ZX Spectrum
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
シンクレアZX Spectrum(ぜっとえっくすすぺくとらむ)は、シンクレア・リサーチ社が1982年にイギリスでリリースしたホームコンピュータである。Spectrum は 3.50MHz の Z80 CPU を使用し、RAMは 16Kバイトか 48Kバイトであった。ハードウェア設計者はシンクレア・リサーチ社の Richard Altwasser。ソフトウェアとしては Nine Tiles 社の Steve Vickers が Sinclair BASIC を開発した。シンクレアの工業デザイナー Rick Dickinson が外観を設計。本来、ZX82 という名称だったが、それまで(ZX80とZX81)のモノクロ表示との違いを強調するために、シンクレア卿が「Spectrum(=スペクトル、光をプリズムで分光したときに得られる色の帯)」と名づけたのである。
目次 |
[編集] 詳細
ビデオ出力はテレビに接続し、単純なカラーグラフィックディスプレイとして使用した。ゴム製キーボード(電卓によくあるタイプ)のキートップには Sinclair BASIC のキーワードも書かれている。例えば、プログラミングモードで「G」を押下するとBASIC言語のGO TOが入力されるようになっていた。経験豊かなプログラマは、これで当時の他のコンピュータよりずっと速くBASICのプログラムを作成することができた。プログラムとデータは、規定のカセットレコーダーで保管される。
Spectrum の表示機能は今日から見れば低レベルなものだが、当時の小型テレビで表示するには完璧で、ゲームなどの開発も難しくなかった。テキストはASCIIベースの独自文字セットを32桁×24行表示し、15色で表示可能である(8色×2輝度で、黒は輝度変化しない)。グラフィック表示も同様の色数で256×192ドット表示である。Spectrum の色の処理方法は特殊で、色の属性情報をテキストやグラフィックデータとは別の 32×24のグリッドで保持し、文字単位の領域には2色しか表示できない。この特性を独特の特殊効果に使用するゲームもあったが、color clashとかattribute clashと呼ばれる表示の乱れも発生しやすかった。この問題は Spectrum の際立った特徴として Spectrum ユーザの内輪のジョークともなったが、同時に他のホビーパソコンを支持する人々からは嘲笑の的となった。当時、イギリスで使える他のマシンとしては Amstrad CPCなどがあったが、このような問題は起きなかった。コモドール64も色属性を独立させていたが、スプライトとスクロール機能を使ってこの問題を回避できたのである。
Spectrum はアメリカでのコモドール64のように、イギリスで最初に爆発的人気を得たホームコンピュータである。コモドール64(C64と略記されることがある)は、イギリス市場においても Spectrum の主要なライバルであった。Spectrum のサウンド機能とグラフィック機能を強化したバージョンがアメリカでタイメックス社によって発売されていた(Timex Sinclair 2068)。
[編集] 教育分野での応用
1980年から82年にかけて、イギリスの教育科学省は「マイクロエレクトロニクス教育プログラム」を開始し、教育へのマイクロコンピュータ導入を図った。また、1982年から86年にかけて、イギリスの産業省は地方の教育委員会がコンピュータを学校に設置する場合に補助金を出した。いずれについても ZX Spectrum が大いに使われたという。
[編集] 機種
[編集] ZX Spectrum 16K/48K (1982年)
シンクレアから 1982年にリリースされた。搭載RAMサイズは 16Kバイト(£125 後に £99)と 48Kバイト(£175 後に £129)の二種類があり、ROMは 16Kバイトが搭載されていた。オリジナルの ZX Spectrum はその安っぽいゴム製キーボードと本体の小ささが印象的であった。16KBモデルは 32KバイトRAM増設用ドーターカードを後から追加することができる。RAM増設カードは DRAMを8個搭載し、他に若干のTTLチップが実装されていた。ユーザーは 16K Spectrum をシンクレアに送付して 48K版にアップグレードしてもらうこともできた。また、32KB増設カードもあるが、価格を抑えるために選別品のチップを用いた。即ち、製品としては64Kビットチップであるが、検査で欠陥があるものの半分以上の容量があるものを選別して、32Kビットチップとして用いた。
