西田敏行
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西田 敏行(にしだ としゆき、1947年11月4日 - )は、日本の俳優。福島県郡山市出身。明治大学付属中野高等学校卒業、明治大学農学部中退。身長166cm。
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[編集] 来歴・人物
テレビでは1967年に渥美清の泣いてたまるかでデビューする(これから約20年後には泣いてたまるかの西田敏行バージョンが放送される)。(渥美清とはその後「学校」で共演し,「男はつらいよ 寅次郎の縁談」には渥美清とは会わなかったものの浜ちゃんとしてカメオ出演した。また男はつらいよ49作「男はつらいよ 花へんろ」のマドンナの兄役に選ばれているなど関係が深い。)その後,1969年に劇団青年座に入団、翌年「写楽考」では早くも主役に抜擢され、大器の片鱗を見せる。その個性的な演技と、愛嬌のある顔立ちや体型はテレビ界からも注目され、「西遊記」、「池中玄太80キロ」などの連続ドラマで活躍。1979年にはいしいひさいち原作のアニメ映画「がんばれ!!タブチくん!!」で主人公、タブチくんの声を担当し、この縁でタブチくんのモデルである、当時西武ライオンズに在籍していた田淵幸一選手との親交がある。また、歌唱力にも定評があり、1981年に『もしもピアノが弾けたなら』を大ヒットさせた。映画の『釣りバカ日誌』シリーズでは、本人の素に近いコミカルな演技を見せる。
CM出演も多いが、国民生活センターから悪質訪問販売として実名公表された「朝日ソーラー」の広告塔であった。KDDのCM出演から数年後にはライバルのNTT西日本のCMに出演した。
2001年探偵!ナイトスクープの2代目局長となる。当時、西田ほどの大物俳優が関西のレギュラー番組の司会をするのは異例で、決まった時関西人は特に驚いた。
2003年病気で倒れたことをきっかけにタバコをやめたり、師事していた劇団青年座代表である金井彰久氏(声優、かないみかの父)が死去したことにより、在籍してきた青年座を退団、もと青年座のスタッフが設立したオフィスコバックに、同じくもと青年座所属の猪野学、緒形直人と共に所属。
NHK大河ドラマに数多く出演しており、初出演した1972年「新・平家物語」~2006年「功名が辻」まで、出演作品数は計11作である。歴代の徳川将軍家の人物を演じることが多く、「八代将軍吉宗」では徳川吉宗、「葵徳川三代」では徳川秀忠、「功名が辻」では徳川家康、と、これまでに3名の徳川家将軍を演じている。また、おんな太閤記では、木下藤吉郎(羽柴筑前守秀吉)を演じて話題になり、西田の台詞「おかか」(妻のねねを呼ぶ時の台詞)は当時の流行語になった。また、「功名が辻」では「八代将軍吉宗」で吉宗の息子徳川家重を演じた中村梅雀と11年ぶりに共演。中村の役は家康の三男徳川秀忠である。
[編集] エピソード
前述通り、探偵!ナイトスクープでは2代目局長として番組を担当しているが、局長に起用された理由は、「同番組の大ファン」だったからである。お涙頂戴ものの依頼が来ると、必ず涙を流す“いい人”ぶりを発揮して、初代局長であった上岡龍太郎とは違った味を醸し出している。また、最近「探偵!ナイトスクープ」の探偵である北野誠を中心として、西田敏行を囲む飲み会が時々開催されているようで、多くのタレントがこれに参加を希望していることからも分かるように、芸能界を中心とした人望は非常に厚い。
イメージ的にどうしても「いい人」的な役回りが多くなるため、白い巨塔の財前又一役では、意地汚いといったイメージを出すため、付け髭にカツラを着用して演じたようである。製作発表の席で、「私の役名は財前又一(またいち)ですので、財前ヌーとは読まないで下さい。」と、笑いを誘った。また、西遊記シリーズでは、堺正章ら主要キャストが西遊記IIに続投するなか、唯一西遊記IIへの出演を見合わせた(代役は左とん平)。この理由として、1作目が大人気ドラマであったので、西田の子供が学校で「お前の父ちゃんは豚だ」と言われいじめられていたため、IIの出演を見合わせたというエピソードが残っている。
1996年渥美清の死去により「男はつらいよ」が終了し、替わりに西田主演の「虹をつかむ男」が公開され、男はつらいよに続く連続作品と期待されたが、2作で終わった。しかし同じ松竹の「釣りバカ日誌」の方は長寿映画となった。
浮気が発覚したときに、妻に取り上げられたため、携帯電話を持っていない(2006年現在)。
かつて、中年の男女向けに実施されたアンケートで、「友達にしたい男性芸能人」で1位に輝いた事がある。(ちなみに女性芸能人の1位はいしだあゆみ。)
