無反動砲
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無反動砲(むはんどうほう)は、砲の後方からガスや砲弾と同じ質量の物体を射出することで発射時の反動を相殺する(デイビスの平衡砲弾の原理)砲である。
ガス式の無反動砲の場合、砲弾の薬莢には多数のガス噴出用の小穴が開いており、発射時にはその小穴より噴出した反動ガスを砲尾より高速に噴出させることで反作用を得る。無反動発射のための後方噴出ガスにより、発射後は自己の位置が知られてしまう危険性が高く、また閉所や後方が開けていない個所からの発射は自らのバックブラストを浴びてしまうので自殺行為である。
質量式の無反動砲の場合、カウンターウェイトとして初期はワックス等の軟体、近年では砕けやすい硬質プラスチックを使用する。こちらはガス式と比較して発射個所を選ばない利点がある。
無反動砲は、装薬の発生するエネルギーを通常の砲の1/2しか運動エネルギーに転換出来ないので、初速が遅く射程が短い。そのため威力を弾速に依存しないモンロー/ノイマン効果を持つ成形炸薬弾頭を使用するほか、弾体に固形ロケットを装備し発射後に点火、加速することで射程を改善しているものもある。
他の火砲のような反動が無く、また衝撃吸収の機構を必要としないために軽量コンパクトな発射装置で大口径砲弾を発射することができる。これらのメリットは、装備重量を増やしたくない歩兵にとって大きな魅力であり、現在では各国で採用されている。一部ではTOWなどの小型の対戦車ミサイルが取って代わっている。
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