ねこきっさ
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『ねこきっさ』は、ととねみぎの4コマ漫画作品。芳文社の月刊雑誌「まんがタイムきらら」で2002年10月号から連載されている(2006年12月時点)。
2005年3月25日には、フロンティアワークスよりドラマCDが発売された。
目次 |
[編集] あらすじ
田舎から出てきた元気いっぱいの猫娘・青葉クゥは、かわいい制服にあこがれて喫茶「ねこきっさ」で住み込みのアルバイトを始めるが、研修期間は正規の制服は着させてもらえず、なんと“給食着”で仕事をすることに。
個性豊かな店のスタッフ、常連客などが日々繰り広げるドタバタ劇が楽しく描かれている。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 主な登場人物
[編集] ねこきっさ東魔界支店
- 青葉クゥ(あおば クゥ)
- 本作品の主人公。魔界の喫茶店・ねこきっさの東魔界支店の新人アルバイト店員で、店ではフロア担当。元気印の猫娘。
- 15歳(登場時は14歳)で血液型はO型。栗色の髪に緑色の目、大きな猫耳がチャームポイント。語尾に「~っス」とつけるのが口癖。ちょっとドジだが、ねこきっさのスタッフの中では最も常識人に近い。バカ正直で、ルーシアが飛行法について「片足が地面に着く前に…」と冗談を言ったのを真に受けて実践し、足を骨折した事がある。何かを抱かないと眠れず、時々、同室のミルクを無意識に抱いては圧死させかけている。
- 田舎(人間界)から魔界へ出て来て住み込みで働いており、ミルクと同期で部屋も相部屋。マヤの料理を手伝うこともあったが、マヤとしっぽが邪魔しあって手伝いにならなかった。甲斐性なしの父親のせいで貧乏生活をしてきたせいか、お金に対してものすごい執着心を持ち、接客の他にも色々雑務をこなして小銭を稼いでいる。レジ横に自分の貯金箱を置いていたこともあった(実は募金に偽装して小銭をかすめ取るためだった)。
- 研修期間中は正規の制服を着せてもらえず、給食着で働いていた(制服デザイン変更時、帽子が三角巾に変わっている)。南魔界支店の応援最終日に15歳の誕生日を迎え、晴れてアルバイトに正式採用となった。東魔界支店では一番の格下なので、ぱくに「クゥ先輩」と言われると弱い。
- 猫付き合いも良く、店の生ゴミを近所の野良猫たちのエサにしている。猫娘なので人語とネコ語の両方を話せるが、ミルク曰くクゥのネコ語は方言がきついらしい。
- 実家は人間界で雪国。魔界で大雪が降ったときには巨大ミルク雪像を造り上げた。ちなみに幼少の頃雪で家の1階が埋まったというエピソードは、作者の祖母の実体験が元ネタ。
- 名前は『機動戦士ガンダム』に登場した宇宙要塞ア・バオア・クーに引っ掛けている。
- ミルク=シルフィード
- ねこきっさ東魔界支店の新人アルバイト店員。猫そのものの姿をしている。店では飲食物を運ぶのが難しいため、注文取りとレジ担当。
- 自称24歳のレディ。しかし、人間換算では112歳のお婆ちゃん。近所の仔猫達からは「ミルクばぁちゃん」と呼ばれている。血液型はB型。自身曰く「猫のB型はレア」。体毛は真っ白で、雪道では保護色として有効。
- 他の猫達と違って人語とネコ語の両方を話せる。クゥより年上なので敬意を払わせようとし、失礼な言動があると遠慮なく引っかく。最近に至ってはツッコミ役が板についている。
- クゥの頭の上がお気に入り。サボりグセがあり、よくご老公(山岡大海)の頭蓋骨の中でサボっている。ねこきっさスタッフの中では唯一の喫煙者で、ヘビースモーカーである。年齢や経験的には十分に正規アルバイトになれるのだが、サボりぐせのせいで本部登録を却下され、いまだに研修期間扱い。当然、給食着で働いている。
- ぱくの持ってきた玉手箱で、一時的に約100年後の姿になったことがある。長生きしたあげく、美人の猫叉になるらしい(この姿は、一部のファンに熱烈に支持されている)。本人もこの姿は気に入っていて、何とか玉手箱を我が物にしようとしている。
- 鬼瓦マヤ(おにがわら マヤ)
- ねこきっさ東魔界支店の副店長兼経理担当。ドラゴン。家庭では料理を担当している。
