True Crime
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True CrimeはActivisionから発売されたアクションゲーム。主人公は警察官となって銃器や格闘技を用いて街中で発生する犯罪を取り締まり、またメインとなる事件を追う。2006年時点で2作品が出ている。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] 概要
[編集] True Crime:Streets of LA
以下LA。 2003年11月3日Activisionからプレイステーション2とXboxそしてPC(PC版は2004年5月11日)で発売されたゲームソフト。日本語版は2004年10月28日に株式会社カプコンからプレイステーション2とXboxで発売。
舞台はロサンゼルス。主人公は精鋭部隊E.O.Dの捜査員となり、チャイニーズマフィアやロシアンマフィアなどの組織犯罪を追う。
[編集] 登場人物
- ニコラス・カン:ゲームの主人公でE.O.D.捜査官。通称ニック。
- ロージー・ベラスコ:ニックの相棒兼お目付け役のエリート刑事。
- チーフ:ニックとロージーの上司
- マスターソン:FBI捜査官。ニックとは犬猿の仲。
- ウー爺さん:チャイナタウンの長老。ニックが追う事件の秘密を知っているらしい。
- ロッキー:ロシアンマフィアのボス
[編集] True Crime:New York City
以下NYC。 Street of LAの続編。2005年11月15日Activisionからプレイステーション2とXboxそしてゲームキューブで発売されたゲームソフト。 PCでは、2006年3月24日発売。日本語版はスパイクから2006年7月27日にプレイステーション2で発売された。
舞台はニューヨーク。ストリートギャングの主人公は何者かの仕掛けた罠により父と共に命を落としかけ、またその時に助けてくれた恩人のテリー刑事を殺害される。何者の意図によるのか、その秘密を追う。
[編集] 登場人物
- マーカス・リード:元ストリートギャングでニューヨーク市警察路上犯罪課の刑事。このゲームの主人公。自分と父に仕掛けられた罠と、テリー殺害の真実を追究する。
- イサイア・リード:かつて裏社会で"King"とあだ名された大物で、マーカスの父。マーカスと共に殺されそうになった後、特別扱いで収監。
- テレンス・ヒギンズ:ニューヨーク市警察組織犯罪課の刑事で、マーカスの恩人。通称テリー。マーカスを組織犯罪課に呼ぶが、何者かに殺害される。
- ビクター・ナバロ:ニューヨーク市警察組織犯罪課の責任者。テリーの勧めで渋々マーカスを部下にするが、テリー死亡後はすぐに路上犯罪課に飛ばしてしまう。
- ディーナ・ディクソン:ニューヨーク市警察路上犯罪課の責任者。飛ばされてきたマーカスに、市内で頻発する路上犯罪の取締り強化を指示する。
- ガブリエル・ホワイティング:FBI捜査官。市警察内部にいるスパイの内偵をしており、マーカスにテリー殺害にもその者たちが関与していることを指摘し、内偵に協力させる。
[編集] 内容について
GTA3以降に良く見られるようになった、3Dで再現された街の中を動き回るアクションゲーム。基本的には人間を操作するのだが、街中を走る車やバイクを奪って乗れるなど、GTAシリーズと似ているところは多い。
[編集] True Crimeの特徴
- 舞台となる地域の道路や主な建築物などを、実際に基づいて再現している。
- 主人公は警官なので、自由行動ができるときは街中で発生する様々な事件に対処することができる。
- 事件を解決するとポイントが貯まり、一定以上になるとランクが上がり、様々な新しいスキルを獲得できる
- スキルには銃器の取り扱いに関するもの、運転に関するもの、格闘技術に関するものがある。
- 無闇に人を殺したり、警官を攻撃したり、無抵抗の犯人を殺すなどするとバッドポイントが貯まり、バッドゲージが増える。ゲージが増えすぎると時間経過でポイントが減るまで 自分が警察に追われる。
- LAでは素手で格闘する時、格闘ゲームのようにコンボを入力することで、様々な強力な技を繰り出すことができる。この技は、ゲームを進めることで新しく習うことができる。
- LAはストーリーの分岐があり、分岐点に戻って別のストーリーを進めることもできる
[編集] NYCの特徴やLAとの違い
[編集] 警察の仕事
