ファイナルファンタジーX-2
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ファイナルファンタジーX-2 | |
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ジャンル | ロールプレイングゲーム |
対応機種 | プレイステーション2 |
開発元 | スクウェア |
発売元 | スクウェア |
人数 | 1人用 |
メディア | DVD-ROM1枚 |
発売日 | 2003年3月13日(日本国内) |
対象年齢 | CERO:12才以上対象(再販版) |
売上本数 | 約360万本(全世界)、200万本(日本国内)、35万本(I+LM版) |
『ファイナルファンタジーX-2』(-テンツー、FINAL FANTASY X-2)はスクウェアより日本国内では2003年3月13日(北米では2003年11月18日、欧州では2004年2月20日)にプレイステーション2用ソフトとして発売されたロールプレイングゲーム。
目次 |
[編集] 概要
『ファイナルファンタジーX』の続編である。販売本数約200万本。2004年2月19日に、それまでのインターナショナル版とは比べ物にならないほどのイベントの追加が行われた上に、更に本作の後のストーリーであるローグ風のRPGを収録した『ファイナルファンタジーX-2 インターナショナル+ラストミッション』が合併後のスクウェア・エニックスより発売されている。こちらではボイスだけでなく主題歌も英語化されている(日本語字幕付き)。
基本的にXと同等程度のCGであるが、メインのリュック・パイン・ユウナではフェイシャルモーションが更に強化され、通常画面でも従来のムービーシーンに見劣らない滑らかな動きをする。
オリジナル版は株式会社スクウェアとして発売された最後のゲームソフトとなった。ちなみに、本作のULTIMANIAはデジキューブから発売されていたが、同社の破産によりULTIMANIA Ωはスクウェア・エニックスから発売された(2004年4月16日のX-2インターナショナルULTIMANIA発売に合わせ、ULTIMANIAも再販されている)。
主題歌はエイベックス所属の歌手である倖田來未が担当しており、ダンスシーンのモーションアクターも兼任した。また、インターナショナル版の主題歌はJade from sweetboxが担当している。
2005年9月8日、オリジナル版が「アルティメットヒッツ ファイナルファンタジーX-2」として低価格化されて再発売された(定価は税込み2,940円)。また、『FFX』とのセット「FFX/FFX-2 アルティメット ボックス」(税込み5,880円)も発売された。この廉価版はどちらもCEROレーティング12才以上対象。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] システム
[編集] バトルシステム
バトルシステムは『FFX』のCTBではなく、従来のシリーズと同じATB(アクティブ・タイム・バトル)を採用している。(ATB、CTBについてはファイナルファンタジーシリーズ#戦闘を参照)ただし従来のATBとは異なり、魔法・アイテムなどのコマンドはコマンドの選択後、実行までに更にゲージが現れ一定の待機時間を要する。また、待機時間はアイテムは短く、効果の高い魔法ほど長い。
たとえばケアルやポーションなどの回復魔法・アイテムを選択しても、すぐに発動されるわけではなくしばらく待たなければならないため、発動する前に敵に攻撃されて死んでしまうこともある。
また複数のキャラクターが同時に行動するため、過去の作品のATBに比べてリアルタイム性が増した一方、個々の行動が把握しづらい場合がある。
[編集] ドレスアップ