また、後部の拡張スロットにサードパーティの外部32KB RAMパックを装着して使用可能であった。ZX81と同様、拡張スロットのコネクタ部がゆるいためにRAMパックのぐらつきが起き、それによってクラッシュが発生、場合によってはCPUなどが焼きついてしまうという悩みの種であった。
[編集] ZX Spectrum+ (1984年)
この 48Kバイトの Spectrum (開発コード名 TB)は、キーボードなどがシンクレア QL(Spectrumの上位機)風の外観で、£180 で発売された。従来機種用のアップグレーッドパッケージはそのまま使用可能である。Spectrum の熱狂的ファン(プログラマやゲーマー)は、この新しいキーボードを嫌った。
[編集] ZX Spectrum 128 (1986年)
128 (開発コード名 ダービー)は、シンクレアがスペインの Investronica 社と共同開発した。Investronica 社は ZX Spectrum+ をスペイン市場に適応させるのを手伝っていた。というのも、司法の裁定によって 64Kバイト以下のRAMを搭載する全てのコンピュータはスペイン語のアルファベットをサポートし、スペイン語のメッセージを表示することが義務付けられたのである。
新しい機能は128KB RAM、PSG(AY-3-8912)による3チャネルオーディオ、MIDI互換性、RS-232シリアルポート、RGBモニタポート、改善されたBASICエディタを含む32KBのROM、および外部キーパッドがある。
マシンはスペインの SIMO '85(マドリッドで開催される見本市)で発表され、スペインで44.250ペセタ(266ユーロ)で発売された。イギリスでは外部キーパッドは用意されず、その端子は急遽「AUX」と改名されて発売された。ただし、外部キーパッド用ROMルーチンも残っていたので接続すれば使える状態だった。
Spectrum が使っている Z80 はアドレスバスが16ビットなので、一度に使用可能なメモリは 64KBまでである。はみ出している80KBのRAMを使用するため、それをアドレス空間の先頭16KBにマッピングできるようバンク切り替え技術を採用して設計された。同様に、16KBのBASICのROMと新たに追加されたエディタ用の16KBのROMも切り替えて使用されるようになっている。
新しいサウンドチップとMIDI out 機能のために BASIC に PLAYコマンドが追加された。また、従来互換の48KBモードに移行するコマンドとして SPECTRUM も追加されている。BASICプログラミングで追加されたRAMを有効利用するために、RAMディスクにプログラムを保持できるようになっっている。これらの新たなコマンドはユーザー定義文字の領域を使っていたため、いくつかのBASICプログラムでは互換性問題が発生した。
[編集] ZX Spectrum +2 (1986年)
Amstrad 社は、Spectrum 製品と 「シンクレア」ブランドを買い取った。そして最初に発売したのが +2 である。マシンは新たにグレイの外観となり、スプリング入りの普通のキーボード、ジョイスティック×2ポート、組み込み型の「Datacoder」(カセットレコーダー、Amstrad CPC 464と同じ)などの特徴があるが、それ以外のユーザーから見える部分は ZX Spectrum 128 と全く同じであった。製造コストの低減により、小売価格は£139~£149に低下した。
新しいキーボードでは、ソフトウェアのロードに有用だったキーワード LOAD、CODE、RUN以外のBASIC言語キーワードが省かれた。ただし、キー配列は 128 と同じである。
[編集] ZX Spectrum +3 (1987年)
Spectrum +3 は +2 によく似ているが、カセットレコーダーの代わりに3インチのフロッピーディスクドライブを内蔵しているのが特徴である(Amstrad CPC 6128 と同じ)。当初の小売価格は £249、後に £199となった。追加ハードウェアなしでCP/Mを実行できる唯一の Spectrum であった。
+3にはさらにROMが追加され、物理的には32KBのROMを二個搭載していた。追加のROMには、+3 のディスクオペレーティングシステムが内蔵されている。 新しいROMとCP/Mを使いやすくするためにバンク切り替えが変更され、ROM全体をページアウトしたり、ディスプレイRAMのために3つの16KBページを提供することができるなどの変更点がある。
そのような基本的変更は非互換性をもたらした。
- 拡張バスコネクタ上の数ラインが削除された(ビデオ、パワー、ROMCS、IORQGE)。多くの周辺装置で問題が発生し、VTX5000モデムは間に変換装置を挟む必要があった。
- 存在しない入出力ポートを読むと、常に同じ値を返す。このため、アルカノイドのようなゲームが遊べなくなった。