- 給料が導入され、プレイヤーは犯人を逮捕したり昇進したりするたびに警察からお金をもらえる。そのお金でいろいろなものを購入する。
- 市内はいくつもの分署管轄区に分かれていて各管轄には犯罪発生率があり、自由行動時にパトロールをし、犯罪を取り締まり続けることで犯罪発生率が低下。一定以上の犯罪を取り締まると「安全」の状態になる。全管轄を「安全」にすることが、主人公が上司から課せられている基本的な任務である。またセントラルパークを除く各管轄には最低一つの交番があり、そこでは自分の車を出す、証拠を提出する、給料を貰うと言ったことができる。
- 私服でパトロールをして事件に対応する時、銃を出したり発砲することで、制服警官が犯罪者と誤解し銃で撃ってくる。この時にバッヂを見せれば警官たちはそれをやめるが、主人公が制服を着用していることで誤解を最初から避けることも可能。
- バッドゲージが一杯に貯まった状態でヒットポイントが0になると、不祥事に対する処分としてパトロールオフィサーに一時的に降格させられる。降格中は着用できる服は制服のみでロッカーは使用できず、また自分の車両を市警の車庫から出すこともできない。降格は市内で容疑者を3人逮捕することで解除される。
- 街で起きる事件は多様になり、さらに建物の中でも事件が起きるようになった。強盗、暴力、強姦、ガサ入れなどがあり、また室内には犯罪の証拠物が残されていることもある。証拠物を回収して市警に提出すると、昇進に必要なキャリアポイントと給料が得られる。また市警に提出せずに質屋に横流しすることも可能で、市警に提出よりはるかに多いお金を得られるが犯罪発生率に悪影響があり、またバッドポイントも増える。あまりに一度に大量の物資を横流しすれば、ゲージが一気に上限まで上がってしまい警察に追われる。
- ある程度物語が進むと、主人公は上司から違法なストリートレースや賭け闘技場の取締りを命じられる。街中にそれらに参加申し込みをするポイントが現れ、掛け金を払って参加、勝利すれば掛け金に応じた賞金を貰う。全ての試合で勝利すると、主催者との勝負になる。
[編集] 車両
- バイクに乗れるようになった。
- いくつかの覆面パトカーベース車両や、一般車両の気に入ったものを給料から購入できる。警察車両は市警本部内にある車両係か交番で、それ以外の一般車両は市内に点在するカーディーラーで購入する。最初に一台だけ、フォード・クラウンビクトリア・ポリスインターセプター覆面仕様風の覆面パトカーを貰う。
- 車両の破損は街にある修理工場で有料で修理することができ、また一般車などはここで刑事用改造を施しサイレンとパトライトを装着することで、覆面パトカーにできる。一部の車両はグレードアップの改造することができ、外観や性能を変えられる。
[編集] 武器・戦闘関連
- LAではスキルアップごとに自分の拳銃がパワーアップしていったが、NYCでは武器の種類が大幅に増え、購入することでそれらを装備することが可能となった。武器は市警本部の武器庫、もしくは街にあるガンショップで購入する。武器の種類は拳銃や自動小銃、サブマシンガン、ショットガン、狙撃銃など警察の装備としてよく知られているものから、街のガンショップでしか買えない対戦車ロケット砲、ガトリングガン、マグライト、ナイフ、マチェット、地雷、手榴弾など強力なもの、また離れた相手に針を撃ちこんで電撃を加えるスタンガンや警棒、電撃を加えられるスタンスティック、マグライト、閃光手りゅう弾、麻酔銃などの非致死性武器もあり、相手を安全且つ生け捕りにするのに役立つ。一度に持ち運べる装備には限りがあって、持てない分については自分が持っている車のトランクに保管されており、トランクを開けて武器の持ち換えができる。警察の武器庫では有料でガンスキルが学べ、各階級ごとに一つのスキルがある。
- 支給品の38口径の自動拳銃以外の銃は弾数制限があり、撃ち尽くすと弾薬を補給するまで使用することができない。弾薬の補給は自分の車のトランクを開けるか、市警本部に戻ることによって行われる。
- 片手で扱える拳銃などは同じ銃を2丁揃えることで、両手撃ちができる。
- 格闘技は空手、テコンドーなどいくつかのスタイルがあり、好きなスタイルと特別な技を街にある道場でお金を払って習得できる。ただしスタイルの総数より実際に覚えられる数が少ないので、覚えられるだけの数を覚えてしまうと、新たなスタイルを得るためにはいずれかと入れ替える必要がある。