ダチョウ倶楽部の上島竜兵は西田氏のものまねで有名だが、声は似せることができない。このため西田氏はこれをみて残念がっていた。または、ものまねが縁で、ドラマ「遠山金志郎美容室」(日本テレビ)では、西田敏行の弟役に上島が起用された。
[編集] 出演作品
[編集] 映画
- 悪魔が来りて笛を吹く(1979年)
- ロケーション(1984年)
- 天国の駅 HEAVEN STATION(1984年)
- 植村直己物語(1986年)
- 敦煌(1988年)
- 釣りバカ日誌(1988年~、現在シリーズ通算18作)
- 寒椿(1992年、原作:宮尾登美子)
- おろしや国酔夢譚(1992年、監督:佐藤純彌)
- 男はつらいよ 寅次郎の縁談(釣り人 *厳密には浜ちゃんとしてカメオ出演)
- 学校(1993年、監督:山田洋次)
- 学校II(1996年、監督:山田洋次)
- 虹をつかむ男(1996年)
- 陽はまた昇る(2002年)
- ゲロッパ!(2003年、監督:井筒和幸)
- 四日間の奇蹟(2005年、監督:佐々部清)
- THE 有頂天ホテル(2006年、監督:三谷幸喜)
- 椿山課長の七日間(2006年、監督:河野圭太)
[編集] ドラマ
- 渥美清の泣いてたまるか(1967年 TBS)
- 西遊記シリーズ(日本テレビ/猪八戒役)
- サンキュー先生 (テレビ朝日/石松鈍器役)
- 池中玄太80キロ(日本テレビ)
- 特捜最前線(1977-1979年・テレビ朝日/高杉陽三刑事役)
- やる気満々(1980年TBS)
- 遠山金志郎美容室(1994年日本テレビ/遠山金志郎役)
- 新・平家物語(1972年NHK大河ドラマ/北条義時役)
- 花神(1977年NHK大河ドラマ/山県狂介(山県有朋)役)
- おんな太閤記(1981年NHK大河ドラマ/豊臣秀吉役)
- 淋しいのはお前だけじゃない(1982年TBS)
- 名門私立女子高校(1984年日本テレビ)
- 山河燃ゆ(1984年NHK大河ドラマ/天羽忠役)
- 西田敏行の泣いてたまるか(1986年 TBS)
- 武田信玄(1988年NHK大河ドラマ/山本勘助役)
- 翔んでる!平賀源内(1989年TBSナショナル劇場/平賀源内役)
- 翔ぶが如く(1990年NHK大河ドラマ/西郷隆盛役)
- いつも心に太陽を(1994年TBS金曜ドラマ/福田裕次郎役)
- 八代将軍吉宗(1995年NHK大河ドラマ/徳川吉宗役)
- 竜馬がゆく(1997年TBSドラマ/勝海舟役)
- 織田信長 天下を取ったバカ(1998年TBSドラマ/斎藤道三役)
- けろりの道頓、秀吉と女を争った男(1999年フジテレビ/安井道頓役)
- 葵徳川三代(2000年NHK大河ドラマ/徳川秀忠役)
- 宮本武蔵(2001年テレビ東京/沢庵役)
- おらが春(2002年NHK正月時代劇/小林一茶役)
- 武蔵 MUSASHI(2003年NHK大河ドラマ/内山半兵衛役)
- すっから母さん(2003年 テレビ東京)
- 白い巨塔(2003年フジテレビ木曜劇場/財前又一役)
- ジイジ~孫といた夏(2004年 NHK月曜ドラマシリーズ/片岡英吉役)
- タイガー&ドラゴン(2005年 TBS)
- 広島 昭和20年8月6日(2005年 TBS/矢島年明役)
- ジイジ2~孫といた夏~(2005年 NHK月曜劇場/片岡英吉役)
- 特命!刑事どん亀(2006年 TBSナショナル劇場/亀田呑役)
- 功名が辻(2006年NHK大河ドラマ/徳川家康役)
- 天下騒乱~徳川三代の陰謀(2006年テレビ東京/土井利勝役)
- 浅草ふくまる旅館(2007年 TBSナショナル劇場/福丸大吉役)
- 華麗なる一族(2007年 TBS日曜劇場/大川一郎【万俵鉄平=木村拓哉の義父】役)
[編集] ドラマ以外のテレビ
現在
- みごろ!たべごろ!笑いごろ!(テレビ朝日)
- 人生の楽園(テレビ朝日・2代目ナレーション)
- 探偵!ナイトスクープ(朝日放送・2代目局長、2001年-)
過去
[編集] アニメ
- がんばれ!!タブチくん!!(1979年) - (タブチくんの声)
[編集] CM
[編集] 音楽
- MATチームの歌(1971年?)
- 『帰ってきたウルトラマン』挿入歌のカヴァー(オリジナルは団次郎)。ウルトラシリーズの主題歌や挿入歌は70年代から80年代にかけて多くのカヴァー版が発売されているが、その中でも滅多に商品化されない珍品中の珍品である。
- もしもピアノが弾けたなら(1981年)『池中玄太80キロⅡ』主題歌
- 時の旅人(1989年)『ドラえもん のび太の日本誕生』 主題歌
- ちきゅうはおどる(1989年?)『ひらけ!ポンキッキ』 挿入歌
- とりあえずは元気で行こうぜ (2001年)『釣りバカ日誌』 主題歌
- フランシーヌの場合(タイガー&ドラゴン内で歌唱)
[編集] 外部リンク
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