トルネコの大冒険
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『トルネコの大冒険』(トルネコのだいぼうけん)は、ドラゴンクエストシリーズの外伝的作品。
ダンジョン探索型RPGのシリーズで、ローグライクゲームである。ドラゴンクエストシリーズ内のサブシリーズ「不思議のダンジョンシリーズ」に含まれる。
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[編集] 概要
本シリーズは、『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』に登場した武器商人「トルネコ」のその後の物語である。敵キャラクターはドラゴンクエストシリーズに登場したモンスターたちであり、同シリーズに登場したアイテムや呪文も登場するなど、同シリーズの世界観を踏襲している。
第1作はチュンソフトから発売された。その後の『トルネコの大冒険2』以降は、『ドラゴンクエストキャラクターズ』という副題が付き、チュンソフトが開発し、ドラゴンクエストシリーズの発売元であるエニックス(合併後はスクウェア・エニックス)が販売を行っている。
2006年現在、日本では『トルネコの大冒険3』までが発売されているが、その後、主人公を『ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君』の「ヤンガス」に変えた『ドラゴンクエスト 少年ヤンガスと不思議のダンジョン』が発売された。『ドラゴンクエスト 少年ヤンガスと不思議のダンジョン』は製作にチュンソフトは関わっていないが、『不思議のダンジョン』の名を冠することは認められている。
なお、月刊少年ギャグ王に、コミカライズ版である『トルネコ一家の冒険記』(脚本:小松崎康弘、作画:村上ゆみ子、監修:堀井雄二)が連載された。
北米では、『トルネコの大冒険2』を英語訳した "Torneko: The Last Hope" のみが発売されている。
[編集] シリーズ作品
- 日本
- 北米
[編集] 登場キャラクター(全作品共通)
- トルネコ
- 本シリーズの主人公で、世界一の武器商人を目指している。『ドラゴンクエストIV』では勇者とともに地獄の帝王と戦った導かれし者のひとりだった。その後は不思議な品を求めてさまざまなダンジョンを旅する。
- ネネ
- しっかり者である、トルネコの妻。トルネコが留守の間は彼女が店を守る。
- ポポロ
- トルネコとネネの息子。幼い頃から父と冒険をする夢を持っている。『トルネコの大冒険3』ではプレイヤーキャラクターとしてデビュー。
[編集] 各作品解説
[編集] トルネコの大冒険~不思議のダンジョン~
トルネコの大冒険~不思議のダンジョン~ | |
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ジャンル | RPG(ローグライクゲーム) |
対応機種 | スーパーファミコン |
開発元 | チュンソフト |
発売元 | チュンソフト |
人数 | 1人 |
メディア | ロムカセット(12Mb) |
発売日 | 1993年9月19日 |
価格 | 9,600円(税抜き) |
1993年度日本ソフトウェア大賞受賞作品。
内容は『ローグ』とほぼ同じといえるが、大きく異なる点は、
- 音響が付加され、グラフィックが強力になっていること
- 何らかの理由で地上に生還した場合、次のダンジョン探索で持ち帰ったアイテムを携行できること
- それまでのダンジョン探索終了時の点数の累積により、ストーリーの進行が見られること
- 不確定名で登場するアイテムの種類の範囲が少ないダンジョンがあること
等が挙げられる。
一方で、持ち帰ったお金の額が「ハイスコア」としてランキング表示される点は従来のロールプレイングゲームとはまったく異なるローグライクゲームの直系ということができる。
これらは『ローグ』のとっつきの悪さを改善したものともいえ、一般的なテレビゲーム機プレイヤーに対してローグライクゲームの門戸を開いた。また、パーソナルコンピュータ用ゲームなどと縁のない家庭用ゲーム機プレイヤーには新しいコンセプトのゲームに見えたこともヒットの要因といえる。
[編集] 各ダンジョン概略
- ちょっと不思議のダンジョン
- 10階までの浅いダンジョン。王様の宝石箱を入手し、無事生還することで「不思議のダンジョン」への挑戦を認められる。(実はクリアできなくても不思議のダンジョンに挑戦することができるようになる。)
- 不思議のダンジョン
- 27階にある「幸せの箱」を入手し、無事生還することが第1目標であるが、幸せの箱を無視して99階まで潜る事もできる。3階以降にモンスターハウスが出現する。「ハラペコの指輪」などマイナスアイテムもごく一部登場する。
- もっと不思議のダンジョン
- 「不思議のダンジョン」クリア後、ある条件を満たすと潜る事ができる、アイテム持込不可能の究極ダンジョン。ほとんどのアイテムが未識別で、「毒草」や「くちなしの巻物」といったマイナスアイテムも多数登場する。そのかわり、「ザキの杖」、「祈りの巻物」、「盗賊の指輪」など強力アイテムも入手可能である。第1目標は30階にある重要アイテムを入手し、無事生還することであるが、無視して99階まで潜る事もできる。
[編集] ドラゴンクエストキャラクターズ トルネコの大冒険2
ドラゴンクエストキャラクターズ トルネコの大冒険2 Torneko: The Last Hope |
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ジャンル | RPG(ローグライクゲーム) |
対応機種 | プレイステーション、ゲームボーイアドバンス |
