鬼志別駅
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鬼志別駅(おにしべつえき)は、北海道宗谷支庁宗谷郡猿払村字鬼志別にあった北海道旅客鉄道(JR北海道)天北線の駅。1989年天北線とともに廃止された。 名前の由来は、アイヌ語の「オ・ニ・ウシ・ペッ」(河口付近に木が群生している川)や、「オ・ヌ・ウシ・ペッ」(河口が良い漁場の川)などから。
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[編集] 駅の構造
急行「天北」が停車するため、単式ホーム2面2線を有する交換可能駅であった。いくつかの側線があったものの、この駅を発着とする列車はほとんどなかった。
[編集] 駅跡周辺
猿払村の代表駅はその名の通り猿払駅なのだが、村の中心街や村役場は鬼志別の方が近くにある。だから、急行「天北」は猿払駅に停まらず鬼志別駅に停まる。 廃止後は駅の跡地に宗谷バス鬼志別ターミナルが新たに建ち、天北線廃止後も係員が配置されて乗車券を発売しており、賑わいを見せている。 しかし道路案内にはまだ鬼志別駅の標識が撤去されずに残っており、初めてきた人は少し戸惑うこともあるかもしれない。
[編集] 歴史
1920年に樺太(サハリン)への連絡鉄道として延伸開業を繰り返し行ってきた宗谷線の駅として開業した。開業当時は宗谷線の終点駅だった。1980年に国鉄再建法が成立すると、第2次特定地方交通線に指定されたが、冬季代替輸送に問題があったため、天北線、名寄本線、池北線、標津線の4線は廃止が保留された。しかし道路整備の発達により問題がなくなり、第2次特定地方交通線に指定され、国鉄民営化後1989年に天北線と共に廃止された。
- 1914年11月7日 宗谷線音威子府~小頓別間開業
- 1916年10月1日 小頓別~中頓別間開業
- 1918年8月25日 中頓別~浜頓別間開業
- 1919年10月20日 宗谷線→宗谷本線
- 1919年11月1日 浜頓別~浅茅野間開業
- 1920年11月1日 浅茅野~鬼志別間の延伸開業により駅設置。
- 1922年11月1日 鬼志別~稚内(現在の南稚内)間開業。これによって宗谷本線音威子府~浜頓別~南稚内間全線開通
- 1928年12月26日 稚内~稚内港(現在の稚内)間開業
- 1930年4月1日 宗谷本線から北見線に改称。
- 1961年4月1日 北見線から天北線に改称。
- 1985年8月2日 天北線が第2次特定地方交通線として廃止承認。
- 1987年4月1日 日本国有鉄道の分割民営化により北海道旅客鉄道の駅 となる。
- 1989年5月1日 天北線全線廃止。宗谷バスにバス転換。