学校法人茗溪学園
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茗溪学園(めいけいがくえん)は、茨城県つくば市(旧筑波郡谷田部町東部)にあり、「STUDY SKILLS」を合言葉に実践的な教育を行う、中高一貫校である、茗溪学園中学校高等学校を設置している学校法人。スポーツも盛んで、特にラグビーが有名。
県南地域では、同市の竹園高や、隣接の土浦市の土浦一高、近隣の龍ケ崎市の竜ヶ崎一高、取手市の江戸川学園取手高などと並ぶ茨城県下有数の進学校であるが、自由な校風で知られ 生徒が皆伸び伸びとしており、ありがちな殺伐とした雰囲気とは縁遠いという意味で 進学校らしからぬ雰囲気であるとされる。
茗渓会会長が理事長を務め、現理事長は桐蔭学園理事長でもある鵜川昇。
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[編集] 沿革
- 1979年(昭和54年)-学校法人茗溪学園設立(当初は全寮制)
- -当時東京教育大学が筑波大学へ移転している途上で、附属校である駒場校などの移転問題があった。しかし、生徒は殆どが23区内の居住者であったため附属校は移転できず、当時設立100周年を迎えていた茗溪会が記念事業として新たに学校法人を設立して運営を行うという方針がとられた。
〇1988年(昭和63年)-全国高等学校ラグビーフットボール大会で決勝まで進むも昭和天皇崩御のため決勝戦中止。大阪工業大学高等学校と共に両校優勝となった。 〇2005年(平成17年)-中学運動部の総合成績で全国一位となる。 〇2006年(平成18年)-高校ラグビー出場決定
[編集] 特色
6年間を通しで考えているため、学校内では中学1年生を1年生、高校3年生を6年生と呼ぶ。通常のクラス呼称は「1B」(中学1年B組)や「5C」(高校2年C組)等となる。中学・高校両方の授業を受け持つ教員も多く、6年間持ち上がりで担任を続けることもある。制服その他に学年を区別するものが一切無く、また上級生に対する「先輩」の呼称の概念はなく、「さん」付けで呼ぶ(「先輩」という単語は校内では上級生全体を一括りにした呼び方になる。)
週6日制を導入しているため土曜日も授業がある。 不満を持っている生徒もいくらかいるようだが、お陰で長期休暇は少々長く、授業は公立などの進度より先まで進み、 当然必修科目履修漏れも存在しない。
「人類ならびに国家に貢献しうる『世界的日本人』を育成すべく知・徳・体の調和した人格の形成を図り特に創造的思考力に富む人材をつくる」を建学の理念とし、独自の取り組みを数々実践している。
- 英語教育への取り組み
- 中学2年で、英国、米国、アフガニスタン、ニュージーランド人の教師による英会話の授業を行い、高校1年からは習熟度に応じて授業の内容が異なる。到達目標として、中学2年で英検4級、3年で同3級、高校2年で同準2級の取得を課している(但し強制はしていない)。他、「TOEIC BRIDGE」というTOEICの学生向けのテストを例年1月に行っている。この試験で優秀な成績を取った生徒には費用を学校がもってTOEICの本試験を受けられるという特典がある。
- 国際交流への取り組み
- 帰国子女や交換留学生の受け入れに積極的に取り組み、長期休暇中には、数日間の交流企画も行なっている。また高校2年次の海外研修では、現地高校を訪問する現地交流会が1日設定されている。留学にも力を入れているが、一切の私費留学を認めておらず、UWCの2年間の留学を長期留学、その他の1年間の留学を短期留学と規定している。短期留学の場合は、休学時の学年に復学するが、高校2年時の長期留学は自主退学の形をとり、留学修了をもって、卒業生と同格に扱われる。
- 個人課題研究
- 「高校生の卒業論文」ともいわれる高校2年次の必修科目。自らテーマを決定し、常勤の全教員の中からテーマに適した指導教員を選び、1年間かけて、調査、実験、フィールドワーク等を駆使して、レポートをまとめる。優秀な研究については、翌年度の文化祭で一般公開で発表を行うほか、学年全員が内容を原稿用紙10枚程度にまとめた要旨集も作成され、当該学年全員に配布される。テーマの設定については、進路はおろか、理系・文系の別についても制限は無く、その時の自分の興味について1年かけて完結させる場合もあるが、ここでのテーマをきっかけに、その後の進路や就職の決定に影響するケースも少なくない。
- カリキュラムとクラス分け
- 英語は中学2年から、数学は中学3年から、習熟度に応じて授業の内容が異なる。2~3クラス合同で、成績別に3~4グループに分かれて授業を行う。上位クラスでは、演習や副教材での授業が中心となり、下位クラスでは、基本中心の授業になる。中間、期末の両考査の成績で入替を行う。
