ジャパンラグビートップリーグ
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ジャパンラグビートップリーグは、秩父宮ラグビー場、近鉄花園ラグビー場など全国各地で行なわれる社会人ラグビーの全国リーグ。以前の各地域リーグと全国社会人ラグビーフットボール大会が発展解消し、2003-2004シーズンから発足した。14チームによる1回戦総当りのリーグ戦、リーグ戦上位4チームによるトーナメントのトップリーグプレーオフ・マイクロソフトカップからなる。
2005-2006シーズンまでは、トップリーグとマイクロソフトカップは別個の大会であったが、2006-2007シーズンからは、トップリーグのプレーオフとしてマイクロソフトカップを開催することとなり、これまでのトップリーグ、マイクロソフトカップ、日本選手権の3冠から、マイクロソフトカップ、日本選手権の2冠となる。
ジャパンラグビートップリーグはあくまでも日本の社会人ラグビーの最高峰リーグであり、プロリーグではない。プロ契約選手は極めて少数で、会社員選手が大半である。ラグビー・ワールドカップ日本大会誘致があってか、プロリーグに発展することも考えられている。
目次 |
[編集] トップリーグ発足
ジャパンラグビートップリーグは、全国の社会人チームの強豪が一同に会し、ハイレベルな試合を増やし、日本ラグビーの活性化につなげる事を目的として発足されたものである。
2002年5月に日本ラグビーフットボール協会より発表された。
初年度参加チームは、
- 2002年度東日本・関西・西日本の各地域リーグ1位
- 「第55回全国社会人大会」予選プール上位2チーム
- 上記1・2で選出されたチーム数により下記の方法で決定。
- 上記での選出チームが8チームの場合、残り4チームは第55回全国社会人大会予選プール3位チームとする。
- 上記での選出チームが9~11チームの場合、残りの1~3チームは第55回全国社会人大会予選プール3位チーム間の総当たり戦で出場決定戦を行う。
によって決定された。
1.よりサントリー・ヤマハ発動機・サニックスの3チーム、2.より三洋電機・近鉄・NEC・リコー・東芝府中・神戸製鋼が参戦を決めた。3.については1.のチームがすべて3位以内だったため、サニックスを除く3位であるクボタ・ワールド・セコムの3チームが残りの枠に入った。
そして2003年9月13日、国立競技場におけるサントリーvs神戸製鋼でトップリーグ開幕。
[編集] トップリーグ主な役員
役職 | 名前 | その他の役職 |
---|---|---|
チェアマン | 真下 昇 | 日本ラグビーフットボール協会副会長兼専務理事 ラグビーW杯招致実行委員会委員長 |
コミッショナー | 水谷 眞 | 日本ラグビーフットボール協会理事 元リコー総監督 |
[編集] トップリーグの勝ち点
トップリーグでは勝ち点制度が採用されている。
- 勝利チーム - 4点
- 引き分け - 2点
- 負けチーム - 0点
ボーナスポイント
- 7点差以内で敗れた場合 - 1点
- 勝敗に関らず4トライ以上を挙げた場合 - 1点
例
- 勝利チームが4トライ以上挙げた場合 - 5点
- 負けチームが7点差以内で4トライ以上挙げた場合 - 2点
[編集] 過去のトップリーグ
- 過去のトップリーグ優勝チーム
回 | 年 | 優勝チーム | MVP |
---|---|---|---|
1 | 2003-2004 | 神戸製鋼コベルコスティーラーズ | 元木由記雄 |
2 | 2004-2005 | 東芝府中ブレイブルーパス | ルアタンギ・バツベイ |
3 | 2005-2006 | 東芝府中ブレイブルーパス | 立川剛士 |
[編集] 各種タイトル
トップリーグ規程の表彰懲罰規則によって各種タイトルが表彰される。
- MVP(優勝チームの最優秀選手.日本協会内に設置する選考委員会にて選出)
- 得点王(トライ・ゴールの総得点が最も多かった選手)
- 最多トライゲッター(トライ数が最も多かった選手)
- ベストキッカー(コンバージョン、ペナルティゴールによる得点が最も多かった選手)
新人王はシーズン(トップリーグ、マイクロソフトカップ)を通じて活躍した新人選手が表彰対象
回 | 年 | 最多トライゲッター | 得点王 | 新人王 | ベストキッカー |
---|---|---|---|---|---|