『FFIII』や『FFV』などのジョブシステムに相当するものとして、「ドレスアップ」というシステムが採用された。従来における「ジョブ」は「ドレス」と呼ばれ、過去のファイナルファンタジーシリーズで登場したジョブをモチーフにしたドレスに加え、『FFX-2』独自のものも用意された。従来のジョブシステムと同様に、それぞれのドレスに対応した衣装の変化、コマンドやアビリティの獲得、能力値の変化などが起こる。従来との相違点としては、戦闘中にも職業を変更できることなどが挙げられる。ドレスアップを行うためには、後述の「ドレスフィア」と「リザルトプレート」が必要となる。またこのドレスアップの導入により、武器・防具の装備という概念はなくなった。ただし、特殊効果を付加する目的のアクセサリー装備は存在する。
- ドレスフィア
- 「ドレスフィア」は『FFX』から存在する「スフィア」の亜種であり、これによって各ドレスに対応した能力が得られる。初期状態で使用できるアビリティは限られているが、ドレスにはそれぞれ複数の追加アビリティが存在する。各アビリティには習得までのAP(アビリティ・ポイント)が定められており、敵を倒したりコマンドを実行したりする毎に着用中のドレスに対してAPが与えられる。
- ドレスフィアはストーリーの進行に従って自動的に入手したり、アイテムとして拾得する。
- リザルトプレート
- ドレスアップを行うためには、戦闘前に「リザルトプレート」と呼ばれる石版にドレスフィアを装着しておく必要がある。リザルトプレートには2~6個の穴があり、この穴にドレスフィアをはめ込む。そしてこのリザルトプレートを装備し、更にセットされドレスフィアの内の1つを選択することで、各ドレスの能力を得ることができる。またリザルトプレート装備時固有の付加効果も得られる。
- リザルトプレートには穴と穴をつなぐ「ライン」が記されており、戦闘中はこのラインで繋がれた別のドレスに「着がえる」ことができる。更に、リザルトプレートのライン上には最大4色の「ゲート」が存在し、このゲートの存在するライン上を通過することで、その戦闘中に限り、各ゲートに対応する付加効果を得ることができる。複数のゲートを通過することで更に強力な効果を得られるプレートも存在する。
- リザルトプレートは多種存在し、それぞれ固有の名称を持つ。各プレートは穴の数、ラインの形状、ゲートの数のほか、装備時やゲート通過時に得られる付加効果が異なる。また、リザルトプレートは複数のキャラクターで共有して装備することが可能。
- スペシャルドレスフィア
- 3人のプレーヤーキャラクターがそれぞれ固有に持っているドレスフィア。単一バトル内でリザルトプレート上の全てのドレスに着替えると呼び出せる。ユウナは「フロラフルル」、リュックは「マキナマズル」、パインは「斬騎王」。それぞれ本体と2つの付属パーツで構成される。HPが比較的高く特殊攻撃を持ち、過去のシリーズの召喚獣に近い存在。ドレスフィアと同様にAPでアビリティが増える。ただし、発動した場合には一人でしか活動できない。
[編集] 強くてニューゲーム
過去に『クロノ・トリガー』などで用いられた「強くてニューゲーム」がファイナルファンタジーシリーズでは初めて採用された。本作の「強くてニューゲーム」はクリア後のデータの一部を引き継いで新たにゲームを始められるシステムで、レベルや一部のアイテムなどをのぞく多くのアイテムやアビリティなどをあらかじめ所持した状態でストーリーを進めることができる。
[編集] ミニゲーム
ストーリーを進めると、ブリッツボール、スフィアブレイク(コインを使ったボードゲームの一種)、ナギ平原での多数のミニゲーム、ビーカネル砂漠でのアイテム発掘など数々のミニゲームが遊べるが、プレイする為に膨大な距離を移動する必要がある上、どれもすぐクリアさせないためか、難易度が非常に高い。
[編集] 世界の変化
本記事では『ファイナルファンタジーX』から変化した部分について説明する。
2年前ユウナたちが『シン』を倒し、スピラはその恐怖から解放された。エボン教が想定していなかった方法で『シン』が完全に消滅したことから人々の間に寺院に対する不信が芽生え、人々の間で新しい時代を作るエネルギーとなっていた。そんな時、エボンの僧官を自称するトレマが、歴史の真実を発掘することを提唱し、各地にスフィアハンターと呼ばれる人たちが現れるきっかけとなった。トレマが提唱したこの運動を真実運動という。
