ブルーコスモス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ブルーコスモスは、アニメ『機動戦士ガンダムSEED』に登場する架空の政治結社、および反プラント、コーディネイター思想とその主義者の総称。ネット等での略称はブルコス。コーディネイターの排斥運動を行っている。「青き清浄なる世界のために」がスローガン。
目次 |
[編集] 概要
ブルーコスモスそれ自体統一された組織ではないが「盟主」と呼ばれる代表者が存在する。C.E.(コズミック・イラ)71までは、国防産業連合理事ムルタ・アズラエル氏が盟主であったが、彼が第2次ヤキン・ドゥーエ攻防戦で死亡したため、C.E.72頃からは、ロード・ジブリール氏が新盟主となる。ただしブルーコスモス全体の指導者というわけでなく、ブルーコスモス主義者の内、政治面で特に有力な人物のことを便宜上そう呼ばれている。作中では地球連合、およびロゴス内部の反ザフト、反プラント勢力のリーダーとしての意味合いが強く、必ずしもコーディネーター根絶主義者、極論するとブルーコスモスである必然は無い(ムルタ・アズラエルはコーディネーターであるロンド姉弟を支援していた)。
[編集] SEEDにおける描写
元々は自然環境保護を訴える圧力団体であった。が、コーディネイターに対する憎しみ、嫉妬、疑問、恐れから反コーディネイター団体となる。当初は人間の遺伝子操作に対する反対運動を行っていたのだが、次第に過激化しコーディネイターを迫害・テロ行為を行う者も多くなっていった。
構成員の国籍、年齢、職業はさまざま。社会のあらゆる団体に存在し、各国の政財界や軍部にも根を張っている。特に大西洋連邦の政治家・軍人にはブルーコスモスのメンバーが多い。地球連合軍上層部にもウィリアム・サザーランド大佐をはじめとして多数のメンバーがいる。ブルーコスモス構成員の士官が地球連合軍総司令部の正式な許可を取らずに月面基地から核ミサイルを持ち出して血のバレンタインを引き起こしたほか、エルビス作戦の目的もプラントの攻略と制圧から全面的核攻撃によるプラントの破壊と殲滅(つまりはコーディネイターの根絶)にすりかえるなど、戦争を利用して一気に青き清浄なる世界の実現を図ろうとした。
決して多くはないが、自らの複雑な出生関係などに悩み、コーディネイターでありながらブルーコスモスのメンバーないしシンパになった者もいる。また、生殖能力が衰え始めたコーディネーターの将来を憂い、最終的に全てのコーディネーターをナチュラルと混血させ、ナチュラルへの回帰を計画し、秘密裏に実験を行わせていたシーゲル・クラインも広義おいてはブルーコスモスである。
また、かつてのファースト・コーディネイタージョージ・グレンを暗殺した少年も、ブルーコスモスのメンバーにそそのかされてやったのではないかと言われている。地球連合軍の本格的プラント攻撃はC.E.70年のいわゆる「血のバレンタイン」により開始されたが、当時その核ミサイルを独断で発射した地球軍側軍人はブルーコスモスシンパであった。その一方、戦後穏健化したザフト軍に反発、同軍を離脱したザフト軍脱走兵達の組織が誕生し、ブルーコスモスと対をなすかのような様相ともなっている。
[編集] SEED DESTINYにおける描写
第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦の後、盟主を失って弱体化し、組織的なテロ活動は影を潜めたものの、戦後にプラント最高評議会議長に就任したギルバート・デュランダルが「主義主張を言う集団」的な表現で呼んでいるように、ブルーコスモスの主義主張に傾倒した人間による比較的小規模なテロについては、なかなか歯止めがかからないのがコズミック・イラ72年の世界における現状である。
なお、ギルバート・デュランダル最高評議会議長の演説によって民衆の蜂起が起き、出資者であるロゴス共々最終的には壊滅させられたが、ブルーコスモス思想の支持者は、戦後も増え続けている。ところで、ドイツはもちろん、そのドイツに侵略されたフランス、イギリス、そしてユダヤ閥の強いアメリカ等は、伝統的に反ナチ感情が非常に強く、遺伝子操作で優良人種を造ること、またそのように生まれた人間を許容しない土壌がある。大西洋連邦とユーラシア連邦が単に軍事大国(アメリカ軍、NATO軍)というだけでなく、国民にブルーコスモスのシンパを多く擁するのは、そのためではないかとも想像される。
プラントからは当然嫌われているが、地球市民からの受けは様々であり、支持派も多いが、テロを起こして無関係な市民も巻き込まれる事から、受けの悪い部分もある。