ベニテングタケ
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ベニテングタケ Amanita muscaria |
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分類 | ||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||
Amanita muscaria | ||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||
ベニテングタケ | ||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||
Fly Agaric |
ベニテングタケ(紅天狗茸、学名Amanita muscaria)は、ハラタケ目テングタケ科テングタケ属のキノコ。日本の方言名アシタカベニタケ。主に高原のシラカバやマツ林に生育し、針葉樹と広葉樹の双方に外菌根を形成する菌根菌である。深紅色の傘にはつぼが崩れてできた白色のいぼがある。柄は白色でささくれがあり、つばが付いている。根元は球根状にふくらんでいる。
主な毒成分はイボテン酸、ムッシモール、ムスカリンなどで、食べると下痢や嘔吐、幻覚などをおこす。色が鮮やかなため、猛毒キノコというイメージがあるが、はるかに地味な色彩のドクツルタケやタマゴテングタケなどより毒ははるかに弱い。強いうま味成分(イボテン酸:味の素に使われるグルタミン酸ソーダの約20倍の味の濃さを持つ)を含むこと、少量の摂取なら目だった中毒症状を起こさないことなどから、長野県などでは塩漬けにして食用としているが、微量ながらドクツルタケのような猛毒テングタケ類の主な毒成分であるアマトキシン類を含み、永年食べ続けると肝臓などが侵されるので、安易に真似しないほうがよい。また、新旧両大陸で、このキノコをシャーマンが神がかりになるときの幻覚剤として使う文化がいくつも知られているが、幻覚作用を起こすほど多量に摂取すると、上述のように下痢や嘔吐といった消化管系統の副作用があること(シャーマニズムの儀式に用いる際、この副作用を避けるために浣腸による摂取方法があったことが報告されている)、幻覚性利用の伝統文化には、そのリスクをなるべく少なく留めるための古代以来の深い経験の裏づけに基づいた使用法が蓄積されていることを考えれば、その文化外に位置する素人が安易に幻覚性を試みるために摂取すべきではない。
なお、殺ハエ作用を持つことから東洋西洋を問わずハエ取りに用いられてきた(英名もこれにちなむ)。
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