トレマはこの発言で崩壊寸前であったエボン寺院を再びまとめ、新エボン党として再出発させる。しかし新エボン党創立後程なくして、トレマは真実運動で集めたスフィアを持って行方をくらました。その後党首となった者は強硬路線を貫き、後に穏健派による無血クーデターで議長共々失脚、現在はバラライが議長として党をまとめている。
真実運動によって集められたスフィアは、実際にはトレマの懐に集められていた。これに反感を示し、シンの消滅後程なくして解散していた討伐隊のヌージが新しく青年同盟を結成、新エボン党と対立を深めていく。
人々の心がエボン教から離れ、この間にジョゼの寺院は放棄されていた。そこにアルベド族の中でも機械の改良に積極的な者達が集まり、マキナ派を結成する。彼らはこの闘争に中立であり、両組織に種類を問わず機械を供給している。しかしながら、寺院の迫害が無くなったとはいえ民衆の中には機械に対し反感を持ち続けている者が居るのも事実ではある。中にはマキナ派が扱っている機械を「マキナ」(machina:ラテン語で「機械」)と呼んで、今まで寺院が禁じていた機械とは別だとこじつけている者もいる。
寺院による迫害がなくなったためか、アルベド族の活動も顕著になってきている。旅行公司の経営者であるリンはこの世の中に新しい遊びであるスフィアブレイクを持ち込み、ブリッツボールのオフシーズンに新たな風を吹き込もうとしている。
そして召喚士たちの生活も変わった。以前のように目的の達成=死であり、しかもその途中で死ぬこともあり得るという、いかなる形でも死という結末しかなかった時代は終わり、彼らも召喚士としての自分を過去の物として新たな生活を送っている。その中にはスフィアハンターになった者も少なくない。
シーモアにその大多数を殺されたロンゾ族であったが、わずかな生き残りが今もガガゼト山で暮らしている。キマリが長老として彼らをまとめてはいるが、若者の中にはグアド族への復讐に走る者が多く、キマリの頭を悩ませている。また、ガガゼト山の奥にあった祈り子像が力を失い、山の頂上を覆っていた霧が晴れている。
マカラーニャにあった寺院は、そこにあった祈り子像が力を失ったために水没し、そのため森の様子も一変し森自体が破滅の様相を呈している。そのためか、マカラーニャ湖畔に店を構えていたオオアカ屋は経営の危機に立たされており、アルベド族に追われている。また、森にはかつてシーモアを中心にして行った非礼を詫びる意味で自ら滅びの道を選んだグアド族がひっそりと暮らしている。その関係上、現在グアドサラムの一角にある異界の状態は不安定であり異界参りをすることはできない。
また、シンの消滅により以前に比べて人々が長旅をするのが楽になったこともあり、シンを倒すために訪れる場所として特に重要な位置づけであったザナルカンドやナギ平原は観光地となる。
[編集] 登場人物
[編集] カモメ団(Gullwings)
- ユウナ(Yuna) 声:青木麻由子
- 主人公。あの人(ティーダ)に似ている青年が写っているスフィアの映像の真実を追ってカモメ団に入る。Xではおしとやかな召喚士だったが、現在はとても快活な性格になっている。髪型や言動はティーダからの影響。ユ・リ・パの中では最年長。
- リュック(Rikku) 声:松本まりか
- 誰もが認める、カモメ団のニギヤカ担当。ちなみに、雷嫌いは雷平原でのキャンプで克服した。
- パイン(Paine) 声:豊口めぐみ
- 物静かな女剣士。寡黙で、過去を聞かれることを嫌う。クールなイメージを持つが『尊敬ポイント』などといった行動からおちゃらけた面もある。実はヌージ、バラライ、ギップルとは旧知の仲。
- アニキ(Brother) 声:山口隆行
- リュックの兄でカモメ団団長。Xでは標準語を話す事は出来なかったが、本作では話せるようになった。しかし、興奮すると、アルベド語になってしまう。ユウナが好きでしょうがない。『カモメ団のリーダー』なのだが、世間からはユウナがリーダーだと勘違いされている。
- ダチ(Buddy) 声:多比良健
