大山のぶ代
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大山のぶ代(おおやまのぶよ、1936年10月16日 - )は昭和後期・平成期(1950年代後半~)の女優・声優。アクターズ・セブン所属。東京都出身。本名:山下 羨代(やました のぶよ)。東京都立三田高等学校卒業。
テレビ朝日版『ドラえもん』において、ドラえもん役を長年担当していたこと等で知られている。
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[編集] 来歴
ドラえもん役で有名になったことから、専業声優として捉えられる事も多いが、本職は女優であり、数々のドラマに出演している。
声優業では、元々『ハリスの旋風』の石田国松のように、高いガラガラ声でやんちゃな喋り方をする演技が特徴だった。しかし、ドラえもんのキャラクターの作画デザインが変わるに連れ、1986年後半ごろから、徐々にベタッとした低い声でゆったりと喋る演技に変化。最終的にはこちらの喋り方が世間に定着し、ものまねでドラえもんの声が真似されるときも、ほぼ後者の喋り方である。
『ドラえもん』のドラえもん役は1979年4月から担当。キャストの高齢化等に伴うリニューアルにより、2005年3月18日の(「ドラえもん! オールキャラ夢の大集合スペシャル」を最後に降板するまで、26年間演じ続けた。2006年第11回アニメーション神戸ではその功績が称えられ、小原乃梨子ほかレギュラー陣4人とともに特別賞を受賞した。
歌手としても活躍。1980年には、EP『ドラえもん音頭』等大山が歌ったドラえもん関連のレコード売り上げが100万枚を突破し、日本コロムビアのゴールドディスクを受賞した。
料理研究家としても活動し、著書に『大山のぶ代のおもしろ酒肴』(主婦の友社、1981年)、『おかずのアイディア180』(小学館、1995年)、『大山のぶ代の毎日のおかず』(グラフ社、2000年などがある。中でも『大山のぶ代のおもしろ酒肴』は136万部のミリオンセラーを記録した。
2006年現在声優業はせず、講演やタレントとしてのテレビ・ラジオ出演を中心に活動しており、2007年4月から、東京港区西新橋(御成門)にある音響芸術専門学校の校長に就任することを発表。本格的に後進の指導に当たる予定である。
[編集] 人物像
太陽にほえろ!の脚本を担当したこともある。主婦の立場で書いた脚本は評判であったといい、5作(共同)書いている。夫はタレントで『おかあさんといっしょ』初代体操のお兄さんでもある砂川啓介。
無類の麻雀好きとしても知られ、美空ひばりとも麻雀友達だったという。またかなりのゲーマーでもあり、「アルカノイド」(タイトー)が大のお気に入り。自己記録の「およそ120万点」は、公式2位の記録に匹敵する。空港の待ち時間等で暇つぶしとして始めたのがきっかけで、それ以降ゲームセンター等を巡り回ったという。しかし他のゲームは苦手で実は機械オンチ。
優れた味覚・嗅覚を持っており、水を一口飲めばそれがどこの水かを言い当てることが出来るという。そのため、水の研究家としても名の通った存在であり、旧厚生省「おいしい水研究会」、旧国土庁「水を語る女性の会」の委員も務めている。健康・カルチャー番組にもよく出演している。特に「ためしてガッテン」での出演頻度は高く、1クールに1度は必ず出演している。
スーパーロボット大戦シリーズで、1977年当時に声優出演していたアニメ『無敵超人ザンボット3』の主人公の声優のオファーを断った理由は、「ドラえもんを演じている間は他の役をやらない」と過去に公言していた為としている(但し、ドラえもんを現役でやっていた頃、ラジオドラマ『封神演義』で白鶴童子の役を演じていたこともある)。
尚、『サザエさん』の初代磯野カツオ役は番組開始後3ヶ月ほどで降板しており、公式には体調不良を理由にしている。しかし、後にラジオ番組TOKYO FM恵俊彰のディア・フレンズに出演した際、「あれだけは自分で降りた」と吐露している。
ワイドショーや料理番組では物腰のやわらかい喋りだが、フジテレビで放映された「快進撃TVうたえモン」で、声優オーデションのゲスト審査員として神谷明や野沢雅子らと参加した際は、辛辣なコメントを連発。辛口なコメントの数々に驚いた今田耕司から「ブラック・ドラえもん」と呼ばれる一幕もあった。
[編集] 大山とドラえもん
『ドラえもん』を勇退して久しいが、ドラえもんの声と聞いて大山が当てたもの(その逆も同じ)を連想する人は未だ多い。ドラえもんのガラガラ声はほぼ地声だが、若い頃は自分の声に対し、かなり思い悩んでいたという。
結果的にはその声がドラえもん役に繋がることになり、またテレビ朝日版『ドラえもん』のパイロット版「勉強べやのつりぼり」アフレコ時には、原作者の藤子・F・不二雄が「ドラえもんはこういう声をしてたんですね」と発言したというエピソードもある。
