証拠
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証拠（しょうこ）とは、ある命題（真偽不明の主張や存否不明の事実）の真偽や存否を判断する根拠となるものをいう。
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[編集] 法律用語として
[編集] 民事訴訟
民事訴訟においては、証拠という用語は、証拠方法、証拠資料、証拠原因という3つの異なった意味を含んでいる。証拠方法とは、裁判官による証拠調べの対象となる物そのものをいい、日常用語としての「証拠」という用語法に最も近い意味を持つ。証拠資料とは、裁判官が証拠調べにより証拠方法から得た内容をいい、証人の証言内容や書証の記載内容のことを指す。証拠原因とは、証拠資料のうち裁判官が心証形成に採用したものをいい、当事者の立証活動は、自己に有利な証拠原因をできる限り多く裁判官に提供することを目的として行われることになる（刑事訴訟に関する用例であるが、「証拠不十分により処分保留のまま釈放」といった新聞でよく見かける表現は、この証拠原因の意味で「証拠」を用いていることになる。）。
証拠方法には、書証、検証、鑑定、証人、当事者本人の5種類がある。
[編集] 刑事訴訟
刑事訴訟法第317条では、事実の認定は証拠による旨の明文がある（証拠裁判主義）。この場合、厳格な証明の対象となる事実については、証拠能力を備えた証拠について、法定の証拠調べ手続きを踏まなければならない。
[編集] 証拠の種別
証拠の種別として次のような区分がある。
- 人的証拠と物的証拠
- 供述証拠と非供述証拠
- 直接証拠と間接証拠（状況証拠）
- 実質証拠と弾劾証拠
※弾劾証拠とは、犯罪事実の存否の証明に向けられた証拠（実質証拠）の証明力に影響を及ぼす事実を証明する補助証拠のうち、証明力を弱める証拠のことをいい、特に証人等の供述の証明力を減殺するための証拠を言う。
[編集] 証拠能力の制限
刑事訴訟においては、自白が最も重要な証拠であるが、同時に冤罪を生む危険な証拠でもあることから、その証拠能力及び証明力が制限されている。
- 日本国憲法第38条第2項
- 日本国憲法第38条第3項
- 何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。
- 刑事訴訟法第319条
- 第1項 強制、拷問若しくは脅迫による自白、不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白その他任意にされたものでない疑のある自白は、これを証拠とすることはできない。
- 第2項 被告人は、公判廷における自白であると否とを問わず、その自白が自己に不利益な唯一の証拠である場合には、有罪とされない。
- 第3項 前2項の自白には、起訴された犯罪について有罪であることを自認する場合を含む。
と規定している。
また、被告人の反対尋問権の保障および実体的真実発見のため、伝聞証拠も排斥される。
- 日本国憲法第37条第2項
- 刑事被告人は、すべての証人に対して尋問する機会を充分に与へられ、又、公費で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有する。
- 刑事訴訟法第329条
- 第1項 第321条乃至第328条に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。
- 第2項 第291条の2（簡易公判手続）の決定があった事件の証拠については、前項の規定は、これを適用しない。但し、検察官、被告人又は弁護人が証拠とすることに異議を述べたものについては、この限りではない。
としている。
以上のように明文の規定があるもののほか、違法に収集された証拠物の証拠能力を否定するのが判例・通説である（違法収集証拠排除法則）。
[編集] 行政法
- 実質的証拠の法則