- 年齢不詳(ミラによると相当若作りしていて、300歳を超えるらしい。もちろん本人の前でその話題は禁句である)。血液型はO型。青く長い髪に、緑色の瞳。仕事中は、髪を三つ編みにしている。
- 少しおっとりした美人であるが、大きなしっぽがあって、強そうな印象がある。実際、店内で暴れた猪や熊を倒すほど強く、絶対に壊れないはずのオリハルコン製の食器を割ったことがあるなど、作中最強のキャラである。しかし一応は爬虫類なので寒さには弱い。くしゃみをすると炎(ドラゴンブレス)が出る。夫の源十朗とは、かなりラブラブ。単行本3巻の描き下ろしで2人の馴れ初めが描かれている。
- 店員の写真をこっそり撮って、マニアな客に高く売りつけているらしい。制服変更の時は店員の使用済み旧制服を売ったこともある。
- 鬼瓦源十朗(おにがわら げんじゅうろう)
- ねこきっさ東魔界支店の店長兼料理長。鬼族。クゥには「おやっさん」と呼ばれている。
- 身長3メートルを超える巨体だが、とても寡黙。しかし料理には情熱を持ち、料理のアイデアを考えていると周囲が見えなくなる。食堂や旅館など、厨房があるといつの間にか入り込み、料理を作っている。
- 手先がとても器用で裁縫も得意だが、これはマヤと知り合ってから練習して上達したもので、マヤとの結婚のためのウェディングドレスも自作した。今は、店の制服も彼の手作り。最高傑作は「ミルク用の靴」。
- ゴキブリはとても苦手。
- ルーシア=ミレクリス
- ねこきっさ東魔界支店のアルバイト店員。女子高生。ヴァンパイア(系三世)。テキパキした性格でクゥの良き先輩。中心街に母親と住んでおり、自宅は形成外科医院。
- 17歳。血液型はA型。赤いセミロングヘアに金色の瞳。低血圧らしく朝は弱い。1本だけの長いアホ毛が目印(変装していてもアホ毛が見えた時点でバレる)。背中の翼で空が飛べる。
- 小学2年生の頃から、身体が成長していないらしい。胸がなく、クリムから「A(エース)の勲章」を授与されそうになった(もちろん貧乳を表す「Aカップ」に由来)。クリムとは幼なじみで過去の恥ずかしい秘密を色々握られている(バイトとしてはルーシアが後輩だが、学校では同級生)。アホ毛は作中で自身または他人によってさまざまな用途に使われ、過去に猫じゃらしを取り付けられたり、整髪料で固められて避雷針代わりにされたり、さらには霊感レーダーになったりしている。体の一部分のネタを一番多く使われているキャラである。ピッキングが得意。
- 血に限らず赤い食べ物が大好き(食欲をそそられる)。ご飯には「タバス●(注・作中では商標に対する自主規制でこう表記)」をかけるほど。自分の寝床はカンオケ。眠いときにカンオケがないときは似たような細長く狭いところ(タンスの引き出しや掃除用具入れなど)に入りたがる。
- ネコ語を解する事の出来る伝説のネコミミを付けて近所の猫の寄り合いに参加した事があり、以後も翻訳機として度々使用している。
- クリム=フォウル
- ねこきっさ東魔界支店のアルバイト店員。女子高生(ルーシアの同級生)。アルバイトの中では最古参。ワーウルフ。街はずれの家で、木こりの母親と2人暮らしをしている。
- 血液型はAB型(なお、自身が発表する前に他のねこきっさスタッフに言い当てられた)。銀髪に赤茶色の瞳。眼鏡っ娘。大食漢にしてプロポーションも抜群。
- ややおっとりしているが、食べ物には鋭く反応する。花粉症でこのときの涙を流すしぐさが、思わぬ人気を呼んだらしい。食いしん坊。ミルクが食材に見えていて「ミルミル」と呼び、常に虎視眈々と狙っている。なお、一時的に成長したミルクを見た時は「賞味期限切れ」と断じ、まったく興味を示さなかった。ただし、運動会のパン食い競走後に「からし・わさび・タ●スコ」(原文のまま)の三色パンをクゥに押し付けたことから、辛いものは苦手らしい。
- 近所の猫の寄り合いに参加した時は自前のネコミミ帽子を持参し、帽子の「材料」のおかげでネコ語を解する事ができた。
[編集] ねこきっさ南魔界支店
- 大津ぱく(おおつ ぱく)
- ねこきっさ南魔界支店の正社員。同店開店時からのスタッフ。タコ魔族。20歳。
- 人前で緊張すると、鼻血の代わりに墨を吐いてしまうという欠点がある。そのため南魔界支店の開店を前に、東魔界支店で修行としてタダ働きしていた。
