桂ざこば
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桂 ざこば(かつら ざこば)は、落語家の名跡。当代は2代目。
2代目 桂 ざこば(かつら ざこば、1947年(昭和22年)9月21日 - )は大阪市西成区出身の落語家、タレント。本名は関口 弘(せきぐち ひろむ)。血液型はO型。米朝事務所所属。上方落語協会会員。前名は桂 朝丸(かつら ちょうまる)。
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[編集] 来歴
小学校2年生の時、両親が離婚し父親に引き取られたが、3ヶ月ほど経って父親は電車に飛び込み自殺してしまった。1963年(昭和38年)、中学校卒業後に桂米朝に入門。師匠である米朝は同時に育ての親にもなり、家族同然の内弟子生活を過ごしていくこととなる。朝丸時代、千日劇場や梅田トップホットシアターに出演。千日劇場では師匠米朝が司会する「お笑いとんち袋」(関西テレビの大喜利番組)のレギュラーとなり、トップホットでは自作の「動物いじめ」で売り同劇場の看板芸人となった。「動物いじめ」はレコード化もされたが、ネタの内容に動物愛護団体からクレームが付いた。
全国的には「ウィークエンダー」での「テレビ三面記事」のレポーターとして売れた。全身を使った身振りと「~なわけや」と叫ぶレポートぶりは有名であった。このため、概ね1970年(昭和45年)以前の生まれの者には、現在でも前名の朝丸の名の方が通用する場合がある。
全国区入り後は東京で活動するようになったが、ホームシックになり大阪に拠点を戻す。2006年(平成18年)現在、大阪のテレビ、ラジオを含めて9本のレギュラー番組を持つほど活躍している。しかし、60歳になるのを機にマスコミでの露出は減らし、全国各地で落語会を開催したいとする意向を、かねてより明かしている。
噺のスタイルは『朴訥』。詰まり、台詞忘れ、どもりなども頻繁(後述)だが、笑いを取り始めてからの爆発力は相当なものがある。言葉遣いに一家言があり(噺家は口に新しいと書くのだから、現代的な言葉遣いをするべきだ)、江戸落語における江戸言葉、師匠・米朝の旧来の大坂弁の使用などには批判的である。
感情の起伏が激しく、人前で号泣してしまうこともしばしば。高座でも登場人物に感情移入する余り泣いてしまった事もある。好きな人物への思いやりが強く、親友・桂春蝶、最愛の兄弟子2代目桂枝雀の告別式での泣き様は尋常ではなかった。また、「らくごのご」出演時のように自分のイメージより物事が進まない時も泣いてしまう。他に『学歴コンプレックス』(自分が中卒止まり、枝雀が大学に進んでいることなど)、『強い独占欲』(枝雀「兄ちゃん」を桂南光(入門当時、名はべかこ)に取られたと思い込み嫉妬したなど)などの傾向が見られる。
[編集] 経歴
- 会長選出方法などをめぐって当時の執行部と対立し、桂枝雀一門とともに脱退。厳密には、まず枝雀一門が脱退し、その脱退問題を話し合う場が設けられ、そこである理事が(自著「桂ざこばのざっこばらん」 では名を明かしていないが、笑福亭仁鶴といわれる)が会費滞納を理由に枝雀一門を非難した。その非難に「枝雀兄ちゃんを悪くいうんかい!」と怒ったざこばが一門を率いて脱退した。
[編集] 人物
[編集] 交遊
- やしき たかじん 歌手のやしきたかじんとは親しく、彼の冠番組には、4本中2本にレギュラー出演している。ざこばがサンケイホールの独演会を休演した際、たかじんがラジオでそのことについて「サンケイをケツ割った」と発言、後日「ナイトinナイト」においてそのことで二人は口論となり、憤慨したざこばが収録中に帰るという事態に発展。翌日の大阪の新聞に大きく取り上げられることとなる。しばらく仲たがいしていたが、数年後に「たかじんnoばぁ~」で和解。その後は、たかじんの番組でも欠かせない名脇役として、再び親しい仲になる。しかし、異常なまでの負けず嫌いで、特に悪友たかじんに対してはかなりの執念を燃やす。かつて、たかじんが天満のマンションに住んでいるとき、彼が洋画のビデオを1000本ほど収集しているのを見て、「なんでこんなにビデオがあるんじゃ、腹立つ、負けへんど」と対抗意識が芽生え、翌日100万円を超える額の大量の洋画のレーザーディスク購入した。が、結局たかじんに対抗するために買っただけで全く鑑賞せず、その後すぐに売却した。
- 泉 ピン子 かつて「ウィークエンダー」で共演以来の盟友だったが、泉ピン子自身がお笑い出身でありながら笑いを批判するようになった頃から犬猿の仲となり、関西ローカルや全国ネット番組でしばしば彼女を名指しで批判する事がある。泉ピン子関係者(マネージャーなど)から『名指しでの批判はやめて下さい。』と要請はして一度は了承ししばらく直接の批判は避けてきたが、やはり彼女のドラマ以外での言動には批判的で直接の名指しはしないもののI.P(匿名イニシャル)を用いて彼女を批判していた。
[編集] ギャンブル
