていた。
- 人間でありながら「抉り斬る戦神の剣(フラガラック)」と呼ばれる宝具を持つ。その真価は相手が「切り札」と認識するものを使った時に発動するカウンター特化の宝具。相手の攻撃に対して「相手の攻撃の後に攻撃した」という本来の因果を歪め、「相手より先に攻撃した」という事にする。相手は「攻撃をする前に倒された」事になり、結果「相手の攻撃は無かった」事になる。ランサー曰く発動すれば破る事はほぼ不可能。セイバーのエクスカリバーでさえ一度敗れているが、同様に因果を歪め、心臓を貫く「結果」を先に構築するランサーのゲイボルグのとは、その特性故に相打ちになる。
- 戦闘に特化した武闘派魔術師であり、人間単体としての非常に性能が高い。素手での戦闘を好み、80km/hのパンチを繰出せる(プロボクサーは40km/h程度)。サーヴァント・アヴェンジャーの性能の低さもあって、マスターが戦いサーヴァントはサポートをするという戦闘スタイルである。トラぶる花札道中記EXではアームレスリングで600万円も稼ぐ豪腕
- アヴェンジャー
- 第八のクラス、復讐者の英霊。サーヴァントとしてバゼットと契約している。なお、アヴェンジャー自体は既に前作で違った姿で登場している。今回の事態の「核」に位置する人物。
- この世全ての悪を肯定する反英雄で、自称「世界中の伝承を見渡してもオレより弱い英霊は存在しない」最弱の英霊。その正体は、他のサーヴァントのように名を馳せた英霊ではなく、一身に全ての悪業を背負わされ、その根源として蔑まれ疎まれる中で「そういうもの」になってしまった名も無き人間である。使用武器はソードブレイカーのような「右歯噛咬(ザリチェ)」と「左歯噛咬(タルウィ)」。
- 宝具は「偽り写し示す万象(ヴェルグ・アヴェスター)」。これは自身が受けた傷の「痛み」のみを相手に返す呪いであり、本人の傷が治るわけではないが、アヴェンジャー自身の傷が癒えない限り相手の痛みも消えない。が、発動条件が「術者が生きていること」なため、相手の攻撃で即死すると効果は一切発揮せず、また「一人の相手に一度しか使えない」という制約もあり、弱いダメージで発動してもあまり意味がなかったりと使い所が難しい。その上英雄同士の戦いは一撃が必殺である場合が多く、本人の弱さも相俟って一撃で殺されることも多い。攻撃を受けなければ攻撃できず、相手を殺すことも出来ない「使えない」宝具であった。しかし、今回の事件でアヴェンジャーに特殊な不死性が発現したため、何万回という戦いの繰り返しの末、バゼットとのコンビネーションでセイバーすらも打ち破った。
- 蛍塚 音子(ほたるづか おとこ)
- 士郎のアルバイト先「コペンハーゲン」の一人娘。藤村大河や柳洞零観とは穂群原学園の同期。
- 通称ネコ。本名で呼ばれるのを極端に嫌う。これは学生時代に藤村大河が『男』と聞こえるアクセントで公開ラジオ収録の場で彼女の名前を連呼した為である。
- 柳洞 零観(りゅうどう れいかん)
- 柳洞一成の兄。一成が葛木とともに尊敬している人物だが、弟と違い豪放磊落な生臭坊主である。
- 「冬木の虎」こと藤村大河に交際を申し込み、藤村組の皆さんに病院送りにされたことがあるとか。柔道で全国大会にいったこともあるほどの猛者。
- 美綴 実典(みつづり みのり)
- 美綴綾子の弟。穂群原の一年で弓道部の期待の新人。桜に好意を寄せているが、全く気付いて貰えない。
- ぶっきらぼうながら基本的には礼儀正しいが、その反面、桜が好意をよせている士郎に対しては反抗的な態度をとる。
- ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト
- フィンランドの魔術の名門であるエーデルフェルト家の現当主である。 先祖が冬木における聖杯戦争で敗北した為に、彼女の一族は日本人が嫌いらしい。
- 凛と同じくガンドを得意とする。魔術協会の本部(時計塔)におけるライバル。
- とあるパラレルワールドでは、彼女と凛は士郎を奪い合う仲になっているらしい。その世界の彼女は士郎の事をシェロと呼ぶ。
- 前作「Fate/stay night」では凛ルート後の展開として、衛宮士郎を執事として雇っている凛のライバルというだけの設定上(ラフ画のみ)のキャラだった。また、桜ルートTrueEDでも一つだけ台詞があった。格闘技が大好きでレスリングの使い手。得意技は凛を一撃でKOしたバックドロップ。
- 後藤くん
- 士郎のクラスメイトで、モブキャラ。「Fate/stay night」本編にも一応登場している。「前日に見たテレビ番組に影響され、口調が変わる」という変わった少年。グラフィックも一応用意されていたが、使われることはなかった。後述の「遠坂神社」で、ラフスケッチが見られる。アニメ「Fate/stay night」においてその姿で遂に登場した。
