香港上海銀行
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香港上海銀行(ほんこんしゃんはいぎんこう, Hong Kong and Shanghai Banking Corporation)はロンドンに本拠を置く世界最大級の銀行金融グループである。略称は英語でHSBC、中国語で滙豐(「匯豊銀行」ではない、中国語の正式名が「香港上海滙豐銀行有限公司」のため)。香港ドル発券銀行の一つ(「香港上海銀行」ブランドで発行)。
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[編集] 概要
ヨーロッパとアジア太平洋地域、アメリカを中心に世界76ヶ国に約10,000の支店網をもち、ロンドン、香港、ニューヨーク、パリ、バミューダの証券取引所に上場する。時価総額規模では、アメリカのシティグループ、バンク・オブ・アメリカに次ぎ世界第3位(ヨーロッパでは第1位)。
ロンドン本社はドックランドのカナリー・ワーフにあるHSBCタワーに置く。日本にも東京と大阪に支店があるが、個人の一般的なリテール業務は取り扱っていない(投資銀行や法人向け業務、個人向けには富裕層の資産運用、外貨の両替などを行なっている)。
[編集] 沿革
1865年3月ユダヤ系イギリス人アーサー・サッスーン卿(ロスチャイルド一族のメンバー)によって香港で創設され、一ヵ月後上海で営業を開始した。主に在華外国企業(サッスーン洋行、ジャーディン・マセソン商会、デント商会などの阿片貿易商社)の貿易金融(阿片貿易で儲けた資金を安全かつ迅速にイギリスに送金することが主な業務)を扱ったが、1866年には日本支店も設立し、日本政府の金融顧問業務も行った。
当時は香港に本社を置き、20世紀初頭には極東地区最大の銀行となった。また、商業銀行であるが、1993年の香港金融管理局成立以前は、本来、中央銀行が行うべき役割も果たしてきた。1965年には、香港で最大の華人系銀行であった恒生(ハンセン)銀行が破綻したため、その過半数株式を取得し、現在もグループ傘下に収めている。現在も香港の発券銀行として機能している。
1980年代に大掛かりな買収戦略による拡大を開始してアメリカでマリンミッドランド銀行(現:HSBC USA)を買収するなどイギリス連邦(カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなど)の地域の有力銀行を次々に傘下に収め、ほぼ同時期に中南米(ブラジル、メキシコ、アルゼンチンなど)、中東(エジプト、サウジアラビア、レバノン、UAEなど)、東南アジア(タイ、マレーシア、フィリピンなど)、南アジア(インド、パキスタン、スリランカ、バングラデシュなど、)、トルコなど高成長が見込まれる地域の有力現地銀行多数を傘下におさめて「ほぼ全世界」を活動地域としてカバーする世界で唯一の銀行になった。(国際的に活動する銀行は多数あるが「ほぼ全世界」をカバーしている銀行は他に類を見ない) 2006年現在も中国本土、ベトナム、東欧各国、ロシア、中米(メキシコ・パナマなど)、南アフリカなどで拠点網を拡大、強化しつづけている。
その間の香港返還を前にした1992年のイギリス最大のミッドランド銀行(現:HSBC Bank PLC)の買収にあたり登記上の本部をイギリス本国に移転することをイギリス政府から要請され前年の1991年ロンドンにHSBC Holdings(香港上海銀行持株会社)を設立し、登記上の本拠地をロンドンに移動、イギリス法人となった。その他、1999年にはアメリカのナショナル・リパブリック・オブ・ニューヨーク銀行(現:HSBC USA)、2000年フランス商業信用銀行(CCF、現:HSBC FRANCE)など世界各地の金融機関を積極的に買収し、2004年には中華人民共和国の中国交通銀行の株式19.9%を取得している。
2001年にキャッチフレーズをThe world's local bank(全世界の地元銀行)に変更し、名実ともにそのとおりに全世界をカバーする展開力を強化して拠点数と収益を伸ばし続けている。 2006年半ばの業績発表で総資産ではシティグループを抜いて世界最大になった。
[編集] 香港での営業
香港セントラル地区に著名建築家ノーマン・フォスターが設計した香港本部ビルを有し、現在も中国銀行 (香港)及びスタンダード・チャータード銀行とともに香港ドルを発券する。約130の支店やミニ店舗を展開する香港最大の銀行である。
[編集] 中国での営業
中華民国の上海を発祥地とする香港上海銀行は第二次世界大戦前、上海のバンド地区を中国大陸の本拠としていたが、1949年の中国共産党政権(いわゆる中華人民共和国政府)成立後の1955年にこのビルを共産党政権に引き渡した。(このビルは現在、上海浦東発展銀行本社となっている)。その後中国各地の支店は次々に閉鎖されたが、上海支店だけは貿易金融や国内送金などの営業を続けていた。現在はアジア本部を上海の浦東新区陸家嘴(りくかし)金融貿易区にある香港上海銀行ビルに置く。
前記の中国交通銀行の他、2001年には上海銀行の株式も6%取得し、中国大陸での営業に注力している。上海、広州、北京、天津、大連、青島、蘇州、武漢、アモイ、深センに支店、成都、重慶に代表事務所を展開する。
[編集] 日本での営業
日本国内では東京都中央区日本橋、大阪府堺筋本町に支店がある。外国為替・両替やプライベートバンキングなど個人向けの部門もある。地方銀行などを窓口として(直接申し込みも可能)外貨宅配サービス「Moneyport」を行っていることで知られる。
第二次世界大戦前に営業していた旧長崎支店は重厚な石造りの建築で有名。長崎に現存する洋館としては最大規模。現在では「旧香港上海銀行長崎支店記念館」として公開されている。
[編集] 外部リンク
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