- アニキの幼なじみ。本名は彼らの間でも謎。移動用の飛空艇操縦担当。一見しっかり者のようだが面倒なことを嫌い、トラブルからは逃れたいと思っている。Xでも飛空艇に乗っていたがそのことはXでは明かされていない。
- シンラ君(Shinra) 声:渡辺明乃
- カモメ団の天才少年。通信スフィアなどを発明した。わからない事を聞かれると「僕まだ子供だし。」といって避ける。語尾は"~だし"。 後に『星の研究』をするためカモメ団を脱退した。彼はその後、異界の奥より画期的なエネルギー源である『魔晄エネルギー』を発見し、ファイナルファンタジーVIIに登場する神羅カンパニーの始祖となる。
- マスター(Master) 声:諏訪部順一
- 飛空艇内にあるバーのマスターを勤めるハイペロ族。時々くるアニキの愚痴を聞いたりしている。ある条件を満たせば「ダーリン」という恋人が登場し、熱愛っぷりをアニキに見せつける。
[編集] 青年同盟(Youth League)
- ヌージ(Nooj) 声:神奈延年
- 青年同盟盟主。パイン、バラライ、ギップルとは旧知の仲。元・討伐隊で、「死にたがり」の二つ名を持つほどの戦士だった。
- ルチル(Lucil) 声:大原さやか
- 青年同盟中隊長。No.2の地位。部下からの信頼は厚い。経営手腕がないヌージに代わり組織の運営全体を取り仕切っている。
- エルマ(Elma) 声:桃森すもも
- 青年同盟の部隊長。ルチルを誰よりも尊敬している。
- クラスコ(Clasko) 声:山口隆行
- 青年同盟に所属するも未だに自分の居場所を求めている気弱な青年。チョコボが大好き。
- ヤイバル(Yaibal) 声:中井将貴
- 青年同盟で小隊長を勤める。早とちりしやすい性格。
- マローダ(Maroda) 声:中井将貴
- 青年同盟に所属する諜報員。かつてイサールのガードをしていた。
- ベクレム(Beclem) 声:咲野俊介
- ビサイドへ派遣され、ビサイド・オーラカのメンバーたちをしごく仮面の男。
- ドナ(Dona) 声:葛城七穂
- かつてのユウナのライバル。現在はキーリカ住民の内、青年同盟側のリーダー。
[編集] 新エボン党(New Yevon Party)
- バラライ(Baralai) 声:蘇武健治
- 新エボン党の現議長。パイン、ヌージ、ギップルとは旧知の仲。文武両道で、得物は長柄の双剣。
- バルテロ(Barthello) 声:石丸純
- かつてドナのガードをしていた男。現在意見の相違からすれ違いの日々を送る。
- トレマ(Trema)
- 初代新エボン党党首。真実運動を提唱するが、それで集めたスフィアを持って姿をくらます。特定の条件を満たすと戦うことが出来る。正体は魔物を自在に操る死人。
[編集] その他の人々
- ギップル(Gippal) 声:鈴村健一
- マキナ派リーダー。パイン、ヌージ、バラライとは旧知の仲。
- シド(Cid) 声:坂口候一
- アルベド族族長。ホーム再建のためザナルカンドで観光業を始める。
- ナーダラ(Nhadala) 声:大原さやか
- ビーカネル島の発掘キャンプのリーダー。
- ベンゾ(Benzo) 声:夏樹リオ
- ビーカネル島の発掘キャンプの中で唯一、サボテンの言葉がわかる少年。
- イサール(Isaaru) 声:陶山章央
- シドの元で観光業の手伝いをする元召喚士。生真面目な性格は相も変わらず。
- パッセ(Pacce) 声:くまいもとこ
- スフィアハンター"こども団"団長。かつて兄イサールのガードをしていた。
- ルブラン(Leblanc) 声:安原聡美
- スフィアハンターの一派"ルブラン一味"の首領。部下からは『ルブラン様』や『お嬢』と呼ばれている。ヌージに惚れ込んでおり、彼のためにスフィアハントをしている。彼女曰く『たまに見せる笑顔がたまらない』とか。意外にも部下からの信頼は厚い。
- ウノー(Uno) 声:古島清孝
- ルブランの部下。性格は豪快であり、間の抜けているところもある。サノーとは古くからコンビを組んでいた。
- サノー(Sano) 声:飛田展男