- 本来はタコの姿だが、擬態により人間の姿になっている(体積の限界で子供の姿)。桃色の髪を後ろでおだんごにしている。
- 赤いひょっとこ(本来の姿の時のタコ顔)の面をいつも着けている。この面は擬態で顔を出しているときは顔の横(向かって左側)に着けているが、その際も同時に彼女の喜怒哀楽の表情が現れる。
- 擬態中でも時々タコの足が出てくることがある(4本まで)。足や体はかじられたりしても短期間で再生可能。吸盤で壁や天井を歩く事ができる。
- 実家は竜宮城。現在は南支店店長スズーレ宅に住み込み中で、彼と交際している。
- 高校時代は料理部に所属し、講師に来ていたスズーレと出会う。一度彼の両親に挨拶に行く予定だったが諸事情で中止。
- スズーレ=M=ポタミヤ
- ねこきっさ南魔界支店の店長。トリ魔族。
- 鳥頭で3歩歩くとすべての事を忘れてしまうため、普段は飛んでいる。
- 主に厨房を担当している。
- マヤなどには「スズさん」と呼ばれている。
- 松葉聖子(まつば せいこ)
- ねこきっさ南魔界支店のアルバイト店員。カニ魔族。
- ツインテールにカニバサミ型の髪留めを付けている。関西弁を話す元気娘。
- 理容師の卵で、ぱくの頭や店の植え込みを練習台にしているが、何故か魚貝類の形にカットしてしまう。
- クゥには「セーコさん」、ぱくには「せーこさん」と呼ばれている。
- 越前ミヅキ(えちぜん ミヅキ)
- ねこきっさ南魔界支店のアルバイト店員。クラゲ魔族。
- 長身でスタイル抜群の美女。いつもぼーっとしていて抜けた所があるが、反面カンが鋭く、クゥに新制服のデザインで相談した時は、マヤ達が盗聴していたのを見抜いていた。
- 身を切り売りしてたこ焼きを作っていたため人形サイズになってしまったぱくに、メカボディを貸し出した。この時、ぱく本人は頭部を担当した。
- 聖子にメカボディを「ダサい」と言われて、常ならぬ素早さと力強さを発揮。あっという間に改造してしまった。
- 機械いじりには強烈なこだわりがある模様。
[編集] その他
- 山岡大海(やまおか おうみ)
- ねこきっさ東魔界支店の常連客。死後20年のスケルトン(骸骨)。
- 極道で、ねこきっさの近所を仕切るヤクザ「山岡組」の組長。頭蓋骨には頭頂部に大きな傷跡があり、左眼の眼窩下にもヒビが入っている。ちなみに組員は全員ゾンビらしい。
- ねこきっさ店内では温厚な好々爺で「ご老公」と呼ばれている。クゥを「嬢ちゃん」と呼んで可愛がっている。
- 大変な美食家。大海に「まずい」と言われた店はつぶれるらしい。しかしスケルトンだけに、飲食した物はそのままお尻からだだ漏れてしまう。どこで「味」がわかるのかは謎。
- 頭蓋骨は、ねこきっさスタッフにより、いろいろな用途に使われる。また紛失した際に近所の猫たちのサッカーボール代わりになっていた事もあり、そのときは空き缶で代用していた。一度「イメチェン」と称して骨を全て入れ換えた事があり、どこが本体なのかは謎。
- 本人は喫煙者ではないが、サボっているミルクが頭蓋骨の中で喫煙するため、頭蓋骨の内側はヤニで真っ黒になっている。
- よくバラバラになってしまう。その場合は大抵ルーシアが組み立てる(実は昔ルーシアのもとにパズルとしてあった骨格らしい)。
- 死んで骨だけになっているくせに健康には気を遣っている。一時期ランニング(ジョギング)をしていたが、酸性雨に当たってやせ細ってしまった。また一度組内に禁煙令を出して内紛に発展しそうになった事がある。
- 極道ながら地元の名士で町内運動会を主催し、巨大ドラゴンを助っ人に呼ぶなどしていた。
- ミラ=ミレクリス
- ルーシアの母親。形成外科の開業医。
- マヤとは高校(ルーシアやクリムの通う学校)の同級生だったが年齢はかなり違うらしい。
- 花見の飲み比べ合戦で、源十朗を破るほどの酒豪。ただしご老公には敗れた。クゥがお気に入り。
- 昔は喫煙者だったが、子供ができたのを機に禁煙、現在は禁煙パイポを愛用している。
- ジェニー
- ねこきっさ東魔界支店に出現したゴキブリ。ただし、源十朗の顔を覆うほどの巨大サイズ。
- 洗剤、熱湯、殺虫剤も効かなかったが、マヤさんに踏まれて瞬殺された(ドラマCDでは、マヤさんのくしゃみ = 炎のブレスで焼殺された)。