- メモリタイミング変化。RAMバンク切り替えの衝突によって、高速色変更という技が使えなくなった。
- ROMからキーパッド・スキャンルーチンが削除された。
48K用のいくつかと128K用のごく一部のゲームは互換性がなく動作しなかった。
ZX Spectrum +3は、1990年12月まで生産され、Spectrum としては最後の公式製造モデルとなった。その時まだホームコンピュータ販売全体の3分の1を占めていたが、Amstrad社は顧客をCPCに移行させるために Spectrum の販売を停止したのである。
[編集] ZX Spectrum +2A /+2B (1987年)
+2Aは、Amstrad 製 Spectrum を広めるために生産された。ケースには「ZX Spectrum +2」と書かれているが、色が黒に戻ったので +2 と +2A/B は容易に識別可能である。
+2Aは +3 をベースにしており、ASICを使うことで劇的に使用部品数を減らしている。また、+2A は +3で搭載されたFDDをテープ装置に置換した。Amstrad社は外付けのディスク装置の発売を予定していたが、それが発売されることはなかった。+3 と同様、従来の機種との非互換があった。
+2Bは製造拠点が香港から台湾に移動したことを意味する。
[編集] クローン
シンクレアは Spectrum の設計ライセンスをアメリカのタイメックス社に供与し、タイメックスは独自の(非互換の) Spectrum 派生品を製造した。しかし、タイメックスの改良のいくつかが後にシンクレアに影響を与えている。例えば、出荷に至らなかった Pandora portable Spectrum がある。これは、Timex TS2068の高解像グラフィックを取り入れ、フラットなディスプレイと ZX Microdrive というテープ記録装置を備えたポータブルなコンピュータである。Amstrad 社のアラン・シュガーがシンクレアのコンピュータ部門を買い取ったとき、彼はそれを一目見て捨てたと言われている。
イギリスでは、Spectrum の周辺装置業者である Miles Gordon Technology (MGT) が Spectrum と互換性のある SAM Coupe をリリースしている。しかしこの当時、AmigaやAtari STが市場を席巻していたため、MGTは Spectrum の最後を看取った形となった。
多くの非公式な ZX Spectrum のクローンが特に東ヨーロッパや南アメリカ諸国で製造された。例えばロシアでは、ZX Spectrum は数千の新興企業が製造販売し、ポスター広告で宣伝され、露店で売られていた。Planet Sinclairには50以上のクローンがリストアップされている。いくつかは現在でも製造されている。
[編集] 詳細スペック
- CPU
- Zilog Z80A / NEC μPD780C @ 3.50 MHz (Spectrum 16K, 48K, +) あるいは 3.5469 MHz (Spectrum 128 および後継機)
- ROM
- 16 KB ROM (BASIC言語: Spectrum 16/48K, +)
- 32 KB ROM (BASIC言語, エディタ: Spectrum 128, +2)
- 64 KB ROM (BASIC言語, エディタ, 文法チェッカー, DOS: Spectrum +3, +2A, +2B)
- RAM
- 16 KB RAM (Spectrum 16K)
- 48 KB RAM (Spectrum 48K, +)
- 128 KB RAM (Spectrum 128, +2, +3, +2A, +2B)
- ディスプレイ
- テキスト: 32×24 文字
- グラフィックス: 256×192 ピクセル, 15 色 (8×8ピクセルの範囲内には2色まで)
- サウンド
- ビープ音 (1 チャンネル, 10 オクターブ, 10種以上の音色: Spectrum 16K と 48K では内蔵スピーカー、他はテレビ音声)
- ゼネラル・インスツルメント AY-3-8912 チップ (3 チャンネル, 9 オクターブ (PLAY コマンド), 27 Hz~110.83 kHz: Spectrum 128, +2, +2A, +3)
- 入出力
- Z80 バス入出力
- テープ音声入出力: 外部カセットテープ記憶装置用(Spectrum +2 以外の全機種)
- RFモジュレータによるテレビ出力
- RS-232 入出力 (128K モデルのみ)
- MIDI 出力 (128K モデルのみ)
- RGB モニタ出力 (128K モデルのみ)
- ジョイスティック 入力 × 2 (Spectrum +2, +2A, +3)