開発元 | チュンソフト |
発売元 | エニックス |
人数 | 1人 |
メディア | PS:CD-ROM1枚 GBA:64Mbitロムカセット(フラッシュメモリバックアップ) |
発売日 | PS:1999年9月15日 GBA:2001年12月20日 PS:2000年11月16日 |
価格 | PS:6,800円(税抜き) GBA:5,800円(税抜き) |
対象年齢 | PS:ESRB:Teen(13歳以上) |
トルネコが幸せの箱を手に入れてから約半年後、店のまわりのあらゆる場所が「不思議のダンジョン」に変化してしまう。この謎を解き明かすためにトルネコが再び不思議のダンジョンに足を踏み入れていくというストーリー。
話は前作からの純粋な続編であるが、ゲームシステムは前作よりも、1995年発売の『風来のシレン』に限りなく近い。
本作独自のシステムとしては「転職」が挙げられる。不思議のダンジョンクリア後、「戦士」と「魔法使い」になることができる。戦士は「巻物」、「杖」などの魔法系アイテムを使うことができない。一方、魔法使いはHPの回復が遅く、「武器」と「盾」を装備できないが、お腹が減らないという特長がある。
洞窟内のダンジョンに加えて、地上のダンジョンも登場。またアイテムを合成できる「合成屋」や、ダンジョン内の店も登場する。
ゲームボーイアドバンス版は、「分裂の壺」などの強力アイテムが消滅し、難易度バランスが徹底的に見直されているため、単なるリメイクに止まらず、PS版経験者も十分に遊ぶことの出来る秀作となっている。また、他のプレイヤーとのアイテムの交換もできる。
[編集] 主なダンジョン概略
- 迷いの森
- ダンジョン内に数多く存在している店を活用できる。店のアイテムを泥棒することも出来るが、かなりの危険をともなう。
- 剣のダンジョン
- 戦士だけが潜れるダンジョン。武器や盾にいろいろな「技」をセットし、駆使していかなければならない。全35階を攻略するためには、「パンおとし」や「かなしばり」などの強力な技を身につけて臨む必要がある。
- 魔のダンジョン
- 魔法使いだけが潜れるダンジョン。自分のHP(ヒットポイント)を削って魔法を使っていく。全35階を攻略した暁には、強力なアイテムが手に入る。
- 試練の館
- アイテムがほとんど落ちていないかわりに鍛えた武器を持ち込むことができるダンジョン。ここでしかお目にかかることのできないモンスターが多く、危険性が非常に高い。全50階であるが、30階にある伝説のアイテムが第1目標である。
- 井戸のダンジョン
- 入り口の経営者のような人に話しかけることで入れ、レベルを変えられるダンジョン。1階にしかモンスターは出ないが最初から強いモンスターが出現する。クリアすると小さなメダルとGが手に入る。
[編集] ドラゴンクエストキャラクターズ トルネコの大冒険3
ドラゴンクエストキャラクターズ トルネコの大冒険3 | |
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ジャンル | RPG(ローグライクゲーム) |
対応機種 | プレイステーション2、ゲームボーイアドバンス |
開発元 | チュンソフト |
発売元 | PS2:エニックス GBA:スクウェア・エニックス |
人数 | 1人 |
メディア | PS2:CD-ROM1枚 GBA:128Mbitロムカセット(フラッシュメモリバックアップ) |
発売日 | PS2:2002年10月31日 GBA:2004年6月24日 |
価格 | PS2:6,800円(税抜き) GBA:5,980円(税抜き) |
前作から6年半の月日が流れ、トルネコの息子ポポロが12歳となったときの物語。そのポポロに異変が起こり、彼を救うためにトルネコが新たなダンジョンに挑む。
前作までと違い、ダンジョンを出てもレベルが引き継がれるようになった(レベル1から始まるダンジョンもあるが、この場合でもダンジョンに入る前のレベルにもどる)。
フィールドマップが登場し、歩いていると突然現れる「エンカウントダンジョン」もある。途中までのあいだは「イネス」「ロサ」という仲間のどちらかを連れてプレイをする。また、トルネコの他に、ポポロもプレイヤーキャラクターとして活躍する。ポポロは敵モンスターを仲間にする能力を持っている。
通常モードをクリアすると隠しダンジョンが4つ出現するが、4つとも99階まで行かないとクリアにならないため難易度は非常に高く、4つともクリアできないプレイヤーは多い。このダンジョンの攻略に関して未だにインターネット上で議論されている。また、 中古でも高価であることからも人気の高さが窺える。
ゲームボーイアドバンス版では、プレイステーション2版には無かった「エクストラモード」が存在する。
[編集] 漫画作品
- 『トルネコ一家の冒険記』(村上ゆみ子)
- 「月刊少年ギャグ王」(エニックス)に連載。物語は『ドラゴンクエストIV』終了後から『トルネコの大冒険』第1作開始までの間(エンドール出発から不思議のダンジョン発見まで)を扱っている。ただし、エンドールから出発した点以外は『IV』の設定は敢えて意識していない。
- 『トルネコの大冒険2 不思議のダンジョン』(村上ゆみ子)
- ゲーム版『トルネコの大冒険2』を漫画化したもの。
- 『トルネコの大冒険 4コママンガ劇場』(表紙:村上ゆみ子 漫画:栗本和博、池野カエル、魔神ぐり子など)
- 『トルネコの大冒険』を4コマ漫画化したもの。第4巻まで発売。
[編集] 関連項目
- 風来のシレンシリーズ
- ドラゴンクエスト 少年ヤンガスと不思議のダンジョン
- CDシアター ドラゴンクエスト(玄田哲章主演でCDドラマ化)
[編集] 外部リンク
カテゴリ: ドラゴンクエスト | ローグライクゲーム | 1993年のコンピュータゲーム | スピンオフ作品