- ルブランの部下。武士風な話し方をする。ウノーとは異なり理知的で、時折ウノーをたしなめている。でもドジを踏む事も。むっつりスケベ。
- シェリンダ(Shelinda) 声:長沢美樹
- 現在はルカでTVのレポーターをしている。一昔前まで寺院の再建に協力していた。
- ヒクリ 声:夏樹リオ
- チョコボを求めてミヘン街道を走り回る少女。2年前ユウナと会った事がある。急激に身長が伸びている。クラスコと同じチョコボ好きだが、彼ほどではない。
- トーブリ 声:石川英郎
- 幻光河でイベントプロモーターをしているペルペル族。「ういうい」が口癖。
- ワッカ(Wakka) 声:中井和哉
- かつてのユウナのガードの1人。既にルールーと結婚している。少し太った。
- ルールー(Lulu) 声:夏樹リオ
- かつてのユウナのガードの1人。既にワッカと結婚している。現在ワッカとの赤ん坊を妊娠中。
- キマリ=ロンゾ(Kimahri-Ronso) 声:長克巳
- かつてのユウナのガードの1人。現在はロンゾ族の長老を務めている。グアド族に対する復讐を企てる若者達に悩んでいる。
- ガリク=ロンゾ(Garik-Ronso) 声:鉄野正豊
- ロンゾ族の青年。グアド族に反感を持っており、若衆をまとめグアド族に復讐しようと企てている。復讐を認めないキマリとは不仲で、臆病者だとののしっている。
- トワメル=グアド(Tromell-Guado) 声:石野竜三
- かつてのシーモアの従者。シーモアのことで意気消沈しており、種族全体で滅びの路を取ろうとしている。
- シューイン(Shuyin) 声:森田成一
- 1000年前のザナルカンドの青年。恋人であり、召喚士でもあるレンを救うためべベルに眠っていた「ヴェグナガン」を起動させてしまう。実は話のきっかけになっていたスフィアに写っていたのは彼。
- レン(Lenne) 声:倖田來未
- 1000年前のザナルカンドの歌姫。ユウナのドレススフィア歌姫のモデル。
[編集] ストーリー
本作ではストーリーレベルと呼ばれる、ストーリーの進行度を表す段階という物が設定されている。以下、そのレベルごとに主要なミッションを挙げる。
[編集] ストーリーレベル0
本セクションは実際にはストーリーレベル1の部分であるが、強制進行の冒頭ミッションを便宜上レベル0として扱う。
ユウナたちが持っていたリザルトプレートが奪われた。それを取り戻すべくユウナたちはルカにやってきたが、ルカはユウナのコンサートで賑わっていた。リュックとパインは強引にコンサートに乱入する。逃げるユウナを追いかけている内にルブランの部下であるウノーとサノーに包囲されるが、そこに本物のユウナが現れ、ユウナに化けていたルブランも正体を現す。ユウナたちはリザルトプレートを取り戻し、飛空艇に引き上げる。
その後ガガゼト山の頂上にある遺跡でスフィアの反応が出る。ユウナたちは調査のために山に降りるが、そこにルブランたちも来ていた。一戦交えた後煙玉で逃げたルブランたちであったがアクシデント(ルブランたちが逃走した後カウントダウンが行われるが、その制限時間以内に頂上にたどり着けたかどうかで2種類の展開がある)により頂上にあるスフィアはユウナたちの手に渡る。
[編集] ストーリーレベル1
ビサイド島に戻ってきたユウナ。一夜を過ごした後、ワッカが島の洞窟に向かう。彼は幼い頃に亡くした両親の秘密を求めて、亡き弟チャップが隠したスフィアを探していた。しかし洞窟にあったスフィアはワッカが探していた物ではなかった。
今や観光地と化したザナルカンドの遺跡にもスフィアの反応があった。ユウナたちは遺跡の奥からスフィアを手に入れるが、そのスフィアは割れていたのだった。
上記の2つのスフィアを手に入れた後、今度はキーリカ寺院にもスフィア反応が出る。新エボン党と青年同盟の争いの元であったスフィアをカモメ団がかすめ取り、次の段階へ進む。
[編集] ストーリーレベル2
