内田樹
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内田 樹(うちだ たつる、1950年9月30日 - )は、日本の思想家、エッセイストである。
東京に生まれ育つ。大田区立東調布第三小学校、大田区立矢口中学校卒業。中学校2年生のとき同級生の誘いにより、大阪府在住の「池田敏」氏主宰のSFファンクラブ「SFFC」(同人誌名は「コアセルベート」)に参加、「松下正巳」「山本浩二」氏などと出会う。また、同じ頃、1964年7月10日リリースのアルバムまたは同名映画(1964年8月1日松竹セントラルで公開)から仕入れたと思われる「A Hard Day's Night」について友人に歌詞を解説していたとの証言もあり、氏がリアルタイムのBeatlesファンであったという主張を裏付けている。高校は、学園紛争の嵐が吹き荒れる中、東京都立日比谷高等学校に進むが、高校2年で成績が学年最下位になり、のち品行不良を理由に退学処分を受け、ジャズ喫茶でアルバイトをする。
大学入学資格検定を経て1969年、東京大学入試中止の年に京都大学法学部の入学試験に失敗。1年間の浪人生活を経て1970年に東京大学に入学し、文学部仏文科を卒業。大学時代、畏友竹信悦夫から多大な影響を受けてレヴィナスの研究を志し、東京都立大学大学院に進む。大学院生時代には友人と翻訳会社を経営して成功を収める。東京都立大学人文科学研究科博士課程を中退後、東京都立大学人文学部助手となり、1990年から神戸女学院大学文学部助教授。
現在は神戸女学院大学文学部総合文化学科教授。
合気道六段、居合道三段、杖道三段のスポーツマンで、神戸女学院大学合気道部顧問を務める。専門はフランス現代思想、ユダヤ人問題から映画論や武道論まで幅広い。「どんな問題にも即座に答える」特技を持つことから、その考察は、幅広く現代の様々な事象に及ぶ。団塊の世代にわずか遅れた迷い多き「おじさんたち」が、「マルクス主義」「フェミニズム」「戦争」「家庭内暴力」「教育」などについて自分の考えを整理するとき、助けになるという評価もある。著書の多くは、ブログの編集により成り立っているため、類似のエピソード乃至は同じ主張が多くの本に採録されているが、本人は名人落語家の十八番(5代目古今亭志ん生の「火炎太鼓」)のようなものと主張している。
著書(共著・翻訳等含む)
- 『私家版・ユダヤ文化論』
- 『ミスター代ゼミの受験の常識』
- 『身体(からだ)を通して時代を読む』
- 『溶解する(大学)』
- 『態度が悪くてすみません』
- 『身体知』
- 『9条どうでしょう』
- 『ワンコイン悦楽堂』
- 『知に働けば蔵が建つ』
- 『街場のアメリカ論』
- 『健全な肉体に狂気は宿る』
- 『身体(からだ)の言い分』
- 『14歳の子を持つ親たちへ』
- 『先生はえらい』
- 『ヒチコック×ジジェク』
- 『現代思想のパフォーマンス』(光文社)
- 『他者と死者』
- 『死と身体』
- 『東京ファイテイングキッズ』
- 『街場の現代思想』
- 『子どもは判ってくれない』
- 『映画は死んだ』
- 『映画の構造分析』
- 『私の身体(からだ)は頭がいい』
- 『疲れすぎて眠れぬ夜のために』
- 『女は何を欲望するか?』
- 『期間限定の思想』
- 『寝ながら学べる構造主義』
- 『「おじさん」的思考』
- 『ためらいの倫理学』
- 『レヴィナスと愛の現象学』
- 『レヴィナス序説』
- 『現代思想のパフォーマンス』(松柏社)
- 『ユダヤ教』
- 『観念に到来する神について』
- 『モーリス・ブランショ』
- 『暴力と聖性』
- 『タルムード新五講話』
- 『フランス・イデオロギー』
- 『タルムード四講話』
- 『巨匠たちの聖痕』
- 『シオン賢者の議定書(プロトコール)』
- 『京都大学集中講義2005』(音声資料:http://eau.jp/)