ウィンダム (機動戦士ガンダムSEED DESTINY)

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ウィンダムは、アニメ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場する架空の兵器（モビルスーツ・略称はMS）。（型式番号：GAT-04）

注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。

[編集] 機体解説

機体諸元
ウィンダム
型式番号	GAT-04
所属	地球連合軍
生産形態	量産機
全高	18.67m
重量	58.20t
主な搭乗者	ネオ・ロアノーク地球連合軍一般兵
武装	M2M5　「トーデスシュレッケン」12.5mm自動近接防御火器×4 M9409L ビームライフル ES04B ビームサーベル×2 Mk315　｢スティレット」投擲噴進対装甲貫入弾×2 A52 攻盾タイプE 　Mk438/B 2連装多目的ミサイル「ヴュルガーSA10」各種ストライカーパック武装

地球連合軍の次期主力量産型モビルスーツ（MS）で、大西洋連邦を中心に開発されたダガーLの後継機。系統的にはストライクの発展型に相当するが、PS装甲はコストや重量、および稼働時間の問題と、実体弾にかわりビーム兵器が主力を占めている現状ではPS装甲のアドバンテージはほぼ無くなったと判断され採用は見送られた。開発はユニウス条約締結前後より開始されブレイク・ザ・ワールド事件直後の時点で制式採用された。

肩や脚部に大型のバーニアスラスターを備えており、ボディは従来の地球軍機に比べ全体的に細身になっている。これにより機体重量を従来のダガーシリーズと同程度に抑えつつ多数のバーニアを備えることに成功しており、空間戦闘での高い機動性を実現している。踵部分が二股になっているのは、スリムアップした脚でストライカーパックを含めた機体重量を安定して支える為と思われる。

総合性能はこれまでの地球連合軍量産機よりも高く、ダガーシリーズのストライカーパックシステムが継承されているのは、ユニウス条約によってMSの保有機数を制限された現状で、どのような任務においても物量によって敵よりも優位な戦況を確保する為である。一部の先行機は、エースパイロット、またはファントムペインなど特殊部隊所属のパイロットへ優先的に配備された。

機体名の“ウィンダム”=(Windam)とは、和製英語であり、厳密に日本語訳することはできないが、あえて言い換えれば「勝っている状態」という意味になる。本来英語で、このような状況を言い表す場合は、“Victorious(ヴィクトリアス)”という語を用いる。トヨタ・ウィンダムとは特に関係性はない。

[編集] 武装

M9409L ビームライフル

中距離射撃用のビームライフル。ダガーLのビームカービンと比べると大型のため取り回しでは劣る。しかし出力は高く、ビームの減衰率が高い大気圏内でも安定した射撃が可能なため、ジェットストライカー装備時の主兵装として装備されている。

A52 攻盾タイプE(Mk438/B 2連装多目的ミサイル「ヴュルガーSA10」)

裏面に2発のミサイルを備えたアンチビームシールド。形式番号や名称から、搭載されるミサイルはジェットストライカーのオプションである空対空ミサイルの改良型と思われる。

Mk315 「スティレット」投擲噴進対装甲貫入弾

左右腰部のアーマーに収納されている、手投げ式の爆弾。投擲後、標的に向かって推進し爆発する。鋭利な先端が目標物に食い込んだ上で爆発するため、PS装甲以外の装甲に対しては効果的にダメージを与える事ができる。ダガーLやNダガーNも同じものを装備している。

劇中ではネオ専用機以外にこの装備が使われる描写はなかったが、本編のラストシーンにデスティニーとインパルスの残骸の手前に、額にスティレットが刺さったザクウォーリアの頭部が写っている事から、画面に映ってないが、他にも使用したMSがいたようである。

[編集] 劇中で装備したストライカーパック

ダガーシリーズから継承されたバックパック換装システム。劇中では大気圏内での戦闘が多い事から、主にジェットストライカーを装備して運用された。各ストライカーパックの詳細な解説については、ストライカーパックの項目を参照。