キーリカ寺院でかすめ取ったスフィアには、1000年前に作られた機械兵器ヴェグナガンが写っていた。その危険さを感じ取ったカモメ団は、このスフィアをどちらかの組織に渡すことにする(新エボン党と青年同盟のどちらに渡すかを選択可能で、一部イベントに影響する)。スフィアを渡して戻ると、ザナルカンドで拾ったスフィアの破片が盗まれており、替わりにルブラン一味からのメッセージが入ったスフィアが置かれていた。
ジョゼ街道・ビーカネル砂漠のオアシス・ガガゼト山で一味の戦闘服を手に入れた一行は、グアドサラムにある一味のアジトに潜入する。様々な仕掛けを解除し発見したスフィア(ちなみにザナルカンド遺跡で手に入れたスフィアと、ルブラン達が持っていたスフィアの破片が合わさった物である)には、ヴェグナガンがベベルの地下にあるという事実が写っていた。それを破壊するためにベベルの地下に潜入するが、奥でユウナたちが見つけたのは、かつて共に戦った召喚獣の1人バハムートであった……。なぜ消滅したはずの召喚獣が現れたのか?そして何故ユウナたちに襲いかかったのか?謎を残したままLv3に続く。
[編集] ストーリーレベル3
ビサイド・キーリカ・ジョゼの寺院から魔物が出たという情報が飛び込んできた。ジョゼ寺院の魔物はマキナ派が抗戦しているとのことなので、それ以外の2カ所から魔物討伐を始めることにした一行だったが、ビサイド寺院ではヴァルファーレ、キーリカ寺院ではイフリートと、ここでも召喚獣が襲いかかってくる。
両寺院の魔物を制圧すると、ジョゼ寺院で戦っていたギップルが姿を消すという事件が発生する(ちなみに、このときにベベルの地下に行くと密会する3人を見ることができる上、3人の秘密に関わるスフィアも入手可能)。ジョゼ寺院ではマキナと融合したイクシオンと戦うことになるが、倒した後祈り子の間にあいた穴を調べている内にユウナがイクシオンによって穴の中に落とされる(ここでストーリー展開に重要な意味を持つイベントが発生するが、そのためにはグアドサラムでイベントをこなす必要がある)。
[編集] ストーリーレベル4
各地で新エボン党と青年同盟の争いが起きているため、ユウナたちは争いを収めるべく大コンサートを開催することにした。幻光河で借金取りに追われるトーブリを捕まえてコンサートの話を持ちかけ、観客が集まる雷平原の魔物を討伐するのが本段階で行うことである。
[編集] ストーリーレベル5
ユウナのコンサートで両組織の対立は収まり、後はヴェグナガンを破壊するために異界へ乗り込むのみである。異界にはビサイド・キーリカ・ジョゼ・ベベルの寺院にある祈り子の間にあいた穴から突入することが可能(イベントをクリアすることによりナギ平原からも進入可能)。異界に向かう途中でシヴァ・メーガス3姉妹・アニマと戦うことになる。その後異界の深淵にある様々な仕掛けを解除しながら進み、その奥にいるヴェグナガンを破壊する。ヴェグナガンを破壊した後はエンディングとなるが、ストーリーレベル3の最後にある重要なイベントをクリアしていた場合、その後のイベントの展開によってはこの2年間ユウナが抱き続けていた憂鬱が解消されるエンディングとなる。コンプリート率が100%になっている場合はさらに映像が追加される。
[編集] [レンとシューインの物語]
1000年前、機械仕掛けの夢のような町―ザナルカンド―と破壊専用の機械を大量に所持する都市―ベベル―の間に戦争がおきる(機械戦争)。ベベルは機械を破壊能力の高い機械を大量に用いたのに対し、ザナルカンドは召喚士しか対抗策がなかった。そのため機械戦争はベベルが圧倒的に有利でザナルカンドは破滅寸前だった。ザナルカンドの召喚士は機械戦争に召集され、次々と死んでいく。ザナルカンドの有名な歌姫―レン―も優秀な召喚士であったためついに戦争に招集がかかったが彼女の恋人―シューイン―はレンが戦争に行ってしまうことを断固阻止すべく、ベベル最強の機械兵器―ヴェグナガン―を乗っ取り、この機械戦争に終止符を打とうとしていた。一度は乗っ取りに失敗したシューインはレンを守るためもう一度ヴェグナガンを乗っ取ろうとする。ヴェグナガンの操縦席でクラヴィツィンを弾くシューイン。それに応えヴェグナガンも次第に起動し始める。巨大な砲塔が姿を現し、乗っ取り成功と思われたそのときだった。
