風と共に去りぬ (映画)
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『風と共に去りぬ』(Gone with the Wind)は、1939年のアメリカ映画。ヴィクター・フレミング監督作。マーガレット・ミッチェルによる同名の世界的ベストセラー小説「風と共に去りぬ」を映画化したものである。全編で4時間近くという大長編であるにも関わらず、当時空前のヒットを記録した。
MGMとセルズニック・プロダクションが製作したテクニカラー方式による大作メロドラマ映画であり、製作費や宣伝費に大金をかけるブロックバスター映画のさきがけとなった作品でもある。
アカデミー賞では、作品賞、監督賞、主演女優賞(ヴィヴィアン・リー)、助演女優賞(ハティ・マクダニエル・黒人俳優として初)、脚色賞ほか特別賞を含め9部門を受賞。ちなみに、この作品が受賞することが授賞式で発表される前に新聞社が発表してしまった為、それまで新聞社にはあらかじめ知らせてあった受賞結果をプレゼンターが名前を読み上げるまでは厳重に管理することとなった。
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[編集] キャスト
- スカーレット・オハラ:ヴィヴィアン・リー
- レット・バトラー:クラーク・ゲーブル
- アシュレ・ウィルクス:レスリー・ハワード
- メラニー・ハミルトン:オリヴィア・デ・ハヴィランド
- ジェラルド・オハラ :トーマス・ミッチェル
- エレン・オハラ:バーバラ・オニール
- マミー:ハティ・マクダニエル
[編集] スタッフ
- 監督:ヴィクター・フレミング
- 製作:デビッド・O・セルズニック
- 音楽:マックス・スタイナー
[編集] その他・備考
- 1939年12月15日にアトランタから公開開始。日本での初公開は1952年。
- 「二度と製作することができない」豪華さとまで喧伝され、映画史上屈指の名作との呼び名が高い。スカーレット役選びが難航したこと、プロデューサーのセルズニックが自らの意を通すために断行した度重なる脚本家や監督の交代劇など、その製作過程には数々の逸話が残されている。
- マックス・スタイナーによるテーマ曲「タラのテーマ」は、格調高いナンバーとして映画音楽の古典となっている。
- アメリカ映画協会が選出したアメリカ映画ベスト100には4位にランクインされている。
- アメリカ国内での興行収入は198,676,459米ドルであり、チケットの値段のインフレ調整を行うと第1位になる。[1]
- 1975年10月8日と10月15日に、日本テレビの『水曜ロードショー』で前・後編に分けて世界初のテレビ放映が行われた。テレビ放映を行うにあたって、日本テレビは放送権を当時の価格で6億円で購入したという。33.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)の視聴率を記録した。
- 有名なヒロインの最後の台詞は「After all, tomorrow is another day. (だって、明日はまた別の日なのだから)」である。従来はこれを「明日は明日の風が吹く」と訳すことが多かったが、最近ではより原文に近い「明日という日がある」と訳されることが多い。
- しかし当のアメリカでより有名な台詞は、この直前にレットが去り際に吐く捨て台詞である。スカーレットに「これから私はどうしたらいいの?」と聞かれたレットは、「Frankly, my dear, I don't give a damn. (はっきり言ってね、おまえ、そんな馬鹿げたことおれの知ったことか)」と振り向きざまに言う。この「damn」は強いののしりの言葉で、製作当時は映画において使うべきではない言葉 (いわゆる禁止用語) と考えられていたが、原作の台詞を一言も変えないというセルズニックの強い意向によって盛り込まれた。2005年、アメリカ映画協会はこれを「最も記憶に残る映画のセリフ」に選んでいる。(なお日本語での定訳は「知らないね、勝手にするがいい」)
[編集] 外部リンク
- デジタル・ニューマスター版公式サイト(日本) 原作誕生70周年を記念し、2006年の正月映画として日本で劇場公開されたときのもの。
- allcinema http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=4510
- 脚注