核ミサイル搭載マルチストライカーパック

開戦時に核ミサイル部隊の機体に装着されたストライカーパック。核ミサイル2発を搭載できる。本編ではウィンダムによる運用が目立ったが、ダガーLによる運用も可能。なお、劇中での言動から運用していた部隊の隊員は全てブルーコスモス、若しくはファントムペイン所属であったと思われる。

第9話ではプラントに対して攻撃を行ったが、ザフト軍の新兵器であるニュートロンスタンピーダーによって母艦ごと核の内部爆発に巻き込まれ全て損失している。これ以降この装備は登場していない。

AQM/E-A4E1　ジェットストライカー

大気圏内飛行用のストライカーパック。直線的な飛行能力は優れているが、空中での運動性能は左程でもないことから、MS本来の近接戦闘能力を殺いでいるのではないかという意見もある。しかし機体本体にバーニアを多数備え高い機動性を持つウィンダムとの相性は良く、この事からジェットストライカーは主にウィンダムに装備しての運用を前提したものと思われる。

主翼下部に搭載できるミサイルのうち、ドラッヘASMはオーブ国防軍のムラサメにも搭載することができる。ハードポイント形状の関係上、そのほかの兵装も装着すること自体は可能と見られるが、OSや武器管制システム上運用できるのかどうかは不明。

AQM/E-M11 ドッペルホルン連装無反動砲

砲撃戦用のストライカーパック。　両肩に大型の2連装砲塔が装着された状態になる。　しかしこの状態での格闘能力低下は否めず、またジェットストライカーのように武装を追加する事も難しい等使い勝手の悪さが目立つ装備で、主にダガーLが使用し、ウィンダムが使用しているシーンは45話での1カットだけにとどまっている。その名の通り、無反動で強力な砲撃を行えたり、圧倒的に火力が上昇する事等から、主に拠点攻略や無重力下での戦闘、対艦用装備としての認識が強いようである。

AQM/E-X01 エールストライカー

『機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY』にて登場。

最初期に開発された兵装の一つで、ラジエタープレート兼用の大型可変翼と4基の高出力スラスターを持つ中距離高機動戦闘用ストライカーパック。

作中ではジェネシスα放棄後、ジェスの前に現れたマティスと関係がある組織に所属していると思われる少尉率いる地球連合正規部隊所属機がこの装備をしていた。戦闘終了後、アウトフレームがエールストライカーを新たに装備していたが、それがウィンダムから奪った物であったかは不明。

[編集] 劇中での活躍

機動戦士ガンダムSEED DESTINY第9話で初登場。ダガーLよりも高性能なMSであるのだが、この時は核攻撃装備で出撃しニュートロンスタンピーダーによって艦隊もろとも消滅するという最悪なデビューを飾り（核攻撃部隊以外に参戦していたが戦闘シーンはなし）、以降は終始「やられ」役に徹し、ネオ・ロアノークの専用機を除けば全くと言っていいほど活躍しているシーンが写らなかった。しかし、主人公が直接かかわらない戦闘シーンではザクウォーリアやグフイグナイテッドを撃墜しているシーンがある。

本編終了後、再編集版の『FINAL PLUS～選ばれた未来～』にも登場しているが、ダガーLと比べて扱いが小さい。

前作においてジンやゲイツを次々と撃墜していったストライクダガーと異なり、劇中では、シンやアスラン、イザークといったコーディネーターのエースパイロットに大した抵抗もできずに圧倒的に蹴散らされていく無念なMSと言われている。特に16話で30機のウィンダムがインパルスとセイバーの2機とザフト艦ミネルバにより殲滅されるなど過去のガンダムシリーズの例に漏れず(もしくはそれ以上に)、これでもかと言わんばかりに派手にやられるシーンが多い。ある意味ではガンダムシリーズの量産機の務めを十二分に果たしているとも言えるが、演出上の都合もあるとはいえ、残骸で漂流している等、原作で一番不遇な扱いを受けている量産型MSである。一作品中に様々なガンダムが登場しすぎるというインフレ的演出の犠牲メカと言えるかもしれない。