- 黒セイバー
- 前作の桜ルートにおいて現れた黒いセイバーで、本作においてはセイバーの頭のアホ毛をつかまれた際に現れる。ゴスロリのドレスを纏い丁寧な食事を不味いと吐き捨て規律を嫌いわがまま言い放題の上にジャンクフードが大好きと、通常のセイバーとはほぼ逆に近い「暴君」になっている。
[編集] 見出し
[編集] 見出し
[編集] スタッフ
- 原画:武内崇
- シナリオ:奈須きのこ、阿羅本景、森崎亮人
- プログラム:清兵衛
- スクリプト:つくりものじ
- グラフィック:こやまひろかず、BLACK、蒼月誉雄、moriya
- サウンド:KATE & NUMBER201
- OP:アタラクシア
- 作詞:奈須きのこ、作曲:KATE、編曲:James Harris/歌:rhu(from "colorvariation")
- ED:僕たちの未来
- 作詞:芳賀敬太、作曲:KATE、編曲:NUMBER 201/歌:rhu(from "colorvariation")
- テーマソング:hollow
- 作詞:芳賀敬太、作曲:KATE、編曲:James Harris/歌:rhu(from "colorvariation")
- OP:アタラクシア
[編集] ミニゲームとおまけ要素
本作はファンディスクである為、ミニゲームも追加された。また、クリア後のおまけ要素も充実し、それだけでユーザーを楽しませる作りになっている。しかしながら、一定の条件が成立しなければプレイできない物もあるので留意すること。
- 開運 遠坂神社
- おみくじと絵馬(内容はキャラクターの設定資料)が購入できる。値段は100円~5万円まで様々。
- トラぶる花札道中記
- 8組+αで競う花札のミニゲーム。「こいこい」の基本ルールに、「宝具」というオリジナル要素が加わっている。
- 参加ゲストは、都市夫、森井しづき、高山箕犀、ひろやまひろし、武梨えり、井本有一、二階堂ぽち、八雲剣豪、としぼうの9名。
- なお、2006年の夏コミのTYPE-MOONブースで商品を購入すると、トラぶる花札道中記の拡張パッチがもらえた。
- 現在、無料で「トラぶる花札道中記EX(エクセリオン)」追加パッチが配布されている。詳しくはオフィシャルサイトにて。
- (拡張パッチの参加ゲストは、ギンカ、タスクオーナ、赤星健次の三名)
- 風雲イリヤ城~とつげきアインツベルン~
- 往年の人気バラエティ番組「風雲!たけし城」のパロディゲーム。Melty Bloodなどでも共作したフランスパンの製作。「龍神池」のパロディとして「柳洞池」、「キノコでポン」のパロディとして「きのこでポーン」、「ジブラルタル海峡」のパロディとして「セラリズ海峡」がステージとして登場する。また、「たけし城」はファミリーコンピューターでゲーム化されていたため、このゲームは一部ファミコン風な画像や音楽で構成された(アインツベルン城崩壊のシーンは「悪魔城ドラキュラ」のパロディ)。ちなみに最終ステージが戦車戦であるのはもうお約束である。
- 壁紙ギャラリー
- TYPE-MOON及びゲスト作家による壁紙集。本編のイベントをクリアしていくことで増えていく。
- 参加ゲストは、石田あきら、小梅けいと、小林尽、梶島正樹、経験値、近衛乙嗣、佐々木少年、島田フミカネ、シンゴ、中央東口、天空すふぃあ、橋本タカシ、左、MIKE156、瑞井鹿央、ゆうろ、広江礼威、中村博文、高河ゆんの19名。
[編集] 雑学
[編集] 元ネタ
本作は『月姫』のファンディスクである『歌月十夜』と同じく、繰り返す日常をコンセプトとしているが、更に突き詰めると『劇場版うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』が雛型である(『歌月十夜』も同じ)。両作品に符合する点が多々ありパロディとして参考にしていると思われる。
ネタバレ有りの為以下の符合していると考えられる項目はコンプリートされた方のみお目を通すこと推奨。
- 秋口の学園祭or文化祭の前日あたりの特定日のループが舞台。
- 主要な登場人物は世界の異常に気がついていても気がつかないように振る舞うor利用している。
- 元の世界に戻ろう、真実に近づいていくと世界を守るために黒幕(?)に放逐されるキャラクター。
- 記憶の希薄化で秩序を保とうとする世界。
- エピローグはその日or夢からの起床シーン。そして再び始まるドタバタ騒ぎの予感。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- TYPE-MOONオフィシャルホームページ(年齢・嗜好の確認あり)
- ヴォーカルのrhuが所属するcolorvariationのオフィシャルサイト