ハモ
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ハモ | ||||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||
Muraenesox cinereus (Forsskål,1775) | ||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||
Pike conger, Pike eel |
ハモ(鱧)Muraenesox cinereus は、ウナギ目・ハモ科に分類される魚の一種。沿岸部に生息する大型肉食魚で、日本では高級食材として扱われる。なお、利用の際は近縁種のスズハモ M. bagio (Hamilton,1822)と特に区別しない。
目次 |
[編集] 特徴
全長1mほどのものが多いが、最大2.2mに達する。体は他のウナギ目魚類同様に細長い円筒形で、体色は茶褐色で腹部は白く、体表に鱗がない。体側には側線がよく発達し、肛門は体の中央付近にある。ウナギ目の中では各ひれがよく発達していて、背びれは鰓蓋の直後、尻びれは体の中央付近から始まって尾びれと連続する。胸びれも比較的大きい。
口は目の後ろまで裂け、吻部が長く発達し、鼻先がわずかに湾曲する。顎には犬歯のような鋭い歯が並び、さらにその内側にも細かい歯が並ぶ。漁獲した際には大きな口と鋭い歯で咬みついてくるので、生体の取り扱いには充分な注意が必要である。ハモという和名も、よく咬みつくことから「食む」(はむ)が変化した呼称といわれる。
西太平洋とインド洋の熱帯・温帯域に広く分布し、日本でも本州中部以南で見られる。
水深100mまでの沿岸域に生息し、昼は砂や岩の隙間に潜って休み、夜に海底近くを泳ぎ回って獲物を探す。食性は肉食性で小魚、甲殻類、頭足類などを捕食する。
産卵期は夏で、浮遊卵を産卵するが、ウナギのような大規模な回遊はせず、沿岸域に留まったまま繁殖行動を行う。レプトケファルスは秋にみられ、シラス漁などで混獲されることがある。
[編集] 利用
おもに底引き網と延縄で漁獲される。釣りで揚がることもあるが、咬みつかれる危険がある上に調理に技能が必要(後述)なため、ハモを狙って釣る人は少ない。
日本ではハモは高級食材として扱われ、特に京料理では夏の味覚の代表的なものとして珍重される。これは輸送技術が発達していなかった頃、夏に京都まで生きたまま輸送できた数少ない魚だったことによる。よくうなぎの蒲焼と対比される。需要があるため、日本産だけでなく韓国や中国などからの輸入も行われている。
ハモは小骨が多く、食べるには「骨切り」という下処理が必要となる。これは開いたハモの身に「一寸(約3cm)につき26筋」といわれる細かい切りこみを入れて小骨を切断し、しかも皮を切らないという技法で、熟練が必要である。
骨切りを施したハモを熱湯に通すと反り返って白い花のように開く。これを湯引き鱧または牡丹鱧といい、そのまま梅肉を添えて食べるほか、吸い物、土瓶蒸し、寿司、天ぷら、蒲焼などさまざまな料理に用いられる。生きたハモを捌かないと湯引きがきれいに開かない。
[編集] 陸揚げ漁港
- 2002年度
[編集] ハモに関する言葉
- 鱧も一期、海老も一期(ハゼは飛んでも一代、鰻はぬたっても一代)
- 麦藁蛸に祭り鱧
- 京都の鱧は山で獲れる
[編集] ハモに関する行事
[編集] 別名
ハム(広島県)、スズ(徳島県)、バッタモ(京都府丹後地方)、ウニハモ(福井県)など
[編集] 近縁種
ハモ科(Muraenesocidae)の魚は全世界の熱帯・温帯から5属・8種ほどが知られる。ウナギ目魚類の中では比較的吻が長いことやひれが発達することなどが特徴である。
- スズハモ Muraenesox bagio (Hamilton,1822)
- 全長は最大2mほど。肛門より前の側線孔数(ハモ40-47、スズハモ33-39)、歯並びなどで区別するが、外見・分布・生態などはハモとほとんど同じで、市場でもハモとは区別せずに扱う。
- ハシナガハモ Oxyconger leptognathus (Bleeker, 1858)
- ハシナガアナゴという別名もある。全長60cmほど。ハモよりも細身で、和名通り吻が前方に尖る。紀伊半島以南からオーストラリア西部までの西太平洋に分布し、水深100mまでの海底に生息するが、生態の研究は進んでいない。
- ワタクズハモ Gavialiceps taiwanensis (Chen et Weng,1967)
- 全長75cmほどで、ハモよりも細身。沖縄諸島から台湾までの海域に分布し、水深600m–750mほどの深海に生息する。