キダ・タロー
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キダ・タロー(きだ たろー、本名:木田 太良、1930年12月6日-)は、日本の作曲家、タレント、ラジオパーソナリティ。
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[編集] 来歴
兵庫県宝塚市生まれ。昭和プロダクション所属。血液型はB型、星座は射手座、身長168cm、体重85kg、趣味はゴルフ。実業家としても活躍した。タレントの木田美千代は夫人。
関西学院高等部在学中にバンド活動(担当はアコーディオン)をはじめ、プロピアニストに転向後、作曲活動を開始。バンドメンバーには大学時代の同級生でもある藤岡琢也(担当はバイオリン)もいた。高島忠夫も大学時代の同級生。 関西学院大学社会学部を3日で中退。 財団法人箕面市文化振興事業団理事。
多くの(2000曲以上とされる)放送番組のテーマ曲・CM曲・企業社歌を手がけたことから、通称「浪花のモーツァルト」と呼ばれる(後述)。しかし風貌はどうみてもモーツアルトではなく「浪花のJ.S.バッハ」である。特に関西人にとっては耳に残るメロディーであるようで、一時期は大阪製作のテレビ、ラジオ番組のテーマ曲のほとんどをキダ作品が独占するまでになった。
きわめて独特の髪形(「小熊ちゃん」と称されることもあり)をしているものの、パンチョ伊東同様、カツラの装着は疑惑の段階に留まり、断定的には摘示されない。
やしきたかじんと桂ざこばがいつかたかじんの番組の中でジャンケンで負けたほうがキダ本人のカツラを取り上げるか、本人にカツラのことを告白するという約束をしている。(ただ、この件については常に放送上カットとなっているが。)
[編集] 浪花のモーツァルト
「浪花のモーツァルト」と呼ばれるようになった由来に関しては諸説ある。
- 1970年代、キダが次々と曲を書き上げるのを見た朝日放送の某プロデューサーが、自身の好きなモーツァルトになぞらえて名づけた説(キダ自身の談話による。後述の松本修説と同一の可能性もあり)
- キダが顧問をつとめる「探偵!ナイトスクープ」内での嘉門達夫の発言から説
- 「探偵!ナイトスクープ」プロデューサー松本修(「アホ・バカ分布図」で名高い)の発言から説
いずれにせよ、朝日放送が出自であることは間違いない。ただ、本人はナイトスクープで一度「本当は『浪花のショパン』と呼ばれたかった」と語っている。
一説には、「浪速のモーツァルト キダ・タロー」という表現には続きがあるとされる。 「浪速のモーツァルト キダ・タロー。しかし、もし彼がモーツァルトより先に生まれていたならば モーツァルトが『ウィーンのキダ・タロー』と呼ばれていたことだろう」と続く。
なお、同局との関係では、放送終了時の音楽がテレビ・ラジオともキダの作った曲だったことがある。テレビは既に使われていないが、ラジオは昭和40年代に作られたステーションソング「きこうABC」をアレンジしたオルゴール(通称・チンコロカン)が現在でも、日曜深夜(月曜午前2:45)に流れている。
2006年11月から始まった京阪電鉄のCMでは、三代目おけいはんに向かって「モーツァルト北浜」を名乗る役柄で出演している。
[編集] 主なリリース作品
※ ★印の付いた曲は「浪花のモーツァルト キダ・タローのすべて」(以下「キダ・タローのすべて」)に収録
[編集] 歌謡曲
- ★ふるさとの話をしよう(歌:北原謙二。キダ曰く、キダ作品では唯一の歌謡曲での大ヒットらしい)
- ★アホの坂田(歌:コメディNo.1)
- ★地底のランナー(大阪地下鉄開通50周年記念 作詞:島田陽子、歌:芹洋子)
- ★ああ尼崎市民家族(歌:デューク・エイセス)
