1957年の日本シリーズ
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1957年の日本シリーズは、3年連続セ・リーグを制した、水原茂監督率いる読売ジャイアンツと2年連続パ・リーグを制した三原脩監督率いる西鉄ライオンズとの対決となり、10月に後楽園球場と平和台球場で行われた。
目次 |
[編集] 戦評
前年の顔合わせとなった日本シリーズ「巌流島の決闘」と言われた、三原監督率いる西鉄と水原監督率いる巨人の2年連続の対決。2年連続同じカードであった事に、当時のメディアは人気があったが、蓋を開けると意外な結末が待ち構えると言う予想外な出来事が起こった。
- 平和台球場で始まった第1戦は、1点をめぐる攻防だった。1回表川上哲治のヒットで先制したが、4回裏中西太、豊田泰光、大下弘の中軸の連打で、同点。6回裏に豊田泰光のホームランで突き放したが7回表に巨人は同点に追いついたが、その裏に西鉄は、和田博実の犠牲フライが決勝点になって1勝を挙げた。
- 第2戦は、8回まで0-0の緊迫となった試合だった。巨人の先発・堀内庄と西鉄の先発・河村英文との投げ合いだった。特に西鉄の河村は、切れ味鋭いシュートを武器に巨人打線を翻弄。試合が動いたのは9回。巨人は
宮本敏雄のソロホームランで1点を奪ったが、その裏ランナーを置いての河野昭修のライトへのヒットで西鉄が逆転サヨナラ勝ち。
- 移動日・雨天で順延となった第3戦は壮絶な打撃戦になった。8回表関口清治がソロホームランで5-2とすると、その裏には宮本の2ランホームランで1差まで追いついたが一歩及ばず。西鉄が3連勝で日本一に王手をかけた。
- 翌日の第4戦は、延長10回日没引き分け。
- 続く第5戦は、壮絶な打撃戦になった。3-2と一点を追う6回中西、豊田、大下の中軸の連打と、和田の3ランホームランで4点を奪って主導権を握った。その後、巨人は川上のソロホームランと広岡達朗のタイムリーで1点差に追いついたが後続が続かず、引き分けを挟んでの4連敗。4勝0敗1分で西鉄が2年連続日本一に輝いた。西鉄が日本一に輝いた切欠は、第5戦で好投した島原幸雄の力が大きかった。一方、巨人は選手の年齢30代後半とベテランが多いことから世代交代と言われる事もあった。
[編集] 試合結果
[編集] 第1戦
10月26日 平和台球場 入場者数:23992人
巨人 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
西鉄 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 1 | 0 | X | 3 |
(巨) | 義原、藤田、●大友(1敗)、木戸、別所 - 藤尾、森 |
(西) | ○稲尾(1勝) - 和田 |
本塁打 | |
(西) | 豊田1号ソロ(6回義原) |
|}
[編集] 第2戦
10月27日 平和台球場 入場者数:24373人
巨人 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
西鉄 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2x | 2 |
(巨) | ●堀内(1敗)、藤田 - 藤尾、森 |
(西) | ○河村(1勝)- 和田 |
本塁打 | |
(巨) | 宮本1号ソロ(9回河村) |
[編集] 第3戦
10月30日 後楽園球場 入場者数:30484人
西鉄 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 1 | 0 | 5 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
巨人 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 4 |
(西) | ○稲尾(2勝)- 和田 |
(巨) | ●義原(1敗)、堀内、藤田 - 藤尾 |
本塁打 | |
(西) | 大下1号2ラン(6回義原)、関口1号ソロ(8回藤田) |
(巨) | 与那嶺1号ソロ(1回1点稲尾)、宮本2号2ラン(8回稲尾) |
[編集] 第4戦
10月31日 後楽園球場 入場者数:27649人(延長10回)
西鉄 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
巨人 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
(西) | 河村、島原、- 日比野、和田 |
(巨) | 木戸、堀内 - 藤尾、森 |
[編集] 第5戦
11月1日 後楽園球場 入場者数:30519人
西鉄 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 4 | 0 | 0 | 0 | 6 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
巨人 | 0 | 0 | 1 | 0 | 2 | 0 | 0 | 2 | 0 | 5 |
(西) | 若生、西原、河村、○島原(1勝) - 和田 |
(巨) | 別所、藤田、●木戸(1敗)、義原、義原 - 森、藤尾 |
本塁打 | |
(西) | 和田1号ソロ(5回藤田) 和田2号3ラン(6回義原) |
(巨) | 十時1号ソロ(3回若生)、川上哲1号ソロ(8回河村) |
[編集] 4連勝
シリーズ4連勝は過去1959年の南海ホークス、1960年の大洋ホエールズ、1990年の西武ライオンズ、2002年の読売ジャイアンツ、2005年の千葉ロッテマリーンズがあるが、引き分けを挟んでの4勝無敗優勝が1957年の西鉄ライオンズと1975年の阪急ブレーブスであるので、このシリーズが初めての引き分けを挟んで4勝無敗優勝になる。
[編集] テレビ・ラジオ中継
(第6~7戦の放送予定については書きかけです。)
[編集] テレビ中継
- 第1戦:10月26日
- 第2戦:10月27日
- 第3戦:10月30日
- 第4戦:10月31日
- 第5戦:11月1日
1957年当時、福岡に民放テレビ局は開局していなかったこともあり、民放(日本テレビ)の中継は関東圏においてのみ視聴が出来た。
[編集] ラジオ中継
- 第1戦:10月26日
- 第2戦:10月27日
- 第3戦:10月30日
- 第4戦:10月31日
- 第5戦:11月1日
[編集] 外部リンク
[編集] 関連項目
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