紀伊天満駅
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紀伊天満駅(きいてんまえき)は、和歌山県南牟婁郡那智勝浦町天満415-3にある西日本旅客鉄道(JR西日本)紀勢本線の駅である。隣の那智駅ともども大正元年の開通時から存在するがその間の距離はおよそ900mしかない。これはこの当時の駅間距離としては非常に短いものである。
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[編集] 駅構造
- 単式ホーム1面1線を持ち列車の行き違いさえ出来ない地上駅である。
- 旧駅舎を撤去した址にカプセル型の簡易駅舎(待合所)が建てられている。外壁にはにはタイルで海の絵が描かれている。
- 無人駅である。駅員はいない。なお簡易駅舎の中には簡易な自動券売機が設置されており近距離の乗車券を購入することはできる。
[編集] 駅周辺
この駅は南東から北西に細長く延びた勝浦の市街の北西の端の端、那智の町に接する辺りにある。このとおり紀伊勝浦駅のあたりから那智駅の方までにぎやかな市街地が続いているのである。この駅はごみごみした市街地の中にあって駅の近くには小規模な商店街らしきものもある。附近の駅と同じくこの駅も海には大変近い。
- 那智海水浴場
- 那智勝浦町立那智中学校
- 那智天満郵便局
- 那智勝浦町体育文化会館
- 那智勝浦町温泉病院
- 勝浦観光ホテル
- 和歌山地方法務局那智出張所
- 紀伊天満駅周辺地図
[編集] 歴史
この駅は大正元年、新宮鉄道が三輪崎駅から勝浦駅(現在の紀伊勝浦駅)までを開通させるのと同時に那智口駅(なちぐちえき)として開業した。昭和9年には新宮鉄道が買収により国有化となり、新宮駅から紀伊勝浦駅までが紀勢中線となる。昭和15年には紀勢西線の江住駅から串本駅・新宮駅から紀伊木本駅(現在の熊野市駅)の開通により紀伊木本駅から和歌山駅(現在の紀和駅)までが紀勢西線とされたため国鉄紀勢西線の駅となった。その後当駅は昭和34年、今の紀勢本線が全通し亀山駅と和歌山駅(現在の紀和駅)の間が紀勢本線となったのを受け国鉄紀勢本線の駅となり、さらに国鉄の分割民営化を経て現在に至っている。なお駅名は大正6年(1917年)の12月に天満駅(てんまえき)に改称となりその後昭和9年(1934年)の新宮鉄道の国有化により大阪の天満駅との駅名の一致を避けて現在の紀伊天満駅(きいてんまえき)に再び改称となった。
- 1912年(大正元年)12月4日 - 新宮鉄道の三輪崎駅から勝浦駅(現在の紀伊勝浦駅)までの開通と共に那智口駅(なちぐちえき)として開業する。
- 1917年(大正6年)12月4日 - 天満駅(てんまえき)に改称となる。
- 1934年(昭和9年)7月1日 - 新宮鉄道の国有化により新宮駅から紀伊勝浦駅までが新しく国鉄紀勢中線とされ当駅も国鉄紀勢中線の駅となり、駅名も現在の紀伊天満駅(きいてんまえき)となった。
- 1940年(昭和15年)8月8日 - 紀勢西線の江住駅から串本駅・新宮駅から紀伊木本駅(現在の熊野市駅)の開通により紀伊木本駅から和歌山駅(現在の紀和駅)までが紀勢西線とされたため国鉄紀勢西線の駅となる。
- 1959年(昭和34年)7月15日 - 三木里駅・新鹿駅間の開通を持って現在の紀勢本線が全通し新たに亀山駅と和歌山駅(現在の紀和駅)の間が紀勢本線となり、当駅も国鉄紀勢本線の駅となる。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄の分割民営化により当駅も西日本旅客鉄道紀勢本線の駅となる。