Next Generation Network
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Next Generation Network (NGN)とは、Fixed Mobile Convergence (FMC)と呼ばれる固定・移動体通信を統合したマルチメディアサービスを実現する、IP(Internet Protocol:インターネットプロトコル)技術を利用する次世代電話網である。
[編集] 各国の状況
2000年代に入り、各国の事業者が公衆交換電話網の置き換えを発表している。
- 日本のKDDI : 2008年までにIP化完了予定。
- イギリスのブリティッシュテレコム : 2008年までにIP化完了予定。
- 大韓民国の韓国通信 : 2010年を目標にネットワーク部分のIP化完了予定。
- 日本のNTTグループ : 2008年までに長距離基幹網をIP化・2010年代前半までに原則として全面的にIP網化。
- ドイツのドイツ・テレコム : 2012年を目標にIP化完了予定。
[編集] 標準化の状況
2003年から欧州連合の標準化機関であるETSI(European Telecommunications Standards Institute,欧州電気通信標準化協会)のTISPAN (Telecommunications and Internet converged Services and Protocols for Advanced Networking)、2004年からITU-TのFGNGN (Focus Group Next Generation Network)で標準化が行われている。
2005年末までに次のようなことが定められる予定である。
- 通信プロトコルとしてSIP、網としてIPネットワークを使用し、データ通信と音声・動画などのリアルタイム通信を統合したマルチメディアサービスを提供する。
- FMCと呼ばれる固定・移動体通信を意識せずに使用できる統合されたサービスを実現する。
- 第三世代携帯電話に関する標準化団体である3GPP (3rd Generation Partnership Project) 規定のIMS (IP Multimedia Subsystem) を基本構造として使用する。
- エンド・ツー・エンドでQoS制御を行い、高速データ通信とリアルタイム通信を同一のネットワークで両立可能とする。
ただしIP網といっても、純粋なイーサネットで構成された網に直接IPパケットを乗せる方法(これを後者と区別するために「Pure IP網」と呼ぶことがある)と、SDHやATMで構成されたバックボーン上でIPパケットを伝送する方法(10Gbit EthernetをWAN PHYを用いSDHで伝送する場合なども含まれる)の2通りがあるが、このうちどちらを選択するのかなど不透明な部分は残っている。
[編集] 関連項目
- VoIP : IP網による音声リアルタイム伝送技術