マグネシウム
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一般特性 | |||||||||||||||||||||||||
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名称, 記号, 番号 | マグネシウム, Mg, 12 | ||||||||||||||||||||||||
分類 | アルカリ土類金属 | ||||||||||||||||||||||||
族, 周期, ブロック | 2 (IIA), 3, s | ||||||||||||||||||||||||
密度, 硬度 | 1738 kg/m3, 2.5 | ||||||||||||||||||||||||
色 | 銀白色 |
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原子特性 | |||||||||||||||||||||||||
原子量 | 24.305 u | ||||||||||||||||||||||||
原子半径 (計測値) | 150 pm (145 pm) | ||||||||||||||||||||||||
共有結合半径 | 130 pm | ||||||||||||||||||||||||
VDW半径 | 173 pm | ||||||||||||||||||||||||
電子配置 | [Ne]3s2 | ||||||||||||||||||||||||
電子殻 | 2, 8, 2 | ||||||||||||||||||||||||
酸化数(酸化物) | 2 (強塩基性) | ||||||||||||||||||||||||
結晶構造 | 六方最密充填構造 | ||||||||||||||||||||||||
物理特性 | |||||||||||||||||||||||||
相 | 固体 (常磁性体) | ||||||||||||||||||||||||
融点 | 923 K (650 ℃) | ||||||||||||||||||||||||
沸点 | 1363 K (1090 ℃) | ||||||||||||||||||||||||
モル体積 | 14.00 ×10-3 m3/mol | ||||||||||||||||||||||||
気化熱 | 127.4 kJ/mol | ||||||||||||||||||||||||
融解熱 | 8.954 kJ/mol | ||||||||||||||||||||||||
蒸気圧 | 361 (923 K) | ||||||||||||||||||||||||
音の伝わる速さ | 4602 m/s (293.15 K) | ||||||||||||||||||||||||
その他 | |||||||||||||||||||||||||
クラーク数 | 1.93 % | ||||||||||||||||||||||||
電気陰性度 | 1.31 (ポーリング) | ||||||||||||||||||||||||
比熱容量 | 1020 J/(kg*K) | ||||||||||||||||||||||||
導電率 | 22.6 106/m Ω | ||||||||||||||||||||||||
熱伝導率 | 156 W/(m*K) | ||||||||||||||||||||||||
第1イオン化エネルギー | 737.7 kJ/mol | ||||||||||||||||||||||||
第2イオン化エネルギー | 1450.7 kJ/mol | ||||||||||||||||||||||||
第3イオン化エネルギー | 7732.7 kJ/mol | ||||||||||||||||||||||||
(比較的)安定同位体 | |||||||||||||||||||||||||
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注記がない限り国際単位系使用及び標準状態下。 |
マグネシウム(Magnesium、稀にマグネシュームと書かれている場合あり。英語読みはマグニージウム、マグニージュウム):原子番号12の元素。元素記号はMg。
目次 |
[編集] 歴史
1808年、ハンフリー・デービーにより発見される。
[編集] 性質
アルカリ土類金属の一つ(現在は、狭義の意味ではアルカリ土類金属に含めない)。 比重は1.74、融点は650℃、沸点は1107℃(沸点は異なる実験値あり)。主に海水中に溶けている塩化マグネシウムを取り出し、それを溶融塩電解することによって得られる。
純粋なマグネシウムは酸化され易い。非常に軽い軽合金の材料として重要である。苦土(くど)ともいう。 また、還元作用がある。 燃焼熱は602kJ/mol