- 格闘技は強攻撃(□)と弱攻撃(×)、□+×でのとび蹴り、相手の腕を掴んで(○)攻撃した時の技、そして道場で購入できる各スタイルごとの特別な技で、前作のようなコンボ入力の技と言うものはない。ただし敵の残りヒットポイントが少ない時に弱攻撃を3連発で決めると画面下に横長のゲージが現れ、それが消える前に□や×を連打をしてゲージを高めると、強力なダメージを相手に負わせる攻撃をする。
- 一撃必殺の暗殺技が使えるようになった。敵がこちらに気づいていない時にしゃがみ(L3)状態で移動すると、正面に行かない限り接近しても気づかれない。この時に背後に回りこみ、○や×で攻撃すると暗殺技で敵を即死させる。敵のアジトに侵入するようなミッションでは役に立つが、バッドポイントが少し増える。
[編集] 買い物や交通
- 市内には多くの店があり、主人公は後述の武器や服の他、ヒットポイント回復のために食料品や医薬品を買える。前作では街中を自由行動している時のヒットポイント回復は薬局で薬を買うのみであったが、今作では露店や食料品店、薬局、ファーストフード店など色々ある。品物は薬をはじめとしてコーヒーとドーナツのセット、フィッシュアンドチップス、サンドウィッチ、ワイン、ホットドッグなど様々だが、高いものほどヒットポイントの回復量も大きい。この店は先述の犯罪発生率が高いと開いているものが少なくなり、犯罪発生率の低下によって増えていく。
- 主人公の着替えが可能となり、市警本部地下のロッカーで着替えられる。スタート時点で装着できるのは私服1種類と制服のみだが、街にあるブティックで服を購入することで、ロッカー内にある服の種類も増えていく。
- タクシーや地下鉄といった交通機関を使うことにより、遠隔地でも一瞬で移動できるようになった。タクシーの方が地下鉄より高く、南北に細長いマンハッタンの端から端まで移動すると、およそ40~50ドル程度。その代わり、どこでも好きなところに移動できる。地下鉄はタクシーより安価だが、駅から駅までしか移動できない。
- CD店でCDを購入すると、乗車中にかかるBGMを変更できる。
[編集] LAとNYCの全体的な比較
上記のようにゲームの内容についてはLAとNYCは違うところが多いが、全体的の雰囲気を比較してみてもかなり違うところがある。 LAは先述のようにストーリーの分岐があるが、進め方によっては地底に住む巨大な炎の竜を主人公が銃で倒す、超能力者が出てくるなど、かなりファンタジー要素が強い内容にもなっている。一方でNYCはゲームの演出として現実にはありえないもの、例えばボスとなる犯罪者が劇場の舞台装置に乗ってその搭載兵器で主人公を攻撃してくるといったことはあるが、前作のようなファンタジーに振った流れはなく、元ストリートギャングの警官が仇を追求していく趣旨に徹している。このように両者はアクションゲームという土台と、そのための操作やシステムは共有するところがありながらも、前者はLAを舞台にした荒唐無稽さも許容しアクションをひたすら追求したゲーム、後者はニューヨークを舞台にし、ストリートの雰囲気を前面に出したハリウッド映画的ポリスアクション、ぐらいの違いがある。よって、いずれかを遊んで楽しんだものがこれを知らず、同じシリーズだからともういずれかに手をつけると違和感を覚えるかも知れない。
[編集] LAPDとNYPD
Los Angeles Police DepartmentとNew York City Police Departmentはいずれもアメリカの市における自治体警察。アメリカは日本の市に相当するCityにPolice Departmentが置かれ、州が持つ犯罪の捜査、逮捕、取調べなどの法執行権を行使する。またロサンジェルスもニューヨークも大都市なのでLAPDは約17,000人、NYPDは約35,000人の職員を擁し、その規模は日本の都道府県警察に匹敵するので、日本人が想像する「市の部局」といった印象からするとかなり大規模と言える。ゲーム内では権利上の関係からかLAではパトカーのドアについている市章(実際のパトカーの市章)が省かれていて、またNYCでは全体を通して市警察名称の省略形は「PDNY」と表記され、マーカスが着用する制服上腕部のワッペンでは中央部のしるし(NYPDのワッペン)も変更されていた。
[編集] 攻略本
LA、NYCともアメリカのゲームソフトメーカーBradyGamesのOfficial Strategy Guide(英語版のみ)が発売されている。日本ではAmazon.comなどで購入することが可能。