- 大のギャンブル好きで、ギャンブルになると人格が完全に変わり、暴走するため大損することが頻繁にある。ギャンブルのためにレギュラーの仕事を休み、オーストラリアに1泊2日のハードなスケジュールにもかかわらず渡航したことがある(表向き海外ロケであったが、実際はカジノで遊ぶためであった)。
- 「たかじん胸いっぱい」の「財布の中身ピッタンコゲーム」では、人格が豹変、激しい被害妄想に陥る。勝利のためなら手段を選ばず、不本意な結果に終わると、発狂寸前になったり、泣き出したり暴走する。挙句の果てには収録中にもかかわらず帰ってしまうこともあった。連敗記録は15。
[編集] 家族
- タレントの関口まいは実娘で次女。(長女は一般人なので名前は公表していないが米朝一門の歌舞伎座公演で妻子の名前を枕として喋ったことがある)
- プライベートではトイプードルの喜六くんが「もう一人の愛する家族」。
[編集] 愛称
[編集] 豆知識
- スペシャル番組でイニシャルトークによる暴露合戦になった際、Zとだけ出た場合、大概ざこば(Zakoba)のことを指す。
[編集] その他
- 内弟子時代、師匠の米朝の自宅に居候していた頃に皮膚病で悩まされ、塗り薬を背中に塗ろうとしたが、お手伝いさんが塗り薬の強い臭いに嫌がられていた。その時に米朝が塗り薬をざこばの背中に塗った。これを機に、ざこば自身は米朝に対する恩を一生忘れないと同時に一生付いていこうと心に決めた。
- 内弟子時代、師匠米朝の長男である明(現在の桂小米朝)を自転車に乗せていて転び、額に怪我を負わせてしまった。
- 20歳の駆け出しの頃、戎橋で大道芸人風の即興落語を開いたこともあり、当時お金が無かったので、橋の下で寝袋持参で寝ていたことがある(その余興は「たかじん胸いっぱい」で明かされ、当時の女性週刊誌にも掲載され話題を呼んだ)。
- また、笑福亭鶴光と同居していたこともあり、そのときはドライヤーとお互いの肌の熱で冬場を凌いでいたらしい
- 閉所恐怖症の持ち主。
- 葬式では、香典料を聞きまくる癖もある。
- 1995年(平成7年)に出演したサントリーモルツのCMでは、ビール飲みながら野球観戦して「川藤出さんかい!」と野次を飛ばし、「ホンマに出してどないすんねん…」とぼやく「おっちゃん」役の熱演でも知られる。
- 2004年(平成16年)に弟子の桂喜丸に先立たれるという不幸に見舞われ、喜丸の葬儀で号泣した。
- 襲名に関して師匠の米朝は、「米朝」の名をやっても良いが本人が欲しがらないだろうと言っており、ざこば自身も小米朝が継ぐべきだと発言している。
- どもり癖や台詞を忘れるなど、落語家として致命的な行動がよく見られるため、一部からは「落ち着け」「老人ボケ」などと言われている。それにより、一部では落語家として認められていない。
- 最近は2ちゃんねるもよく見ているということが明らかになった(「たかじんのそこまで言って委員会」2006年11月19日放送分)。
[編集] 出演番組
[編集] 現在放送中の番組
- 「痛快!エブリデイ」 (関西テレビ、毎週月曜)
- 「ちちんぷいぷい」 (毎日放送、毎週月曜)
- 「知っとこ!」 (毎日放送制作、TBSテレビ系列、毎週土曜)
- 「たかじん胸いっぱい」 (関西テレビ・フジテレビ系列・独立UHF局、毎週土曜)
- 「たかじんのそこまで言って委員会」 (よみうりテレビ、毎週日曜)
- 「探偵!ナイトスクープ」 (ABCテレビ、毎週金曜、不定期に顧問として出演)
- 「元気イチバン!!芦沢誠です」 (ABCラジオ、毎週火曜)
- 「米朝よもやま噺」 (ABCラジオ、毎週日曜、不定期のゲスト出演ながら過去最多)
[編集] 放送が終了した番組
- 「ざこば・鶴瓶らくごのご」 (ABCテレビ)
- 「新伍にタッチ」 (毎日放送)
- 「中居くん温泉」 (よみうりテレビ)
- 「ざこばの場」 (ABCラジオ) 他
[編集] 過去に出演した番組
- 「バラエティー生活笑百科」 (NHK大阪放送局制作、NHK総合テレビ、毎週土曜)
- 「大阪ほんわかテレビ」 (よみうりテレビ、毎週日曜)
- 「笑点」 (日本テレビ、毎週日曜)
- 「水戸黄門」 (TBSテレビ系列、毎週月曜)
- 「必殺仕事人V・風雲竜虎編」 (朝日放送)
[編集] 弟子
[編集] 直弟子
[編集] 孫弟子
(桂都丸の弟子)
[編集] レコード・CD
- 「朝丸の動物いじめ」 (テイチクレコード)
- 「尽くさんかい」 (作詞・作曲:桂ざこば、1999年、インディーズ)
[編集] 著書
- 「桂ざこばのざっこばらん」 (ベストセラーズ、2006年2月、ISBN 4-584-18918-8)
[編集] 出典
- 桂ざこば - 米朝事務所公式プロフィール
- 協会員プロフィール:桂ざこば - 上方落語協会公式プロフィール
- 桂ざこば、60歳でマスコミ引退し落語に専念 - Sankei Web2006年7月27日の記事
- インタビュー<日曜日のヒーロー>第410回桂三枝 - ニッカンスポーツ2004年4月18日の記事
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 桂ざこば ざこばのざっこばらん - 公式サイト