- 実は捕獲器の中でエサを目の前にして死んでいったゴキブリたちの怨霊だった。
- シルク
- 雄猫。ミルクが仔猫の頃に拾い、少女のいる一家に引き取られた。
- 仔猫の時はミルクにそっくりだったため、ミルクに隠し子疑惑が挙がった程。
- 一度家出し、ねこきっさのスタッフ総出で捜索した。
- シルクを引き取った少女
- コウモリ風の羽・矢印型の尻尾と角があることから、デビル(悪魔)らしい。
- 両親との3人家族。
- 概ね母親似だが、小さいながら父譲りの角もある(実は髪留めに使っている)。
- ご老公ほどではないが、時々ねこきっさに来ている。
- 字はあまりうまく書けないようで、彼女の書いた「シ」の字は「ミ」と紛らわしかった。
- 猫の長老
- ねこきっさ東魔界支店周辺の猫をまとめる長老。百歳を越える猫又。
- 特技は「分身の術」(実は気絶による幽体離脱)。
- 八太郎
- ねこきっさ東魔界支店周辺に出没するカラスの群れのリーダー。
- 羽根を手裏剣の様に飛ばす技を得意とする。
- ネコ達とねこきっさのゴミをめぐって争うが、ご老公の仲介により和解する。
- ドラゴンさん
- 魔界の都心バスの運転士兼動力源の巨大なドラゴン。
- 町内運動会でご老公がキャプテンを務める白組に助っ人で参加(クゥ達ねこきっさスタッフは全員赤組だった)。翌日は彼の筋肉痛でバスは運休となった。
- 爬虫類系だけに、寒くなると寝てしまい、バスが運休になる。ついでに寝相が悪く、寝返りを打つと周囲の建物を壊しまくる。
- ナツメ
- 日本人形。ゴミ捨て場からクゥが拾って来て、貯金箱に使っていた。
- 名前の由来は「貯金箱→(お金→千円札→)夏目(漱石)」の連想から。
- 実は魂を吸い取る、呪われた人形。
- ぱくの家へ行って魂を吸おうと画策したが、海に入った時点で、水で壊れたらしい。
- その後はぱくの実家である旅館「竜宮城」で、仲居として働いている。魂を吸い取る本体は、魂の代わりに海水で満たされたため、普通の少女になっている。
[編集] 主な舞台
- ねこきっさ東魔界支店
- 本作品の舞台となる喫茶店。
- 窓ガラスは山岡組も御用達の防弾ガラス。何故かショットガンの弾痕がある。
- 食器はオリハルコン製。絶対割れない(ただし、マヤが一度壊したことがある)だけでなく、武器にもなる。
- 冷蔵庫の非常電源は自転車で、1時間こげば一晩もつという高性能。
- 店の入口には「対ゾンビー殲滅浄化魔法陣」が設置されている。これに踏み込んだゾンビーは肉の部分が消滅し、スケルトンになる(魔界条例に従った処置)。
- 正規アルバイトは15歳以上と決まっている。
- 物置にはいろいろと謎のアイテムが保管され、「混沌」と化しているらしい。
- ねこきっさ南魔界支店
- ぱくが正社員として働く喫茶店。
- 開店時にクゥ・ミルク・マヤが応援に行き、源十朗・クリム・ルーシアが偵察に来ていた。
- 開店初日にぱくによってスプリンクラーが誤作動するというハプニングがあったが、それが意外な形で客を呼び込む事に。
- 魔界
- かなり近代化され、普通の都市になりつつある。
- たまに「道をたずねると方角歩数で大仰に教える老人」がいる等、変なところでまだファンタジー。
- 「バードマンの焼鳥屋」「ハエ男の手打ちそば」「ゾンビの魚屋」「ヤギの郵便屋」などがいる。
- バスはドラゴンの背中に客室を乗せたもので、空を飛んで行く。
- 銭湯「空の湯」がある。50年以上経営を続ける老婆が、番台に座っている。
- クゥが店の食材を買い出しに行く八百屋の名前は「八百長(やおなが)」。
- 条例により、ゾンビーの通常飲食店での食事は禁止されている。
[編集] 書誌情報等
[編集] 単行本
芳文社より「まんがタイムKRコミックス」として刊行されている。
- 第1巻(2004年1月27日発行) ISBN 4-8322-7504-6
- 第2巻(2005年1月27日発行) ISBN 4-8322-7526-7
- 第3巻(2006年7月12日発行) ISBN 4-8322-7581-X
[編集] ドラマCD
ドラマCD『ねこきっさ』は、フロンティアワークスより2005年3月25日に発売された。1話あたり約12~17分で、全5話が収録されている。
出演者と配役は以下のとおり。