- 外部テンキー入力ポート (Spectrum 128 と +2)
- 補助入力ポート (外部テンキーポートと同じ) (Spectrum +2A, +3)
- パラレル プリンタポート (Spectrum +2A, +3)
- 外部 フロッピーディスク ポート (Spectrum +3)
- 記憶装置
[編集] 周辺機器
シンクレア自身もいくつかの Spectrum 用周辺機器を販売した。Spectrum のプリンタ用プロトコルは ZX81 と同じだったのでプリンタは市場に既に存在していた。ZX Interface 1 は、8KB ROM、RS-232Cポート、独自LANインターフェイス(ZX Net)を備え、ZXマイクロドライブを8台まで接続可能であった。ZXマイクロドライブは若干信頼性の低い高速ループ型テープカートリッジ装置である。これらは後に改良されてシンクレア QLで使われたが、電気的には互換性があったものの、Spectrum とは論理的な互換性がなかった。シンクレアは ZX Interface 2 も後にリリースしていて、2つのジョイスティックポートとROMカートリッジポートが追加されていた。
また、サードパーティの周辺装置は非常に多かった。よく知られているものとしては、Kempston社のジョイスティック・インターフェイス、Morex社のセントロニクス/RS-232Cインターフェイス、Currah社の音声合成装置/RAMパック/SpecDrum(ドラム・マシン)、Romantic Robot社の Multiface (スナップショットおよび逆アセンブリツール)がある。
また、様々なディスク装置もリリースされた。中にはビジネス用ソフトウェア(ワードプロセッサ、表計算ソフト、データベースなど)がバンドルされたものもあった。 1980年代中期に、Micronet800社は ZX Spectrum をパソコン通信ネットワークに接続するサービスを開始した。
[編集] ソフトウェア
Spectrumファミリーは少なくとも20,000のタイトルの非常に大きなソフトウェアライブラリを有している。Spectrum の機能が低レベルだったにも関わらず、そのソフトウェアは非常に多種多様であり、プログラミング言語、ワードプロセッサ、表計算ソフト、描画/ペイントソフト、三次元モデリング、そしてもちろん多数のゲームがあった。
多くの Spectrum ソフトウェアはカセットテープで販売された。ソフトウェアは、テープ上で符号化され、再生してみるとモデムの音のように聞こえる。ZX Spectrum の符号化方式は非常に原始的だが信頼性が高く、パルス幅変調に似ているが一定のクロックではなかった。パルスの幅によって 0 と 1 を表している。「ゼロ」は244μ秒のパルスで表され、その後に同じ幅のギャップが必ず存在する。従って合計で 489μ秒となる。「1」のパルス幅は二倍なので合計で 977μ秒となる。このため、一秒間に記録できるのは 1023個の「1」か、2047個の「ゼロ」である。0と1が1:1で混在していれば、平均的な記録速度は 1365bpsとなる。ROMルーチンを使わずに独自に機械語でプログラムを書けば、もっと高速な記録も可能であった。
独自のローダーを使うことで ZX Spectrum でのソフトウェアのコピーを予防するのが普通だったが、他の方法も使われた。例えば、付属ドキュメント内に書かれている特定の単語の入力を求めるなどの方法である。特筆すべきコピー予防策として、Lenslok方式がある。これは、パッケージに同梱されたプラスチック製のプリズムを使うもので、これを通して画面を見るとスクランブルされた画面からパスワードを読み取れるというものである。しかしこれはテレビの画面サイズが同じであると暗黙に仮定したものでうまく機能せず、Lenslok方式は Spectrum ユーザーの間で繰り返し使われるジョークの種となった。
理論上、標準の48Kのプログラムは、ロードするのに約5分かかる。49152バイト × 8 = 393216ビット。393216ビット÷1350ボー ≒ 300秒 = 5分。実際には、48KBのプログラムのロードには 3~4分かかり、128KB をロードするには 12分以上かかった。ベテラン・ユーザーはテープを再生するだけでその種類(機械語なのか、BASICプログラムなのか、画面イメージなのか)を当てることができたという。
興味深いソフトウェアとして、コピー用ソフトがある。ほとんどは不正コピーを意図したもので、機能は単にテープの複製を作ることであったが、シンクレアが ZXマイクロドライブ(後のフロッピーディスク)を始めると、コピー用ソフトはカセットテープからマイクロドライブのテープやフロッピーディスクへコピーするよう進化した。コピー防止機能が進化すると、コピー用ソフトは使い物にならなくなり、ローダーの仕組みを地道にクラックしてプロテクトのないバージョンを作り出す必要があった。これはもちろん不正なことであるが、1980年代当時の東ヨーロッパなどにはソフトウェアの著作権に関する法律がなかったのである。
