キャスリング
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キャスリング (Castling) はチェスのルールの一つ。キングの特殊な移動方法である。日本語では入城とも訳されるがあまり使われない。
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[編集] 概要
以下の条件を満たす場合、キングが横に2マス移動し、同時にその逆隣にルークが移動する特殊な手が指せる。
- キングと移動する側のルークとの間に敵味方問わず他の駒が無い。
- キングと移動する側のルークが共に初期位置から一度も動いていない。
- キングにチェックがかかっていない(ルークは攻撃されていてもよい)。
- キングの現在位置から移動先までの3マスいずれにも相手の駒が利いていない。
キングが h ファイルのルークとキャスリングすることをキングサイドキャスリング、ショートキャスリングと言い、キングが a ファイルのルークとキャスリングすることをクイーンサイドキャスリング、ロングキャスリングと言う。棋譜ではキングサイドキャスリングを 0-0 で、クイーンサイドキャスリングを 0-0-0 で表す。
[編集] 利点
初期位置のキングは左右前方さまざまな方向から攻撃される可能性があるが、盤の端に移動すれば攻撃方向を限定することができ、自分のキングを危険に晒すことなく中央で戦うことができる。またルークを中央に出すと同時に二つのルークをお互いに利かせあうことでルークをより効果的に使うことができる。キャスリングは二つの駒を同時に動かして、これら二つの目的を同時に行うことができる。
[編集] タッチアンドムーブ
現実の駒でチェスを指すときは、キングを移動させた後にルークを動かすことが推奨される。これはキャスリングで移動する駒の主体はあくまでキングであるという発想による。