仲本工事
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仲本 工事(なかもと こうじ、1941年7月5日 - )は、日本のコメディアン・歌手・俳優で、「ザ・ドリフターズ」、「こぶ茶バンド」の一員である。本名、仲本 興喜(なかもと こうき)。
バンドでの担当は、ボーカルとギター。血液型はA型。家系は沖縄の出。東京都出身。
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[編集] 来歴
- 東京都立青山高等学校、学習院大学政治経済学部卒。居作昌果の著書「8時だョ!全員集合伝説」には高木ブーの学生時代のバンド仲間と書かれているが、2人の年齢差を考えると高木が学生の頃からバンド仲間だったとは考えづらい。尚、ドリフに入る前にクレイジーウエストと言うバンドに加藤英文(後の加藤茶)と同時期に参加していた事がある。
- 東京商工会議所への就職が内定していたが、1964年に高木の誘いでドリフに参加。当初両親が芸能界入りに反対したため、高木と加藤が連日仲本の自宅に通い、説得したという。
- 芸名の由来は以下に記す二説があり、どちらが正しいかは不明。
- 高木の証言では、ドリフのメンバーになった直後、当時所属していた事務所の先輩のハナ肇に、「それにしてもお前は、いつも体が(怪我する事が多かったので)工事中だな。よし、お前は芸名を仲本工事にしなさい。」と言われ、そうなったと言う。
- いかりや長介と加藤の説によれば、仲本が本名の「こうき」でなく、「こうじ」と呼ばせていた所、ハナに「こうじはそのままでよい、その代わり道路工事の工事としなさい」と呼ばれ「工事」と言う芸名になったそうである。ちなみに加藤は、ハナが「飯を食っていくんであれば水に関係した名前のほうが良いだろう。工事現場の工事にしろ」と言い、「工事現場で水、使いますかね」と返した所、ハナは「セメント固めるときに水使うだろう」と答えたのだと、「いつみても波瀾万丈」(日本テレビ)で言っている。
- 1966年、ビートルズの前座で「ロング・トール・サリー」(邦題:のっぽのサリー)のボーカルを取ったのも彼である。
- 1981年には、志村けんと共にノミ屋から馬券を購入(いわゆるノミ行為)していたのが露見し、摘発された事がある。志村に比べて賭け金が大きかった事から、「8時だョ!全員集合」のプロデューサーだった居作昌果共々競馬法違反で略式起訴され罰金刑を受け、芸能活動を1ヶ月半謹慎していた。当時の新聞の社会面やトップを飾り、見出しは『ノミ馬券だョ!全員集合』であった。ちなみにこの事件以降暫く「全員集合」などの出演を見合わせ、当時ドリフターズ全員で出演していた永谷園のふりかけのCMも、志村・仲本を除く3人のみが出演しているバージョンに改められた。この話には裏があり、実はいかりやも「志村、俺もノった!」とノミ行為をしていたが、実際捕まったのは仲本・志村の2人である(ビートたけしのオールナイトニッポンより)。
- ドラマや舞台にも出演している。
- 1997年4月8日から6月17日 三谷幸喜脚本の「総理と呼ばないで」で官房事務副長官の役を演じる
- 六本木のライブハウス「ボニーラ」にてソロでライブ活動も行っている
- 2002年 SMAPの稲垣吾郎とANA全日空のテレビCM、超割「神様編」で共演
- 2003年 6月下旬 明治乳業「VAAM」のテレビCMで高橋尚子、高木ブーと共演
- 学習院大学の後輩、サザンハリケーンのCDのジャケットに出演
- 渋谷・センター街で「仲本工事の店 居酒屋 名なし」を経営していたが、2004年で店を畳んでしまった。