[編集] テーマ曲
- バラエティー生活笑百科(NHK総合)
- 古寺巡礼(NHK総合)
- ★あどりぶランド(毎日放送テレビ)
- ★プロポーズ大作戦(朝日放送テレビ)
- ★夫婦でドンピシャ!(朝日放送テレビ)
- ★ラブアタック!(朝日放送テレビ)
- ★たいむ6(朝日放送テレビ)
- ★三枝の国盗りゲーム(朝日放送テレビ)
- ★合コン!合宿!解放区!(朝日放送テレビ)
- ★ノンストップゲーム(関西テレビ)
- ★花の新婚!カンピューター作戦(関西テレビ)
- ★トナリnoとなり(関西テレビ)
- ★全日本歌謡選手権(よみうりテレビ)
- ★2時のワイドショー(よみうりテレビ)
- ★ABCヤングリクエスト(朝日放送ラジオ)
- ★笑って笑って30分!(朝日放送テレビ)
- 西川きよしのバンザイ家族(NHK-BS)
[編集] 映画音楽
[編集] CM曲
- ★出前一丁(日清食品)
- ★チキンラーメン(日清食品)
- ★日清焼そば(日清食品)
- ★有馬兵衛向陽閣(歌:仲宗根美樹)
- ★日本海みそ(作詞:石井学、歌:野呂ひとみ)
- ★かに道楽・★えび道楽・★いけす道楽(JRIグループ 歌:デューク・エイセス)
- ★くいだおれ
- ★いづもや
- ★551蓬莱
- アサヒペン
- 家庭教師のカテキヨ(作詞・作曲)
- スシマス
- 小山ゆうえんち
- ★千房
- 「キダ・タローのすべて」には「焼き焼きシャンソン」「私食べごろよ」を収録
[編集] プロ野球応援歌
- 大阪近鉄バファローズの歌 (大阪近鉄バファローズ 編曲)
- タイガース音頭(阪神タイガース 作詞:もず唱平、歌:中村鋭一)
[編集] その他
- 広陵町町歌(奈良県北葛城郡広陵町:作曲)
- 葛城市市歌(奈良県葛城市:作曲)
- 山添村村歌(奈良県山辺郡:作曲)
- 中央区民音頭(大阪市中央区区歌)
- クリヤマ株式会社社歌
- 吹田市立山田東中学校校歌(大阪府吹田市)
- ★551蓬莱社歌
- ★細河中学校校歌(大阪府池田市)
- ダメダメ音頭(かつて、「たかじんONEMAN」で放送禁止用語が出たときに使用していた。)
[編集] 主な出演番組
終了した番組も含む
[編集] テレビ
- 探偵!ナイトスクープ (朝日放送) 探偵局最高顧問(2代目)
- ちちんぷいぷい(毎日放送)
- ALL JAPANリクエストアワード (よみうりテレビ)
- ものまね紅白歌合戦 (フジテレビ)
- 西部警察 (テレビ朝日)
- 部長刑事 アーバンポリス24 (朝日放送)
- わいわいサタデー (朝日放送)
- ワイドサタデー (朝日放送)
[編集] ラジオ
- ABCヤングリクエスト・ミキサー完備!スタジオ貸します(朝日放送)
- 元気イチバン!芦沢 誠です (朝日放送)
- フレッシュ9時半!キダ・タローです (朝日放送)
[編集] CM
[編集] PV
- Flow「Re:member」
[編集] エピソード
- 「探偵!ナイトスクープ」で、探偵役の北野誠が「浪花のモーツァルト キダ・タローのすべて」が朝日放送では「キワモノ」として取り扱われていることを暴露。それを聞いたキダは「際立ったものや!」と激怒しながら絶叫した。
- 「めちゃ×2イケてるっ!」で、有野晋哉がキダタロー(”・”がつかない。)というキャラクターを演じたことがある。
- 2005年7月15日に大阪府立体育会館で開催されたハッスル11では、高田モンスター軍所属のご当地レスラーとしてキダをモチーフにした「KIDATA・ロー」が登場。キダと肩を組みながら登場した。
- 大の近鉄ファンで知られる。
- 同じく番組テーマ曲や、CMソングを多く手がける作曲家たかしまあきひこが、キダを「尊敬する作曲家の一人」と語っている。