Spectrum は、ほとんどどのようなカセットテーププレーヤーでも使えるよう設定されており、音声再生の忠実度が様々であったにも関わらず、ソフトウェアのローディングは極めて信頼性が高かった。しかし、Spectrum ユーザーは「R Tape loading error, 0:1」というメッセージが出るのを恐れた。
ローディングのための典型的な設定は、音量を3/4程度にして、高音(Treble)を100%、低音(Bass)を0%にするというものである。ラウドネスやDNRなどのフィルターは切っておく必要があり、Hi-Fiプレイヤーは適さない。この用途に最適化されたレコーダーとしてタイメックスのものなどがある。
テープに加えて、ソフトウェアは活字メディア、ファンマガジン、本を通しても配布された。このとき使われた言語はシンクレアのBASICである。読者はプログラムを手で打ち込み、カセットテープに保存した。この手のソフトウェアは地味で遅いものが多かったが、すぐに雑誌などにはチェックサム付きの機械語のリストが載るようになった。
特殊なソフトウェア配布方法として、ラジオやテレビの番組があった。例えば、ベオグラード、ポーランド、チェコスロバキア、ルーマニアなどで、司会者がプログラムの内容を説明し、視聴者にカセットテープレコーダーをラジオまたはテレビと接続するよう指示して、音声としてプログラムを放送するのである。もうひとつの特殊な方法は、ソノシートを使うものである。このソノシートは「フロッピーROM」と呼ばれ、フランスの雑誌で使われた手法である。
数人のポップミュージシャンは彼らのレコードにシンクレア用プログラムを入れた。Ex-Buzzcocks のピーター・シェリーは歌詞を含む Spectrum プログラムと他の情報を彼のアルバムXL-1の最後のトラックに入れた。Hawkwind はバンドに関する情報を Spectrum 用データベースとして 1984 年のリリースNew Anatomyに入れた。また1984年に、Tompson Twins はゲームをリリースしている。エイフェックス・ツインは1996年のRichard D. James Albumで様々なローディングノイズを効果音として入れた。Shakin' Stevens はアルバムThe Bop Won't Stopの最後にゲームを入れた。このゲームはキャラクターを操作して蝙蝠を避けながら迷路を進み、最終的にランク付けされるものである。そのゲームは彼のIt's Lateという曲と若干関連がある。
オーディオテープの寿命は限られているので、多くの Spectrum 用ソフトウェアは最近になってデジタイズされ、ダウンロード可能な形になっている。この法律的な正当性は議論の最中である。しかし、アバンダンウェアと呼ばれるこうしたソフトウェアについて何らかの措置が取られたという話は聞かれない。
- 訳注:ここで言うのは、対象となるハードウェアがずっと以前に販売停止されたソフトウェアであり、現在も新作が発表されているゲーム機用ソフトの不正コピーとは話が若干異なる。特に ZX Spectrum は「外部リンク」にあるように発売元の Amstrad が是認したサイトにそのようなソフトウェアが豊富に存在している(もちろん、エミュレータもある)。ただし、ソフトウェア開発者がどう考えているかは定かではない。
Spectrum には活発なファンがいる。安価で単純で簡単にプログラミングできたので、Spectrum は多くのプログラマやハイテク好きのスタート地点となり、彼らはそれにノスタルジアを覚える。Spectrum のハードウェアの限界が、ゲーム設計者の創造性に影響を与え、Spectrum 用ゲームは独創的で今日でも十分に遊べるものとなっている。
[編集] 対立関係
多くのZX Spectrum ユーザーや愛好家はコモドール64のユーザグループと歴史的に争っている(今日でも、それが続いている)。それは例えばネットニュース上のフレーミングなどに典型的に現れている。現在の両者の稼働台数の少なさにも関わらず、どちらがよいかという論争は罵詈雑言が飛び交う場となってしまう。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
いずれも英文
- World of Spectrum – オランダ人のファンが運営し Amstradの公式な承認を得ている。
- Planet Sinclair - Spectrum pages
- ZX Planet - Spectrum Heaven