[編集] 反応式
- 水の還元
[編集] 用途
マグネシウムはさまざまな合金の第一金属(合金の基本となる金属)としてや、その他の合金に付加されるなど、合金としての用途が大きい。また脱酸素剤や脱硫剤として重要な役割を持つほか、たくさんの化合物の合成にかかわる物質として非常に重要である。激しく光を出して酸化する性質から、また、酸化しやすく強い光を出す特徴を活かし、かつては酸化剤と混合した物をカメラのフラッシュの発光材(フラッシュパウダー、閃光粉)として利用されていた。光量の調節も難しく発光時大量の煙を発生させ、シャッターとの同調も手作業であるため、閃光電球やストロボの普及に伴い、フラッシュとしては全く使われなくなった。 水にぬれていても発火できるため、最近ではキャンプ用の発火用具にも使われている。
[編集] 合金として
マグネシウム合金の最も重要な特徴は軽量であるところにある。工業的に使用されている金属の中では最も軽い金属である。マグネシウム合金の用途として、航空機・自動車・農業機械・コンテナ・工具・精密機械・トランクボックス・スポーツ用具・パーソナルコンピュータ・医療機器・宇宙船あるいは兵器など、多種にわたる分野で鉄などの、これまでの金属部品の代わりとして利用されている。マグネシウム合金の軽量性のため、これまでの重量による事故や損失や損害の減少や、軽量化による使用や加工の簡便さや安全性の向上などが可能となった。プラスチックと比べてリサイクルしやすいのも利点である。これはアルミニウム合金とも共通する事柄であるため、マグネシウム合金とアルミニウム合金とでは、コストや研究の面である種の競合が起こっている。昔は腐食などの問題があったが最近はその問題も解決され用途が広がった。
近年は、携帯電話の筐体などがダイカスト製法で作られ始めた。他にチクソモールディングなど射出成形機が開発されつつあり、コストが安くなればプラスチックに変わる可能性もある。
旋盤加工時等のマグネシウム合金の切屑は引火すると高温で燃え、燃焼時に水を掛けると爆発の虞があり、一般的な消火器では消火できない。切粉はまめに清掃し不燃質の密閉できる容器に収め、消火用の乾燥砂(簡易消火用具参照)を準備する等、細心の注意を払う必要がある。
その他に、マグネシウムはその他の合金の添加元素として少量付加するだけであっても、その合金としての性質を大きく左右する働きを持つ。この性質から、これまでの合金の硬度、強度、耐食性、耐熱性、その他機械的性質を向上させるための研究が活発に行われている。
[編集] 生態系
マグネシウムは植物の光合成色素であるクロロフィルの構成成分であるため、マグネシウムの欠乏は、植物の生育の減退、収穫量の減量につながる。これは砂地で生育する植物に特に現れる。カリウムが豊富に含まれる土壌でも、植物へのマグネシウムの供給が行われにくくなることもわかっている。このため肥料として、マグネシウム化合物を含んだものが使用されることがある。
人体にとってもリボソームの構造維持やたんぱく質の合成、その他エネルギー代謝に関する生体機能に必須な元素であるためマグネシウムの欠乏は虚血性心疾患などの原因のひとつと考えられている。生体内でマグネシウムは主に骨の表面近くにマグネシウムイオンとして保存され、代謝が不足した場合にはカルシウムイオンと置き換わり、マグネシウムが体内に補充される。マグネシウムの生体内での栄養素や薬理的な働きについては広範にわたって研究が行われているが、いまだその重要な面に関しては不明な点が多い。最近では、ミネラル成分のひとつとしてサプリメントや清涼飲料水などに添加されることが多くなってきている。
マグネシウムは動植物に対して毒性の強い元素でないため、植物肥料として過剰使用を特に警戒する必要はないが、動物が直接食物から摂取する場合には、他の無機物(リンやカルシウム)とのバランスを適切にしなければ、尿路結石などの原因になりうることがわかっている。これを受けて、猫用の飼料は、組成中のマグネシウムを減らすように改良されるようになった。
[編集] マグネシウムの化合物
マグネシウムはたくさんの錯体・塩基性塩などの化合物を合成する。これらは主に化学実験において、合成試料や試薬として使われる。
- 塩化マグネシウム(MgCl2)
- 酸化マグネシウム(MgO) - 苦土
- 炭酸マグネシウム(MgCO3)
- 二ホウ化マグネシウム(MgB2)
- マグネシウム合金(軽合金:水より軽いものすらある)
- 硫酸マグネシウム(MgSO4)
- 硫化マグネシウム(MgS)
- 水酸化マグネシウム(Mg[OH]2)
- 窒化マグネシウム(Mg3N2)
- フッ化マグネシウム(MgF2)
- 尖晶石
- 過塩素酸マグネシウム
- 水素化マグネシウム(MgH2)
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