1 | 2003-2004 | グレン・マーシュ(NEC) | 日原大介(東芝府中) | 菅藤心(サントリー) | 福岡幸治(ワールド) |
2 | 2004-2005 | ルアタンギ・バツベイ(東芝府中) | 廣瀬佳司(トヨタ自動車) | 水野弘貴(トヨタ自動車) | 廣瀬佳司(トヨタ自動車) |
3 | 2005-2006 | ダミアン・マクイナリ(クボタ) セネ・タアラ(セコム) |
廣瀬佳司(トヨタ自動車) | 後藤翔太(神戸製鋼) | 廣瀬佳司(トヨタ自動車) |
- ベストフィフティーン(トップリーグコミッティーが定めた方法により選出)
番号 | ポジション | 2003-2004 | 2004-2005 | 2005-2006 |
---|---|---|---|---|
1 | プロップ | 高橋寛(東芝府中) | 高橋寛(東芝府中) | 高橋寛(東芝府中) |
2 | フッカー | 松尾大樹(東芝府中) | 塚越賢(東芝府中) | 山本貢(三洋電機) |
3 | プロップ | 清水秀司(神戸製鋼) | 山村亮(ヤマハ発動機) | 笠井建志(東芝府中) |
4 | ロック | ジェミー・ワシントン(サントリー) | 大野均(東芝府中) | 浅野良太(NEC) |
5 | ロック | ロイス・ウイリス(神戸製鋼) | ルアタンギ・バツベイ(東芝府中) | 熊谷皇紀(NEC) |
6 | フランカー | 大久保直弥(サントリー) | 渡邉泰憲(東芝府中) | 渡邉泰憲(東芝府中) |
7 | フランカー | グレン・マーシュ(NEC) | グレン・マーシュ(NEC) | グレン・マーシュ(NEC) |
8 | No.8 | 伊藤剛臣(神戸製鋼) | 箕内拓郎(NEC) | 箕内拓郎(NEC) |
9 | スクラムハーフ | 池田渉(三洋電機) | 伊藤護(東芝府中) | 後藤翔太(神戸製鋼) |
10 | スタンドオフ | 今村友基(神戸製鋼) | ヤコ・ファン・デル・ヴェストハイゼン(NEC) | トニー・ブラウン(三洋電機) |
11 | ウィング | ビリモニ・デラサウ(ヤマハ発動機) | 水野弘貴(トヨタ自動車) | 小野澤宏時(サントリー) |
12 | センター | 元木由記雄(神戸製鋼) | 元木由記雄(神戸製鋼) | スコット・マクラウド(東芝府中) |
13 | センター | アラマ・イエレミア(サントリー) | スコット・マクラウド(東芝府中) | 山内智一(三洋電機) |
14 | ウィング | 大畑大介(神戸製鋼) | 窪田幸一郎(NEC) | 大畑大介(神戸製鋼) |
15 | フルバック | 小野澤宏時(サントリー) | 立川剛士(東芝府中) | 立川剛士(東芝府中) |
[編集] マイクロソフトカップ・トップ8トーナメント
2005-2006シーズンまで行われたカップ戦。トップリーグの終了時点での上位8チームによって争われるトーナメント。対戦カードはトップリーグ終了時に組み合わせ抽選会をして決定する。但し1,2位チームは決勝まで直接対決しないよう組み合わせを配慮している。開催時期などから全国社会人ラグビーフットボール大会の後継大会と言える。(大会自体の継続性はない)。MVPは優勝チームから選ばれる。
回 | 年 | 優勝チーム | MVP |
---|---|---|---|
1 | 2003-2004 | NECグリーンロケッツ | 箕内拓郎 |
2 | 2004-2005 | 東芝府中ブレイブルーパス | 立川剛士 |
3 | 2005-2006 | 東芝府中ブレイブルーパス | スコット・マクラウド |
[編集] トップリーグプレーオフ・マイクロソフトカップ
2006-2007シーズンより行われるプレーオフ。トップリーグの終了時点での上位4チームによって争われるトーナメント。対戦カードはトップリーグの1位対4位、2位対3位が1回戦を行い、勝者は決勝に進出する。優勝チームがその年のトップリーグ王者となる。
このプレーオフでは、国内では初めて延長戦が導入される。80分終えた時点で決着が付かない場合、10分ハーフの延長戦を行う。なお、延長戦を終えても同点の場合は、トライ数・ゴール数で決め、それも並んだ場合は準決勝では抽選、決勝戦は両者優勝となる。
[編集] 入れ替え制度(トップリーグ・チャレンジシリーズ)
[編集] 2003~2004、2004~2005シーズン