大山のドラえもんのイメージとして知られるものに、「ぼくドラえもんです」のセリフや独特の「ふふふふ」という笑い声などがある。ドラえもんの物真似ではほぼ必ず使われる浸透ぶりだが、これらは実は原作では存在せず、大山がアドリブで演じたものである。
自宅には家中にドラグッズがそろっており(「ドラえもんボックス」という箱に入れている)、1999年に『徹子の部屋』に出演した際は、毎朝自分の声のドラえもん目覚まし時計で起床していると語っていた。ドラえもんの金のブローチ(腹の部分には時計つき)をつけていたこともある。ただし目覚まし時計は、勇退後に「ドラえもんの卒業」を理由にオークションに出していた。『大山のぶ代の毎日のおかず』では、表紙に大山がドラえもんのエプロンを着ている写真が載っている。
バラエティ番組等に出演した際、ゴールデンタイムではドラえもんの声を披露することははほとんどないが(クイズ番組で歌った際、その声がドラ声のため、周りの出演者から笑いの声が漏れる一幕はあった)、一方で2006年2月にTBSラジオ深夜番組の「極楽とんぼの吠え魂」に出演した際は、ドラえもん声を披露。また同年6月の「徹子の部屋」出演時にも、打ち明け話と共に黒柳徹子の前でドラえもんの声を披露している。この他、「大沢悠里のゆうゆうワイド」には、ドラえもん声でのサウンドステッカーが存在する。
T.K.O、パラシュート部隊、林家たい平、石塚英彦など、大山のドラえもんの物真似にしていた芸人も多い。勇退後はその頻度が下がっているが、現在でも物真似をしている人物もいる。
2006年5月、26年間のドラえもん声優時代を振り返った自伝エッセイ『ぼく、ドラえもんでした。 涙と笑いの26年うちあけ話』(小学館)を発売した。
ドラえもんの声優として浸透している一方で、「原作のイメージと異なる」と考える原作派や、テレビ朝日版以前に放送されていた日本テレビ版世代を中心に、大山版ドラえもんに否定的な人物も存在する。
[編集] 主な出演作品
[編集] テレビアニメ
- サザエさん(磯野カツオ(初代))
- ドラえもん(テレビ朝日版)(ドラえもん(初代))
- のらくろ(1970年)(のらくろ)
- ハゼドン(ハゼドン)
- ハッスルパンチ(パンチ)
- ハリスの旋風/国松さまのお通りだい(石田国松)
- 無敵超人ザンボット3(神勝平)
[編集] 劇場版アニメ
- 子象物語 地上に降りた天使
- 北極のムーシカミーシカ
- ドラえもん 各映画作品(ドラえもん(初代)) - 1980年度~2004年度
[編集] ゲーム
- ドラえもん3 のび太と時の宝玉(ドラえもん)
- ドラえもん4 のび太と月の王国(ドラえもん)
- ドラえもん のび太と三つの精霊石(ドラえもん)
- ドラえもん2 のび太と光の神殿(ドラえもん)
- ドラえもん3 のび太の町SOS(ドラえもん)
[編集] 吹き替え
- おやじは億万長者(ジュニア)
- すてきなケティ(スティーヴ)
- 名犬ラッシー
[編集] ラジオ
- 全国こども電話相談室(不定期出演)
- 大沢悠里のゆうゆうワイド(不定期出演)
- 大山のぶ代のサプライズ!(2006年9月5日に、うえやなぎまさひこが夏休みのため代役としてパーソナリティを務めた番組。)
[編集] CD
- 以下、ドラえもんの声で担当
[編集] ドラマ
- マンモスタワー(チャイナ服の女優)
- 敬礼!さわやかさん(松宮主任)
- 江戸を斬る第3部~第6部(咲)
- スターウルフ(1978年・第19話ゲスト)
- 高原へいらっしゃい
- 土曜ワイド劇場・事件12(倉田テル、2006年4月29日放送)
[編集] その他
ドラえもんの声で出演
ドラえもんの声以外
- テレビ3面記事 ウィークエンダー(レポーターとして出演)
- 午後は○○おもいッきりテレビ(不定期出演、テレビ番組)
- お笑いスター誕生!!(不定期・審査委員、テレビ番組)
- 課外授業 ようこそ先輩
- 封神演義(白鶴童子)
[編集] CM
全てドラえもんの声で出演、※は2005年4月を以って水田わさびに交代したことを確認
- 小僧寿司チェーン(終了)
- アート引越センター※
- ストロベリー・コーンズ(終了)
- ファミリーレストランチェーン ココス※
- ドラネット/ドラゼミ※
- 公共広告機構(ポリオ撲滅キャンペーン)(終了)
- セブンイレブン(終了)
- エポック社(ドラえもんテレビパソコン、くるくるまわるR/Cドラえもん ほか)(終了)
- 小学館(ぼく、ドラえもん)(終了)
- JR北海道(ドラえもん海底列車・北海道ローカル)※
- 雪印(ドラえもんスティックチーズ)(終了)
- 味の素(サラダオイル)※実写
など