クマ牧場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
クマ牧場とは、クマを主体とした動物園のことである。北海道登別温泉にあるのぼりべつクマ牧場がさきがけ。その後、全国的に波及した。
目次 |
[編集] クマ牧場が存在する観光地
[編集] 北海道(ヒグマ)
-
- 加森観光が経営。現在の社長の加森公人が若い頃、ヒグマは芸をしないという定説を打ち破り芸を仕込んだことから全国的な知名度を高めた。 のぼりべつクマ牧場 公式HP
- 昭和新山・有珠山山麓-昭和新山熊牧場
- 定山渓温泉・薄別地区(札幌市南区)-定山渓動物園(旧:定山渓くま牧場)
- 現在は廃園となったという未確認情報もあり。
- 温根湯温泉(旧留辺蘂町=現:北見市留辺蘂町)-温根湯熊牧場
- 現在は廃園(1998年頃に廃園になったという)。
- 上川町-北の森ガーデン・熊牧場(大雪山ベアーセンター)
- 新得町・サホロ岳-サホロリゾート内
-
- プラットホームから見下ろす形で放し飼いにされたクマを見学でき、生態研究施設を設置しているスウェーデン・オッシャ市の「オッシャ・ベアパーク」をモデルとした観光クマ施設を2006年中に開園する計画がある。名称は『ベア・マウンテン』の予定。(仮称は『サホロ・クマの森』) ※後項参照
[編集] 本州(主にツキノワグマ)
[編集] 九州
- 熊本県
- 阿蘇市(旧:阿蘇町)-カドリー・ドミニオン(旧:阿蘇くま牧場)
-
- 飼育数は世界最大。
[編集] 飼育上の問題点
1990年代頃から、収容頭数が過密すぎるなどの理由で国内外の動物福祉団体から非難を浴びる。
[編集] JAZAによる改善勧告
2005年12月に社団法人日本動物園水族館協会(JAZA・(社)日動水)が、上記の様に飼育面で非難されていた「のぼりべつクマ牧場」と「カドリー・ドミニオン[1]」の2施設に対し、JAZAの倫理要項[2]に反するとして、飼育頭数の適正化(繁殖を避けさせる)・観客からの餌やり回数を減らすなどの施設改善勧告を発した。
これは予てから欧米諸国から飼育方法(一例としては、観客が餌を購入しクマに餌やりを行う際に、著しく奪い合いをする…即ち飼育されている全てのクマに充分な餌がされていない・過去にクマの大量殺処分を行った事がある等)に批判が上っており、世界動物園水族館協会(World Association Zoo and Aquarium)の会長らが同年に上記2施設の視察を行い、その報告を受けWAZAに加盟しているJAZAが現地の視察を行った上、倫理委員会で決定したものであるが、JAZAが施設改善勧告を発したのは設立以来初めてである。
- 「観客が餌やりを行うとクマがねだる様に立ち上がり観客に近寄ってくる」行動が愛らしく見えて一躍有名となったが、それを見せ物とし、なおかつ観客からの餌代が施設の収入となる所から、WAZAによる視察時に会長が苦言を呈したとされる。また、クマは人を襲う事も周知されており、飼育(給餌)員以外の見知らぬ者(観客)が餌付けすると、そのリスクが高まる事も以前から懸念されている。
[編集] サホロリゾート内の観光クマ施設
一方、のぼりべつクマ牧場を手がける加森観光は、サホロリゾート内の約15ヘクタールの敷地を利用して、新たなクマ牧場『ベア・マウンテン』を2006年春頃に開業する事を計画しており、のぼりべつ―から20頭程度移設するとしている。しかしながら、電流を流すフェンスを設けた上で、野生に近い形で飼育展示する計画であり、観客の安全確保と観客による餌付けの有無と、知床などの野生のクマと比べ、敷地面積に対してクマが過密に飼育される事などに関して、クマ研究者団体「日本クマネットワーク」が2006年1月に総会決議によって加森観光に公開質問状を提出した。
[編集] 外部リンク
- 地球生物会議 ALIVE
カテゴリ: 動物園 | 北海道の建築物・観光名所