トップリーグ11位、12位のチームは自動降格となり、翌年は地域リーグへ降格となる。 トップリーグ9位、10位のチームは入替戦に回る。
トップリーグの前身である東日本、関西、西日本(九州)の各地域リーグはそれぞれトップリーグの2部リーグとして機能し、「トップイースト10」「トップウェスト」(8チーム)「トップキュウシュウ」(8チーム)として開催。各リーグの1位チームがトップリーグ自動昇格2つのいすをかけた「1位プレーオフ(トップチャレンジ1)」。3位チームはトップリーグ10位チームとの入替戦。また2位チーム(イーストだけは下記に示す特例あり)による「2位プレーオフ(トップチャレンジ2)」の1位チームはトップリーグ9位のチームと入れ替え戦を行う。
トップイースト10の2位、3位チームは、東北地区を対象とした地域リーグ、「トップノース」(4チームで構成)の優勝チームと代表決定プレーオフを開催する。
イースト10の2位チームはシードされ、イースト10の3位チームとノースの優勝チームがまず1回戦を行い、その勝者とイースト10の2位チームが代表決定戦を行う。その勝利チームがトップイーストの2位扱いで「2位プレーオフ」の出場権を得る。
[編集] 2005~2006シーズン
トップリーグを12チームから14チームに拡大することから入替戦を拡大することになった。
トップチャレンジ1、2は従来通り開催し、トップチャレンジの1位、2位は自動昇格をする。
トップチャレンジ1の3位、トップチャレンジ2の出場チームはトップリーグ9位~12位との入れ替え戦となる。
[編集] 2006~2007シーズン
トップリーグ13位、14位のチームは自動降格となり、翌年は地域リーグへ降格となる。 トップリーグ11位、12位のチームは入替戦に回る。
2005~2006シーズンをもってトップノースとトップイーストとの代表決定プレーオフは廃止された。
トップチャレンジ1、2は従来通り開催し、トップチャレンジの1位、2位を自動昇格とする。
トップチャレンジ1の3位、トップチャレンジ2の1位はトップリーグ11位、12位との入れ替え戦となる。
- トップチャレンジ結果
回 | 年 | 順位 | トップチャレンジ1 | トップチャレンジ2 |
---|---|---|---|---|
1 | 2003-2004 | 1位 | トヨタ自動車(トップウェスト) | 豊田自動織機(トップウェスト) |
2位 | 日本IBMビッグブルー(トップイースト) | 釜石シーウェイブス(トップイースト) | ||
3位 | 九州電力(トップ九州) | コカ・コーラウエストジャパン(トップキュウシュウ) | ||
2 | 2004-2005 | 1位 | 福岡サニックスボムズ(トップキュウシュウ) | ホンダヒート(トップウェスト) |
2位 | セコムラガッツ(トップイースト) | コカ・コーラウエストジャパン(トップキュウシュウ) | ||
3位 | 豊田自動織機(トップウェスト) | 三菱重工相模原(トップイースト) | ||
3 | 2005-2006 | 1位 | コカ・コーラウエストジャパン(トップキュウシュウ) | ホンダヒート(トップウェスト) |
2位 | 日本IBMビッグブルー(トップイースト) | 九州電力(トップキュウシュウ) | ||
3位 | 近鉄ライナーズ(トップウェスト) | NTT東日本(トップイースト) |
- トップリーグ自動入替
回 | 年 | トップリーグ自動降格チーム | トップチャレンジ自動昇格チーム |
---|---|---|---|
1 | 2003-2004 | セコムラガッツ(トップリーグ11位) | トヨタ自動車(トップチャレンジ1・1位) |
福岡サニックスボムズ(トップリーグ12位) | 日本IBMビッグブルー(トップチャレンジ1・2位) | ||
2 | 2004-2005 | 近鉄ライナーズ(トップリーグ11位) | 福岡サニックスボムズ(トップチャレンジ1・1位) |
日本IBMビッグブルー(トップリーグ12位) | セコムラガッツ(トップチャレンジ1・2位) | ||
3 | 2005-2006 | チーム数拡大のため自動降格なし | コカ・コーラウエストジャパン(トップキュウシュウ)(トップチャレンジ1・1位) |
日本IBMビッグブルー(トップイースト)(トップチャレンジ1・2位) |
- トップリーグ入替戦
回 | 年 | トップリーグ下位チーム | トップチャレンジ入替戦出場チーム | |