- 2006年6月上旬、1991年に結婚した妻と2004年に離婚していたことを事務所を通じて発表 また、前妻とは1982年に死別している。
- RAG FAIRのアルバム「オクリモノ」のテレビCMに出演
[編集] エピソード
- 中学校の担任の先生が体操の先生であったため、体操をはじめる。中学時代、渋谷区の大会で団体優勝。高校1年のとき、東京都の新人戦で個人総合4位。
- 学生時代は体操選手として活躍し、ドリフのメンバーとなった後も8時だョ!全員集合の体操コーナー等ドリフのコントの中で、得意の体操を披露していた。森末慎二や池谷幸雄はテレビで仲本の体操を見て体操を始めたらしい。
- 学習院大学は両親に内緒で受験。
- ドリフの中ではいかりや、志村、加藤と比べて、一見地味な印象が強いが、仲本とリーダーであるいかりやとの「バカ兄弟」のコントや、サイレントムービーのパロディは仲本のみならず、ドリフのコントの中でも傑作であると言える。また、体を張ったズッコケなどのリアクション芸は定評がある。
- 私生活では本物の眼鏡をかけているらしいが、コント等のステージでかけている眼鏡はレンズの入っていないダテ眼鏡である。しかし実際は現在メンバーの中で最も視力が良い(若いころは両眼とも視力2.0を誇っていたという)。
- コントでは、「要領のいい、リーダーに媚を売る役」、「内心、何を考えているのか分からない役柄」を演じる事が多く、床運動(マット体操)での軽快な身のこなしで有名であった。
- いかりやの著書によれば、実はネタ作りやコントのギャグの才能もあったが、やる気のなさから埋もれていたと言う。加藤が交通事故を起こし全員集合を謹慎した時、見事加藤の代役を務めた。
- 弟子に演歌歌手の三代純歌がいる。2006年6月17日発売の三代純歌が歌う「恋い待ちつぼみ」では作詞と編曲を担当。また、カップリング曲「真夜中のギター」では三代とデュエットする。
- 高橋英樹は仲本が歌う「いとしのエリー」を聞いて、感動した。
- 2006年7月13日、高知県内のパチンコ店で財布を盗まれたと思い被害届を提出。その後、財布を拾った男性が高知南警察署に届け、同日手元に戻った。
[編集] ギャグ
- コ・マ・オ・ク・リ・モ・デ・キ・マ・ス・ヨ (松下電器のビデオデッキ「マックロード」のCM)
- じゃんけん決闘(志村とのペア)
- バカ兄弟(いかりやとのペア)
- 「加藤(仲本)さん、○○されましたなぁ」「いや~、参った参った!」(加藤とのペア。後ろを向きながら自分の後頭部を軽く叩く。初期はこの後に荒井注が「私も○○されましたなぁ、いや~、参った参った」と言おうとしていかりやに「おまえはいい!」と突っ込まれるパターンがウケた)
- かわいい女性アイドルの腕を突然なめる
- 「二度としません。三度します。」
[編集] 出演
ドリフとしての出演は、「ザ・ドリフターズ」を参照の事。
- 水戸黄門第19部(左甚五郎役)翌年の1991年には高木ブーもゲスト出演している。
- こぶ茶倶楽部
- 総理と呼ばないで
- ラブ&ファイト
- 太陽と雪のかけら
- 金曜ナイトドラマアンナさんのおまめ第5話(2006年、テレビ朝日) 坂上次郎役
[編集] 関係者
ザ・ドリフターズ | |
現メンバー: | 加藤茶・高木ブー・仲本工事・志村けん |
元・新生ドリフメンバー: | いかりや長介・荒井注・すわ親治 |
所属レコード会社: | 東芝EMI |
所属事務所: | イザワオフィス・渡辺プロダクション |
渡辺プロダクション3大タレント | |
ハナ肇とクレージーキャッツ: | ハナ肇・植木等・谷啓・犬塚弘・安田伸・石橋エータロー・桜井センリ |
ザ・ドリフターズ: | いかりや長介・高木ブー・仲本工事・加藤茶・志村けん・荒井注 |
ザ・ピーナッツ: | 伊藤エミ・伊藤ユミ |