- 1994年6月に、キダが作曲した「アホの坂田」のメロディがパクリではないかという疑惑について「探偵!ナイトスクープ」が取り上げた。リレハンメルオリンピックのアイスホッケー決勝ノルウェー対ロシアの試合で「アホの坂田」とよく似た曲が流れている、これは大発見だという依頼があり、桂小枝が探偵となり調べた。局長の上岡龍太郎によるとラジオ番組「歌って笑ってドンドコドン」でも同じような指摘をするハガキが届いていたそうである。小枝が調べると、前奏、サビ、間奏に至るまでほぼ同じ曲がオリンピックで流れていた。録音室などに閉じこもって逃げるキダを捕まえて追求すると元々は「メキシカンハットダンス」という曲だということが分かった。しかし、キダはこれはパクリではなく引用だと強弁し、当日は顧問ではなかったにもかかわらずスタジオにまで現れて引用であることを主張した。曰く「パクリとはある曲によく似せて作ること、引用とはある曲のメロディをそのまま使うことなので、「アホの坂田」は引用である。」ということであった。
- カツラ疑惑についてテレビ番組ではタブーとなっていて表立って指摘する声はないが、ラジオ番組や寄席ではよくネタにされている。ラジオ番組では、「歌って笑ってドンドコドン」でリスナーからキダのカツラ疑惑をネタにするハガキが来ると、上岡龍太郎が嬉々として読み上げるというお決まりのパターンがあった。寄席では、桂小枝が落語の枕でキダのカツラ疑惑をよく取り上げている。
- 1996年6月に「探偵!ナイトスクープ」で逆バンジーをすると約束し、関西では大きな話題になった。「なついてくれないクマのような犬がいるので仲良くしたい」という依頼があり本編に移る前に、顧問のキダが「クマのような犬」なら「チャウチャウ」に決まっていると主張した。さらに、もし違えばチャウチャウでなければ私は逆バンジーをすると言った。結果はチャウチャウではなく秋田犬であったため、局長や探偵が出演しているラジオ番組「歌って笑ってドンドコドン」、「サイキック青年団」、「こころ晴天」などで大騒ぎになった。「大阪の人はみんな見る」、「ナイトスクープの特番になる」、「とうとう秘密が明らかになる」などと上岡龍太郎、桂雀々、北野誠、桂小枝、円広志らがあおり、リスナーを巻き込んでかなりの盛り上がりを見せた。しかし、約一ヶ月後には筆頭顧問から単なる顧問に降りるとわびを入れて、この件は不問になった。その後、いつの間にか最高顧問と名乗るようになり、逆バンジーが話題に上ることもなくなった。
- その風貌や作曲家歴(:主にCM曲の作曲がともに多い事)などから、小林亜星と勘違いされる事がよくあり、テレビ番組が路上調査などで「キダ・タローの代表曲は?」と聞くと「サイデリア!?」と答える者が多い。また、反対に小林の曲をキダの曲と答える者も多い。そして、インターネット上でも小林亜星とキダ・タローを比較・研究するサイトも多数あり、双方は良きライバルなのではないかと言える。
- 1991年12月25日放送の「あどりぶランド」で、キダが同番組の新しいジングルを4パターン作曲して放送したところ、視聴者からそのうちの1曲が「よみうりテレビ」のオープニング曲に酷似しているという旨の投書が同番組宛てに届く。のちに「キダ・タロー盗作事件」(番組の企画)に発展、キダは盗作容疑で「逮捕」される。
- タモリの音楽は世界だ!出演の際、番組のテーマ曲を事前につくり、演奏することとなった。回答者の北野誠が「どーせ『タモリタモリ』を繰り返して、最後『あーあ~♪』みたいな感じで終わるんやろ」と予想したが、ほぼその通りのものだった。
[編集] 外部リンク
- 以下はキダ・タローがCMソングの作曲を手がけた企業
カテゴリ: 日本のタレント | 日本の作曲家 | ラジオ番組のパーソナリティ・DJ | 1930年生 | 探偵!ナイトスクープ