火炎太鼓
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お菊の皿(おきくのさら)は古典落語の演目の一つ。作中に出てくる『火焔太鼓』は雅楽に使う太鼓の一種で、雅楽用は3メートルを越える化け物だが、神社・仏閣用は小型で持ち運びにも適している。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] あらすじ
古道具屋の甚兵衛さんは相当な天然ボケ。自宅の火鉢を売りに出してしまい、寒い日には客の家まであたりに行っているんだとか。
この日も、甚兵衛さんが変な太鼓を仕入れて帰ってきた。おかみさんは苦い顔をするが、仕方が無いから店頭に並べてみる事にした。太鼓があまりにも汚いので、丁稚の定吉にハタキをかけさせていると、定吉の手が滑って太鼓をはたいてしまった。途端に侍が店内に入ってくる。戦々恐々としていると、なんと通りかかった赤井御門守様が太鼓の音を気に入り、ぜひ買いたいから来て欲しいと言ってきた。
甚兵衛さんは大喜び。しかし、おかみさんのほうは『こんな汚い太鼓が売れるのか』と不振顔だった。結局、甚兵衛さんは「どうせそんな太鼓はほかに売れっこないんだから、元値の一分で押しつけてこい」と家を追い出されてしまう。
殿様に太鼓を見せると、何故か気に入ったらしく購入していただく事になった。ついた値段がなんと300両、甚兵衛さんは感激し、百五十両まで数えると泣きだしてしまった。興奮して家に飛んで帰ると、早速かみさんに五十両ずつたたきつける甚兵衛さん。おかみさんは仰天し危うく気絶しそうになった。
これで味をしめた甚兵衛さんが、次は半鐘を仕入れようとおかみさんに言うと
「半鐘? いけないよ。おジャンになるから」