「やめて!!」響き渡る声。シューインはヴェグナガンの操縦席から思わず振り向いた先には、レンが両手を広げ叫んでいた。レンのもとに走りより、硬く抱擁したそのとき、待っていたかのようにスポットライトがふたりを照らした。同時に駆け寄るベベルの兵士たち。銃口が一斉にふたりに向けられたとき、レンとシューインは互いを見つめあい、レンがシューインに最後の言葉を言おうとしたそのとき、銃が一斉に火を噴きふたりを貫いた。レンは最後の力を振り絞って言葉を言おうとするが、声が出ない。結局レンの言葉はシューインに伝わることなく「歌姫」のドレスフィアに宿る―
[編集] LAST MISSION
インターナショナル版に追加されたFFXシリーズの最終作となる物語。なお、声は英語ではなく日本語が採用された。『FFX-2』の本編とはシステムが異なり、ダンジョン型RPGになっている。
- ヴェグナガンを倒した直後にユウナ、パインはカモメ団を脱退。ユウナはビサイドで平穏な日々を過ごし、リュックはスピラ各地に飛び回り、パインは一人世界を旅していた。それから3ヵ月後、3人のもとに差出人不明の手紙が届く。
「ヤドノキへ向かえ。 自分たちの力で最上階へ行けば何かが見えるだろう…」
手紙の指示通りユウナ・リュック・パインはヤドノキの塔へ向かう。 手紙を出したのは誰なのか?そして最後に3人が見るものとは…。
[編集] その他
- 音楽は松枝賀子と江口貴勅が担当。オリジナル版と異なり、植松伸夫は参加していないが、プレイステーション2内蔵のPCM音源を駆使したサウンド構築技術は音源チップ技術愛好家からはPS2随一、最高峰との高い評価を得た。
- テーマソングは倖田來未の「real Emotion/1000の言葉」。共にOPテーマ・EDテーマに起用。この曲で倖田來未はブレイクし今日のようなトップアーティストになった、まさに転機ともいえる楽曲となった。海外版では日本でも人気のあるアメリカのブログレバンドJADEfromSWEETBOXが担当、本場だけあって英歌詞の歌唱力はシリーズで一番高い。(倖田の英歌詞版も存在し、前作同様に海外版に採用されるかと思われたが未使用)
- 本作はFFシリーズの中で初めてバッドエンドといえるシーンが用意された作品である。
- キャラクターの露出度の高いコスチュームやセリフの喋り方、ドレスの切り替え時に発生するドレスチェンジのシーン(?)などから「ギャルゲーのようだ」と言う批評もある。
- 「強くてニューゲーム」の導入やプレーヤーの自由度の高さ、やりこみ要素(ミニゲームなど)の多さなど、評価すべき点も多い。ちなみにこの作品単独でも楽しめるところはあるが、前作(X)の世界観を完全に引き継いだ作品なのでやはり事前に前作をプレイしたほうが一層楽しめる。一方、前作(X)のファンなどから、BGMの曲調に関して前回のような繊細で悲しみを含んだものがなく間抜けで幻滅した、通常製品版ではキューソネコカミというアイテムがゲームバランスを崩している、何のためにティーダが消えたのかわからないなどと厳しい評価をされることもある。
[編集] 主なスタッフ
- 坂口博信 エグゼクティブプロデューサー
- 北瀬佳範 プロデューサー
- 鳥山求 ディレクター
- 松枝賀子 音楽
- 江口貴勅 音楽
- 野村哲也 キャラクターデザイン
- 野島一成 シナリオ
- 渡辺大祐 シナリオ
- 天野喜孝 イメージイラスト
- 高井慎太郎 アートディレクター
[編集] 参考文献
『X-2 ULTIMANIA』については前者がデジキューブが発売された時の物、後者がスクウェア・エニックスから再販された時の物。
- FINAL FANTASY X-2 ULTIMANIA(ISBN 4-88787-126-0、ISBN 4-7575-1205-8)
- FINAL FANTASY X-2 ULTIMANIA Ω(ISBN 4-7575-1161-2)
- FINAL FANTASY X-2 INTERNATIONAL+LAST MISSION ULTIMANIA(ISBN 4-7575-1163-9)
[編集] 関連項目