- ホームルームの単位となるクラスは、中学生が5クラス、高校1年生が6クラスで毎年クラス替えを行うが、高校2年と3年はクラス替えを行わない。総数は変わらないが、1クラスを40人程度に減らし、進路指導を充実させるためであり、担任も持ち上がりが原則となる。また、国私文理の進路志望や成績順位に一切関係なく構成されており、習熟度や選択授業によって、受ける教室や授業が異なる仕組みになっている。
- 三校交流
- 茗溪学園では、市内の茨城県立並木高等学校や同竹園高等学校との間で生徒会レベルでの交流を行っている。交流は月に1回を目安に行っている。しかし、一部では部活動レベルでの交流も望まれているとも言われており、今後の発展が望まれる。
[編集] 年間行事
- 文化祭
- 桐創祭(6月第2週末)
- この時期の前は非常に盛り上がる。が、文化祭の僅か2週間後には定期考査が控えている。また、文化祭当日にはJRひたち野うしく駅とTX研究学園駅よりシャトルバスが発着する。2005年には約3000人が来場した。
- 体育祭
- いわゆる体育祭は存在しないが、類するものとして以下の校内行事がある。
- 北風祭(球技大会)明日
- 男子はサッカー、女子はドッジボール。また男女共通の種目でバレーボールかバスケットボールを選択。毎年12月の冬休み直前に行われる。(高校)3年生にとっては最後のスポーツ行事となり、クラス単位で団結し非常に盛り上がる。
- 校技大会
- 里美キャンプ(中学1年)
- 常陸太田市の旧里美村で3日間過ごす。この行事はまだまだ序の口。
- 筑波山キャンプ(中学2年)
- 学校から土浦市の茨城県中央青年の家まで約20kmを徒歩で移動し、周辺のキャンプ場で4日間過ごす。この行事と高校1年で行われる臨海訓練は特にハードな行事だ。
- 国内研修(広島、京都)(中学3年)
- 臨海訓練(千葉)(高校1年)
- 例年岩井海岸で行われ、約4kmという驚異的な距離を泳ぐ。この学校で最も過酷な行事と言われる。
- (この行事が理由で入学をあきらめる受験生がいるという噂もある)
- 海外研修(英国)(高校2年)
- 昨年度(平成16年度)から始まったホームステイであるが、平成17年度はテロの影響でこのプログラムが中止となり、その代わりに、オックスフォード、ケンブリッジ、カンタベリー、ストラットフォード・アポン・エイヴォンの郊外研修が行われた。
- 来年度以降はオーストラリアに変更とのこと。
- (数年前までは台湾に行っていた)
- 短期入寮(中学1,3、高校2年)
- 茗溪独自の行事。中学3年は通学生も寮生もこの期間、同じ部屋で共同生活を体験する。
- 突寒ラグビー・寒稽古(高校2年)
- 毎年2月上旬、高校2年の短期入寮にあわせて行われ、短期入寮生・寮生・ラグビー部員・剣道部員が参加する。入寮生は午前5時に起床し、5時半から約一時間、男子はグラウンドでラグビー、女子及び剣道部員は体育館で剣道をする。剣道では筑波大剣道部の協力の下、非常にハイレベルな練習が行われている。この練習を経験した高校2年の女子生徒は、3月の校技大会に於いて他学年とは一線を画した実力を発揮することとなる。また、寒稽古中でも日中の授業は通常通り行われ、放課後の練習を実施する部活も多い。このような過酷な状況でも全力を出して全てのことに取り組むことによって、強靭な精神力を養うのがこの行事の目的である。
[編集] 出版した本
- うたいたいうたをうたいたい 僕らのコーラス・レシピ(ドレミ出版)
[編集] 著名な出身者
[編集] 卒業生
- 星出彰彦(JAXA宇宙飛行士)(6回生 UWC留学)
- 長谷川美奈(フジテレビ特派員)(6回生)
- 渡辺琢(フジテレビ)(8回生)
- 蛯原哲(日本テレビアナウンサー)(12回生)
- Diggy-MO(SOUL'd OUTのMain MC)(14回生)
- 辻高志(NEC)(ラグビー日本代表)(15回生)
- 滝下毅(声優)
- ニーナ南(タレント・グラビアアイドル、旧名 新名美波)
[編集] アクセス
徒歩15分圏内に鉄道駅は無い。最も近い東日本旅客鉄道常磐線ひたち野うしく駅、荒川沖駅及び首都圏新都市鉄道つくばエクスプレス線つくば駅、以上の各駅までは路線バスがある(尚、つくば駅のほうが距離的には近いがスクールバスは研究学園駅発着)。同校の最寄バス停留所は、「茗渓学園」(荒川沖駅、手代木団地方面)、「環境研究所」(ひたち野うしく駅、つくばセンター(つくば駅)方面)、「気象台」(土浦駅、みどりの駅、水海道駅方面)である。
スクールバスは、JR東日本常磐線ひたち野うしく駅、荒川沖駅、守谷・水海道(関東鉄道常総線小絹駅及び水海道駅経由)、取手市戸頭、市内茎崎、関東鉄道常総線石下駅(つくばエクスプレス線研究学園駅経由、同駅止まりの設定もあり)、常総線及び東日本旅客鉄道水戸線下館駅の七方面に路線を持っている。
[編集] 所在地
茨城県つくば市稲荷前1-1 TEL. 029(851)66111(代)