[編集] 補足

モビルスーツ・イン・アクションのインストではウィンダムのスペックはGAT-X105ストライクと同等とされており、相対的に考えれば本機はカタログスペック上でストライクを上回る性能を有するザフトの量産機「ザクウォーリア」に劣る機体と言える。物量で圧倒的にザフトを凌ぎ、かつ版図がプラントやオーブに比べてはるかに広大な地球連合が他勢力の新鋭機に比べ機体性能よりも生産性に重きを置いた機体を開発したと言うのはありえない話ではないが、書籍によってはストライクを上回るとする資料もあるので一概に言えず具体的なスぺックは現時点では不明である。
ストライクとの構造上の相違点を考えれば、稼働時間と（PS装甲やTP装甲を採用していない）と空間戦闘での機動性（多数備えられたバーニア）に関してはストライクを上回ると思われる。又、ザクウォーリアとストライクの性能差に関しても、覆し難い程の圧倒的な差があるという訳でもない。これらの事から考えればウィンダムの性能は、物量差も考えればザクウォーリアに充分対抗できる（もしくは優位に立てる）レベルであることは確かなようである（福田監督の談話ではザクウォーリアとウィンダムはスペック上とキルレジオは互角と言及している。）。

しかし、地球連合軍のMSパイロットはメビウスなどのモビルアーマー（MA）から転向したか、あるいは徴兵されて間もない若年兵が大半で、一部のベテランパイロットやエースパイロットを除き機体制御の大半をOSに依存せざるを得ない。つまり、MS本体は優秀だが、大半の搭乗者の技量が低い上に、それを補完できるだけの操縦支援システムが不十分なために、エースパイロットの操る機体相手に殆ど抵抗できず、物量の上では圧倒的優位であるにも係わらず一方的に撃墜されてしまう。過去のシリーズの地球連邦軍のボール並みの扱いを受けている。劇中では、以外にもウィンダムを撃墜しているのは名前のあるエースパイロットやレギュラーキャラのみで名前無しの一般兵搭乗のMSががウィンダムを撃墜しているシーンは写ってない。

一般的な技量のパイロット達が相手であれば互角か、局面によっては圧倒できるが、撃墜バンクや残骸として映っている悲惨なシーンが多すぎたためか、性能の低すぎるMSではと誤解されたり、また連合においてはMSパイロットの転向を断念したMAパイロットが多かったにもかかわらず大量投入されていたことから、指揮官機以外はモビルドールのような無人機ではないかという意見まで出ていた。なお劇中では搭乗しているパイロットの姿が描かれていたため、実際はれっきとした有人機であったようだ。ちなみにCE73年時点で、スターゲイザーのような無人MSは存在している。

[編集] ネオ・ロアノーク専用ウィンダム

ファントムペイン隊長ネオ・ロアノークの地上での愛機。機体はエグザスと同じく紫色系統で塗装されている為、通常機とは印象がかなり異なる。
機体そのものは通常の機体と変わらないが、専用のジェットストライカーはネオのオーダーにより、ジェットエンジンのリミッターが外されている。そのため他のパイロットでは到底扱えず、それ故他のウィンダムを凌駕する空戦能力を有している。

第16話では空中戦においてシンのフォースインパルスを翻弄し、第32話ではデストロイに攻撃を仕掛けるキラ・ヤマトのフリーダムを幾度も牽制するなど、「劇中での活躍」の項で触れた通り他のウィンダムと比べれば破格の活躍を見せている。無論、乗り手であるネオ・ロアノークの腕があればこその活躍であるが、だからこそ、ウィンダムはパイロットが機体性能を充分に引き出す事ができれば主力量産機の座に恥じないMSである事を証明している機体と言える。

又、劇中ではウィンダムやダガーL等に装備されている、スティレット投擲噴進対装甲貫入弾(腰部アーマー内に装備されたくない型爆弾)を使用しているシーンが写った唯一のMSである。このときフリーダムのシールドを破壊した。