---|---|---|---|---|
1 | 2003-2004 | リコーブラックラムズ(トップリーグ9位) | 31-13 | 豊田自動織機(トップチャレンジ2・1位) |
近鉄ライナーズ(トップリーグ10位) | 47-24 | 九州電力(トップチャレンジ1・3位) | ||
2 | 2004-2005 | ワールドファイティングブル(トップリーグ9位) | 49-0 | ホンダヒート(トップチャレンジ2・1位) |
リコーブラックラムズ(トップリーグ10位) | 42-7 | 豊田自動織機(トップチャレンジ1・3位) | ||
3 | 2005-2006 | ワールドファイティングブル(トップリーグ9位) | 50-8 | NTT東日本(トップチャレンジ2・3位) |
セコムラガッツ(トップリーグ10位) | 31-20 | 九州電力(トップ九州) (トップチャレンジ2・2位) | ||
リコーブラックラムズ(トップリーグ11位) | 34-20 | ホンダヒート(トップウェスト)(トップチャレンジ2・1位) | ||
福岡サニックスブルース(トップリーグ12位) | 46-20 | 近鉄ライナーズ(トップウェスト)(トップチャレンジ1・3位) |
- ※トヨタ自動車は2004年7月にトヨタ自動車ヴェルブリッツに変更。
- ※福岡サニックスボムズは2005年6月に福岡サニックスブルースに変更。
- ※コカ・コーラウエストジャパンは2006年7月にコカ・コーラウエストレッドスパークスに変更。
[編集] 日本選手権の出場について
日本ラグビーフットボール選手権大会にはトップリーグの優勝から3位までに入ったチームとトップ8トーナメント優勝チーム、及び下部リーグの「トップ・チャレンジ」1位グループリーグで優勝したチームに出場権が与えられる。但し、トップリーグ上位3チームがマイクロソフトカップを制した場合にはトップリーグ4位チームが繰り上げ出場となる。トップリーグとマイクロソフトカップの2冠を達成した場合には、マイクロソフトカップ優勝枠にトップリーグ2位チームが入る。2003-2004年度はトップリーグ上位8チームと入れ替え戦プレーオフにコマを進めた下部リーグの6チームが参加できたが、大会のレギュレーション変更で見直しとなった。
トップチャレンジ1位グループ優勝チームは1回戦から、トップリーグ上位進出チーム(トップリーグ優勝、マイクロソフトカップ優勝以外)は2回戦から、トップリーグ優勝、マイクロソフトカップ優勝チームは準決勝から登場する。ステップラダートーナメントが採用されている。
[編集] 参加チーム(2006-2007シーズンに参加するチーム)
カッコ内はチームの練習拠点のある自治体
- 三洋電機ワイルドナイツ(群馬県太田市)
- セコムラガッツ(埼玉県狭山市)
- NECグリーンロケッツ(千葉県我孫子市)
- 日本IBMビッグブルー(千葉県八千代市)
- クボタスピアーズ(千葉県船橋市)
- リコーブラックラムズ(東京都世田谷区)
- サントリーサンゴリアス(東京都府中市)
- 東芝ブレイブルーパス(東京都府中市)
- ヤマハ発動機ジュビロ(静岡県磐田市)
- トヨタ自動車ヴェルブリッツ(愛知県豊田市)
- 神戸製鋼コベルコスティーラーズ(兵庫県神戸市)
- ワールドファイティングブル(兵庫県神戸市)
- コカ・コーラウエストレッドスパークス(福岡県福岡市)
- 福岡サニックスブルース(福岡県宗像市)
[編集] 過去にトップリーグ参加実績のあるチーム
[編集] 放送について
最近のラグビー人気低迷のあおりで、NHKや民放主要ネットワークは、初年度の開幕戦を除き全国放送を行っていない。ただし、CSスポーツ専門局J SPORTSはこれまで(2005-2006シーズン)注目カードの生中継を中心に中継を行い、マイクロソフトカップは全試合を生中継していた。
2006-2007シーズンはJ SPORTSにて開幕戦および最終戦は全試合、それ以外は毎節2試合以上中継。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
ジャパンラグビートップリーグ |
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三洋電機ワイルドナイツ| セコムラガッツ| NECグリーンロケッツ| 日本IBMビッグブルー |