ハスキーボイス
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ハスキーボイス(husky voice)とは、しゃがれ声、かすれた声の事。
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[編集] 概要
- ときにノイジーでかつ、倍音が多いうえにやや不規則に生じる声である。同じような声でも、声帯以外の器官で雑音が生じる場合や雑音と声自体が分離しているように聞こえる場合などハスキーボイスとは区別されることもある(デスボイス,エッジボイスなど)。
- 特定の音域だけ急に「ハスキーに」なってしまうような場合はハスキーボイスとは呼ばれないことが多い。
- 殆どは生天的なものではない。これは、生まれたばかりの赤ん坊が皆同じような声で鳴くことから明らかである(発声障害の人を除く)。
- 声の音色的な特色は声門閉鎖の具合と呼気の流れ方でおおかた決まる。ハスキーな声となり易いのは声門閉鎖が全域に渡って均一で弱く、呼気が多いときである。さらにいえば、ある程度の声帯伸展があるほうがハスキーになりやすい。これらの条件を満たすときは声帯の表面が細かく振動しやすく、開閉が不規則になり、前述の声質が現れる。感覚的には、高めの音域で喉を「軽く」使い息を流す発声である。(必然的に、ハスキーボイスは高い声を出す人に多い。低音域はもともと倍音が多いのでハスキーボイスの区分は現れにくいが、エッジサウンド(エッジボイス、シュトローバス)の混じった声などがハスキーといわれたりもする。)
- クラシックの発声のように息を引いて大音量を出す場合はハスキーボイスにはならない。ポップスやロックでハスキーな声が多用されるのは、マイクをつかって音量を増幅するから可能になることである。
- 日本人にハスキーな声が少ないのは主に言語的な発声の習慣による。日本人は声門閉鎖に頼って最小限の息でしゃべる人が多く閉鎖にも偏りがあるといわれる(つまり閉鎖が不均一なうえ強く、息が少ない→ハスキーにはなりにくい)。これは母音主体の言語であることに加え喉をあまり開けないこと、構音が浅いことなども影響し合ってている。結果として出る声は小奇麗ではあるが「甲高い」などともいわれるものである。対してアメリカ人のようにとにかく子音だけ重視してしゃべっていると、自然に、息が流れた閉鎖の弱い声となる。英語やロシア語のように子音主体の言語圏はハスキーな声が多いようである。
- 習慣的に自然にハスキーボイスになる人もいるが、何らかの特別な原因でハスキーボイスになる人もいる。
- その1つに叫び続ける事がある。原因として考えられるのは、まず喉頭炎である。声帯振動部の機械的な負担が蓄積し、声門周辺の粘膜に炎症が起きる。がらがらとした声になり、喉が乾き、ヒリヒリと痛み、せきも出る。喉頭炎自体はウイルスが原因のことが多く、風邪で声がかれるのは、この為である。さらに長期間、慢性的に酷使すると声帯結節が出来る事がある。声帯ヒダ両側に粒のような瘤(ポリープ)が出来る事が多い。仕事上どうしても声を頻繁に使う人や、大声でしゃべる子供に現れ易い。ポリープなどがあると声帯の振動、開閉の規則性が損なわれるためノイジーな声になる(声門閉鎖の強い、大きい声のときだけ普通の声に戻る場合が多い)。ポリープ等の異物があるときは、特にファルセットなど声門閉鎖の弱い声をつかいにくくなる(急に声が裏返ったりする)ため歌唱などには全く適さない。基本的に喉を休める事が最大の治療方法である。ポリープは、自分で声帯を見る事は非常に難しいので、違和感を感じたら早めに病院で診察して貰い、手術で取り除く事も可能なので医師への相談を勧める。
- 酒を大量に飲む、煙草を吸うとハスキーになる事がある。だが健康を損ねるので、余りお勧め出来るやり方ではない。
- 「聞き取りにくい」との印象を持つ人もいるが、一般的には「セクシー、かっこいい」などのイメージが多く、フェチの人もいる程。ただしハスキーボイスだからといって、かっこよさや個性を押し出すタイプばかりではなく、ハスキーボイスでひょうきんさや可愛らしさなどのギャップを強調するタレントなどもいる。
[編集] husky の語源
- ハスキーボイスとハスキー犬の“ハスキー”はスペルは同じだが語源は異なる。
- ハスキーボイスのハスキーは、トウモロコシの皮の意味のhuskからきている。そこから、乾いた殻、からからのしゃがれ声のという意味になってハスキーボイスという言葉が出来た。
- 一方、ハスキー犬の方は、エスキモーからきている。エスキモーというのは、もともと雪靴をはいた人のことだったが、それが、“ハスケモウ”や“ウスケマウ”というふうになまり、それを短く縮めて、ハスキーと呼ぶようになった。始めは人のことを言っていたが、後にエスキモー犬の事をさすようになり、ハスキー犬となった。ハスキー犬のハスキーは、英語で、たくましくて、強い、がっしりした、頑丈なという意味。
サエキトモや白石涼子などもハスキーボイスに近い。最近では林原めぐみもハスキーボイスに近いと指摘されている。
[編集] ハスキーボイスな著名人
※50音順に記す
[編集] 歌手
- 大木伸夫(ACIDMAN)
- KONTA(元BARBEE BOYS)
- SION
- ジョン・ボン・ジョヴィ(ボン・ジョヴィ)
- 世良公則(元ツイスト)
- TOSHI(元X JAPAN)
- TERU (GLAY)
- 徳永英明
- 西川貴教(T.M.Revolution)
- 真島昌利(ザ・クロマニヨンズ)
- ミック・ジャガー(ローリング・ストーンズ)
- 森進一
- もんたよしのり
- 山形ユキオ
- ロジャー・テイラー(クイーン)
- ロッド・スチュワート(元ジェフ・ベック)
- 岡平健治(元19、現3B LAB.☆S)
- AI
- アシュリー・シンプソン
- UA
- 宇多田ヒカル
- 欧陽菲菲
- 葛城ユキ
- 加藤ミリヤ
- 杏子
- 桂銀淑
- 倖田來未
- チャン・スー
- 中村あゆみ
- NOKKO
- ひぃたん(ジン)
- 藤圭子
- 松崎麻矢(元Favorite Blue(正式には活動休止中)、現在はmamy dnopとして活動)
- misono(元day after tomorrow(正式には活動休止中))
- メイシー・グレイ
- LUNA
[編集] タレント
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- 神取忍(プロレスラー)
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- 秀島史香(DJ)